yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

舟を編む

2012-05-23 12:59:41 | その他
三浦しをんさんの「舟を編む」を昨日1日で読み終えました。

辞書編集部に異動した馬締は「大渡海」の編纂を始める。個性的すぎる仲間たち、問題山積みの編集部、ままならぬ恋…。愛すべき変人たちが恋に仕事に右往左往。「大渡海」は編み上がるのか?

現在岡山の県立図書館に予約を入れると・・・90番目になる程の大人気の1冊です。
以前プールでご一緒だった読書好きのお友達が、『どうにも待ちきれなくって買ってしまいました。面白いです!読んでないならお貸しします。』とメールをくれて、是非!と返信したら翌日には読み終えて持ってきてくれて・・・大感謝です。

いや~~面白かったです。三浦さんってどこから「辞書作り」なんて超地味そうなところに目をつけられたのか??気になって仕方ありません。

登場する人たちは少ないのですが、皆さんキャラが尖っていて最高なんですよ。ここで紹介しちゃうと読んだ時の楽しさが半減しちゃうので・・・

今まで辞書がどんなふうに作られてきたのかって、まるで気にしたことは無く、三浦さんが辞書を作るお話を書かれたって聞いて「えらい地味そうな本だなぁ」と思ってたのですが、こんなにハードで壮大で言葉に対しての愛情がいっぱい詰まった本が出来上がっていたとは。
たった一つの言葉を辞書に載せるにあったって、どれだけの時間と手間と推敲と愛情が掛かっているのか・・・心が震えそうになります。

「舟を編む」の題名が不思議で仕方なかったのですが本文中に・・・『ひとは辞書と言う舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう』・・・と書かれていて、この思いがこの本の題名になったんだなぁと。意味は深いですねぇ。

そしてかれらが編纂する辞書は『海を渡るにふさわしい舟を編む』ことから「大渡海」と名付けられたのです。

もう一つ辞書の背負う重たさが書かれているのです。
海外では辞書の編纂に公的資金が使われていることが多いが、日本では今まで一度たりとも公的資金が辞書の編纂に使われたことは無く、民間で編んできている。
そのことの重大さを

『公金が投入されれば、内容に口出しされる可能性もないおは言えないでしょう。また、国家の威信をかけるからこそ、生きた思いを伝えるツールとしてではなく、権威づけと支配の道具として、言葉が位置づけられてしまうおそれもある』と。

いろんな重たい側面もあるのですが、読んでいくと重かったり型苦しかったりなんてまるでなくって、馬締さんの一生懸命さや一途さ真面目さ純情さ優しさにホッコリ幸せな気分になってあっという間に読み終わって・・・あ~~あ もったいないことをしたと。

久々に「さすが本屋大賞!」と言える作品でした。

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限界集落株式会社

2012-05-23 12:39:51 | その他
黒野伸一さんの「限界集落株式会社」を2日前に読了。

起業のために会社を辞めた多岐川が訪れた故郷は、限界集落と言われる社会的な共同生活が困難な土地だった。彼は故郷を再生するため、かつての負け組たちと立ち上がる!

新聞の書評を読んで面白そうだなぁと図書館で予約して借りた本です。

すごく面白かったです。

いろんな教訓もいっぱいそれとなく書き込まれていて・・・フムフム、そういうことを言いたいんだあぁ・・・って箇所がいくつもあるんですが押し付けがましくないのがいいの。

人にはどこか秀でた才能があるってことや、いくつになってもやり直しは出来るんじゃないだろうかとか、何事も後ろ向きだと先は見えてこない(当たり前か)とかね。

そして発想の転換って民間からが始まりでお役人はそれをなかなか認められなくって置いてきぼりを食っちゃう。なかなか共存共栄って難しい。

などなど小難しいことを脇に置いていてもこのど田舎に暮らすおじいちゃんおばあちゃんは魅力いっぱいだし、田舎の良さも困難さもたくさん。

頑張れ頑張れと読みながら応援してしまう1冊です。
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