yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

くちびるに歌を

2012-11-10 22:23:55 | その他
中田永一さんの「くちびるに歌を」を読了。

中学合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、元神童の美しすぎる臨時教員・柏木に期限付きで指導を依頼。すると、柏木目当て男子が多数入部する。ほどなくして、練習に打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化して…。

自閉症の兄がいて、自分も学校で「ぼっち状態」で本当に影の薄い桑原サトル君と、

母親が病気になった途端愛人を作って家を出て母が亡くなった時にも帰ってこなかった父親のせいで男嫌いに育った仲村ナズナさん

が交互に独白するやり方で話が進んでいきます。

サトルが気になる女の子がいるので入部してしまった合唱部・・・最初は何処にいるのかわからない様なサトルだったが、友達ができ、ひょっとしたら彼女も出来たのかなぁ。

ナズナは幼馴染の男の子が美人の先生に憧れて合唱部に入部してきたことで、、、、男嫌いが治ったのかも。

先生に出された宿題、15年後の自分への手紙。

サトル君が書いた手紙は切なくて、涙なしには読めませんでした。
中学生が自分の生まれたことを・・・自閉症の兄を助けて生きていくために命を与えられた・・・と考えて人生を生きているってことが、もうどう言葉をつないでいいのか判らない。
そんなサトルが合唱部に入ったことで少しずつ変わっていく姿が嬉しいです。
コメント
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