遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

鉄路

2008-09-14 12:02:43 | Xトレイン
 子どもの頃,鉄路はどこまでも無限に続いていて、それを辿れば必ず日本のすべてを見ることができると信じ、地図を見ながら見知らぬ町や村に思いを馳せていた。
 鉄道のない地域もまだ敷かれていないだけで、いずれはどんな辺鄙なところにも網の目のようにレールが張り巡らされて、いつかそこへ行けるんだと思ったりもしていた。
 どこまでも繋がっていると言うことが、子ども達や若者達の夢を支えていた。
 成熟した社会と言うものは 、そんな風に都市であれ田舎であれ、人口の多少に関わりなく公平に機会をつくるものだと思ってもいた。
 時を経てローカル線が次々と廃止されたり、新幹線と引き換えに本線さえもが廃止され、繋がっていたレールはズタズタにされて夢も砕け散った。
 だが諦めたくはない。線路がなければ歩いてそこを繋いでやろう・・。

 窓の外に広がる景色や人々の暮らし・・,青々とした海や緑いっぱいの野山,丘や小川,小さな町や村の田んぼや畑やそこで働く人々,街の活気と雑踏,踏み切りで待つ人々・・,そう言うものを見ながら人は旅をする。時には窓を開けてその町の空気に触れたり、わずかな停車時間であっても何気にホームに下りて見たくなったりもする。
 眺めたり触れたり、話したり考えたり、物思いに耽ったりしながら人は旅をする。それにはそれにふさわしいスピードがある。
 新幹線や高速道路で日本中が繋がって高速で走りぬけたところで、子ども達や若者達や人々の夢は育たない。

 鉄路の旅を追い続ける一方で、廃止されたローカル線を執拗に歩いて見ようと思っている。