遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

里の秋

2006-10-10 00:26:32 | 暮らし
 7日,今シーズン初めての吹雪による遭難が発生した。その日,矢の沢では雪の気配すら感じられず、翌8日になって荒れ模様の後立山連峰に目を向け、寒波の襲来を知った。大町以北の山は完全に吹雪の中だったし、常念も時雨れて寒そうだった。
 9日。ようやく訪れた晴天の朝,アルプスは一夜にして銀嶺と化していた。
 
 秋が近くなると、アルプスには気持ちが向かなくなる。8月も後半になると日没が早くなり、午後の行動が極端に制限されて夕暮れ時をゆっくり楽しめなくなる。その季節の進行に気持ちがついて行けないのだ。
 里山なら夕暮れと競争しながら下山路を急ぐと言うことも楽しみの範疇だが、高山では夕暮れを感じてから行動を起こしたのでは遅すぎる。そんな慌しい思いをしてまでアルプスに登ろうとは思わない。まして紅葉を見るために冬山の装備を引っ張り出すまでには気持ちが切り替わらない。
 
 錦繍をまとったアルプスがどんなに美しくても、人の生活の匂いがする里の秋の方に惹かれる。野焼きの紫煙たなびく山里の秋に勝る秋はない。