(童話)万華響の日々

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「「ジャコメッティ展」 国立新美術館 を観た印象

2017-06-18 14:37:33 | 展覧会

国立新美術館で開催中の「ジャコメッティ展」を観に行った、アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)はスイス生まれのフランスの彫刻家、独特の細長い男や女の彫刻は一度観たら忘れられない、

初期の作品はキュビズム・シュルレアリズムに属し「女=スプーン」(1926)、「キューヴ」(1934)は大型作品である、「鼻」(1947)は細長いピノキオの鼻のように大きな鼻を持て余したような口をあんぐり開けた頭部が針金でぶら下げられている、この「鼻」が以後の線状の人物の彫像へ繋がってゆくような感じがある、

また幾つかの小像も頗るユニークだ、数センチの小さな線状人物像が展示されている(1946年ごろ)、形は小さいが後のもっと大きい線状彫刻の先駆けか、一方の群像彫刻は完全にジャコメッティ独自の線状彫刻になっている、

人物以外に犬と猫の彫刻が展示されている、これが面白い、「猫」(1951)は完全に直線状の細い猫、頭部のみが膨らんでいて猫だと分かる、「犬」(1951)は「猫」より胸部や腹部が幅広に垂れ下がって犬らしい、地面の臭いを嗅ぎながら歩く犬かと思われる、

ジャコメッティの細長い人物像は骸骨のような体の線が無駄を一切省いた像であるにもかかわらず、はっきりと肉が着いた人物であると分かるから不思議である