”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

寺島なす

2015-07-29 09:21:49 | 在来種 伝統野菜

昨日に続いて、江戸東京野菜のお話です。


今日は、寺島なすを紹介させていただきます。

 

  

 

一般的ななすと並べてみると、

そのコロンとしたかわいらしさが伝わってきます。

 

  

 

寺島なすというのは通称で、

正式名称は、蔓細千成(つるぼそせんなり)と言います。

寺島村(現在の墨田区向島あたり)が、

蔓細千成の産地であったことから、

寺島なすと呼ばれるようになりました。

  

 

包丁を入れた時のサクッとした感触からも

皮がしっかりしていて、果肉が緻密なのが伝わってきます。

  

まず、このサクッとした小気味よい食感を

そのまま味わいたかったので、

生のまま細かく刻んで、「だし(山形の郷土料理)」に。

 

 

写真は、ハンバーグに「だし」をかけていますが、

きゅうりや香味野菜に混じっても、

寺島なすの存在感は抜群です。

  

  

こちらは、なす料理の定番、麻婆なすに使いました。

小ぶりなので、縦半分に切るだけ・・・。

 

  

麻婆なすにする時は、面倒でも一度揚げるようにしています。

この揚げた寺島なすのおいしいこと。

とろんととろけるような食感に変わります。


夫が、思わずこう言いました。

「えっ、これって本当になす?

 こんなに味が濃いなす、初めて食べた!!」

  

  

寺島なすは、草丈が低く、横に広がって行きます。

茎も細く、たくさんの枝を出し、

小さいなすを大量に実らせる品種です。

そして、収穫のタイミングを逃すと、

色があせてしまうという難しさもあります。

  

しかし、隅田川上流から運ばれてきた肥沃な土壌が

このなすを作りだし、江戸庶民の生活を支えていた

という歴史を振り返ると、

小ぶりな寺島なすの持つ「うまみ」が

よりずっしりと重く感じられます。



  

すてきな江戸東京野菜との出会いを与えてくださったS先生、

心から感謝申し上げます。 (*^_^*)



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