”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

○産○消について考えた

2012-03-21 14:01:51 | “農”

先日、ある会議に出席した際、

「旬産旬消」という言葉が出てきました。

勉強不足の私には、初めて耳にする言葉でしたが、

この概念は2000年頃には、すでに出来上がっていました。

 

地産地消から発展したもので

「地元における旬の食材を、旬の時期に食べる。」

ということを意味します。

こうすることによって、

 ・施設栽培におけるエネルギー消費を抑制できるので

  環境への負荷を減らすことができる。

 ・食事に季節感を取り戻すことができる。

などの効果が期待できるということなのですが・・・。

 

この旬産旬消を厳密に実行しようとすると

困ったことが起こります。

 

例えば、静岡県の場合、

正月明けの市場の初競りに合わせて、

毎年出荷を始める、日本一早い白玉ねぎがあります。

ガラス温室で、年4作の周年栽培が一般的な

マスクメロンもあります。

これら先人たちの努力で作り上げた芸術品は

旬の定義からは外れてしまう・・・ということでしょうか?

 

また、静岡県は冬・春トマトの指定産地になっていますが、

これも旬の定義からは外れてしまいます。

指定野菜というシステムは、

「その野菜がないと、ご飯が作れない~!!」

ということが起こらないように、

日本全国に産地を定めて、

年間を通じて(つまり、旬を無視して・・・ということになるのですね)

安定供給ができるようにしたものですが、

その指定野菜でさえも、ここ数年の天候不順で

入手困難なことも度々ありました。

 

こうなると、旬産旬消を杓子定規に実行しようとすれば

地元農業は衰退してしまうし、

私たちの食卓も大混乱をひき起こします。

 

○産○消という表現にとらわれず、

たとえ、それが旬の時期の生産でない施設栽培で、

余計に燃料が必要になったとしても

地元の農業を応援する気持ちで、

地元のものをおいしくいただくのが

一番大切なことだと思います。

 

コメント
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