UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

酷暑の夏は、キリン特製ダーク・ビールをどうぞ!?

2018-08-05 00:55:26 | 日記
さる6月15日、ミャンマー(ビルマ)のラカイン州で暮らすイスラム教徒の少数民族ロヒンギャに対する迫害が国際的に問題視されているミャンマー軍に対して、キリンビール(キリンホールディングス)が現地子会社を通じて金銭を寄付していたと、人権NGOのアムネスティ・インターナショナルが発表したとするニュースを共同通信が地方新聞などに配信していました。また、このニュースはAFPも、日経、朝日なども簡単に報じていました。

GGIはビール愛飲者でありますが、このニュースが気になったものの詳しいことが分かりませぬ。そこで、アムネスティ日本のホームページを調べてみましたところ、6月15日付けで、「キリンビールのミャンマー軍への献金の調査を」と題された長い記事が掲載されていました。

この記事の要点は次のとおりです。長い記事ですのでより詳しくお知りになりたい方はアムネスティ日本のホームページをご覧になってください。

・キリンホールディングスは、ミャンマーの子会社が、同国のラカイン州で暴力が渦巻く最中 に、当局に3回の寄付を行ったことを認めた。
・軍の司令官が、寄付を受けている様子を動画に撮っていた。総司令官によると、寄付は治安 部隊のためのものだったという。
・キリンホールディングスは、寄付がどう使われたかわからないことを認めている。

上記の文中にある「ラカイン州で暴力が渦まく最中」と記されているのは、以前からミャンマーの治安部隊は同国で暮らすイスラム教徒の少数民族ロヒンギャを弾圧していたのですが、昨年8月末にロヒンギャの武装組織が警察や軍の施設を襲撃したのをきっかけに、その直後から軍の治安部隊が《民族浄化》ともいうべき殺害、拷問、放火、暴行、強姦などによる徹底した弾圧を始めるに至っている事態を指しています。

ご存知の方も多いことと思いますが、ミャンマーでは以前から軍がロヒンギャの人々を差別し弾圧していることが国際的に問題視されており、国連などが調査のために現地への立ち入りを何度も求めています。しかし、政府と軍は頑なに拒否しており、昨年8月末以降の「民族浄化」作戦により、いまではおよそ70万人が難民となり隣国のバングラデシュに逃れているとされています。

このためアムネスティは「日本の当局は、世界的なビール大手のキリンビールがミャンマーの子会社(ミャンマー・ブルワリー)で、ロヒンギャの人々に対する民族浄化が行われている最中に、軍と当局に献金していたことを直ちに調査すべきだ」として、以下のように続けています。

「キリンホールディングスはアムネスティに対し、子会社のミャンマー・ブルワリーが昨年9月1日から10月3日にかけて当局に3回の寄付を行い、寄付額は総額3万米ドル相当になると文書で回答した。
 
 同社によれば、献金は暴力の被害者を支援するため、ということだ。しかし、アムネスティの理解では、第1回目の寄付は、9月1日にミャンマー・ブルワリー社員から軍の総司令官、ミンアウンライン上級大将に手渡された。総司令官が自身のフェイスブックにその様子を撮った動画を投稿していた。テレビでも放映された。キリンホールディングスの説明では、その時の寄付額は6000ドルだった。総司令官は、《寄付の一部は、ラカイン州北部で展開する治安部隊員や州職員に渡るだろう》と述べた。
 
 ロヒンギャの人びとに対 する民族浄化を行っているまさにその部隊に、寄付をする企業があるとは、信じられない(注:昨年9月、国連人権高等弁務官は「ロヒンギャへの攻撃は典型的な《民族浄化》だと述べています)。寄付が、人道に対する罪を犯している部隊の作戦に使われるおそれがあるだけではない。ミャンマー・ブルワリー社員が、軍幹部が出席する寄付の式典に出たことで、同社がロヒンギャに対する軍の対応を支持すると受け止められかねらないという懸念も生じる。
 
 日本政府は、自国の企業に対し、事業展開する国・地域を問わず、人権侵害に加担させないという責任を負う。当局は、直ちにキリンホールディングス子会社の寄付を調査すべきである。」

 この記事によりますと、ミャンマーの軍部は経済界にも乗り出しており、「ミャンマー・エコノミック・ホールディング」というコングロマリット企業を所有しています。キリンは2015年にこのミャンマーのビール最大手の株を55%を保有するに至っていますが、残りの株はこの軍のコングロマリットが保有しており、また、キリンはこの軍関係の企業との別の合弁事業により別のビール会社「マンダレー・ブルワリー」の株51%を取得しており、その結果キリンはミャンマーのビール市場の80%を占めるにいたっています。

 このような背景から、キリンはミャンマー軍の企業と密接な関係を持っているものと推測されます。このキリンビールの現地子会社によるミャンマー軍への「寄付」は、GGIが考えますところ、上記のコングロマリットを通じて実業界にも大きな影響力を有している軍部へ取り入るための「上納金」あるいは「賄賂」の類に等しいのではないかと思います。

 公平を期すため、アムネスティが発表した翌日にキリンホールディングスがそのホームページで示した見解の内容を、そのまま以下に記しておきます。

「アムネスティは、当社子会社のミャンマー・ブルワリーが計3万米ドルの寄付をミャンマー国軍及び当局に実施したと報じていますが、この金額はラカイン州の紛争における人道支援を目的に行われた3回の寄付の合計です。

①ミャンマー・ブルワリーがミャンマー・エコノミック・ホールディングス社(注:軍関係の 企業)から人道支援を目的とした寄付要請を受け、2017年9月1日に6,000米ドルを同社 に寄付しました。
②ミャンマー・ブルワリーの従業員が2017年9月23日に2,000米ドル分の米と食用油を被害 者へ直接寄付しました。
③ミャンマー・ブルワリーが社内外から22,500米ドルの寄付金を集め、2017年10月3日に 現地(ラカイン州シットウェ)のボランティアの方々に直接寄付しました。

以上のとおり、②③については被害者及びボランティアの方々に直接寄付しており、ミャンマー国軍にわたったという認識はありません。

①については、上記のとおり、あくまで人道的な目的に使われる前提で実施されたものですが、アムネスティ・インターナショナルの懸念に対しては真摯に取り組むべきと判断し、現在調査を実施中です。当社は2018年2月に「キリングループ人権方針」を策定し、全事業にわたって人権の尊重に努めており、新規の寄付は見合わせた上で、寄付プロセスの改善に着手しています。」

キリン側の主張は以上ですが、アムネスティの発表では上記の①は軍の総司令官に直接手渡されたとされています。②、③については「軍に渡ったという認識はない」としているだけであり事実関係はあいまいです。今年2月にキリンは「人権方針」を策定したとのことですが、これはおそらく、昨年9月~10月のこれら寄付を問題にされたためにあわてて策定したのでありませう。

近年、「企業の社会的責任」ということが日本でも言われるようになってきていますが、日本の大企業の「企業の社会的責任」に対する意識は欧米の大手企業にくらべるとまだまだお粗末であり、その概念は未だ十分には定着しておらず、また企業活動にさいしての人権意識も未だ不十分なものであろうと思われます。

キリンビールさんの事業拡大ばかりを優先したお粗末な人権意識がこのたびのスキャンダルの原因になったのではないでせうか・・・

そしてアベ君をはじめとして日本政府や自民党の政治家の人権意識は、最近の自民党議員の「子どもを産まない女性は生産性が低い」などという発言からも分りますように、日本の大手企業と同様に、あるいはそれ以上にお粗末であります。ですから、日本政府は、アベ君や政府の官僚は、このキリンビールのダーク・ビール・スキャンダルについて、おそらく何の調査を指示も指導も行わないでありませう・・・

それに、このキリンのダークビール・スキャンダルのニュース、どうも全国紙など大手メディアはあまり報じていないのではないかとGGIは感じております。大広告主に嫌われるのが恐いからなのでせうか、それとも大メディアの人権意識が低く「この程度のできごと、大したことではない、ニュースバリューなんかない」と考えているためでありませうか・・・・

かようしだいで、これまではGGI、キリンビールもよく飲んでいたのですが、この夏はキリンビールを忌避してサッポロ黒ラベルなどというブラックではあってもダークではないビールを飲むように努めております

みなさんがどの銘柄のビールをお飲みになろうとご自由でありますが、キリン・ダークビールを飲んでお腹を痛めて悪性に下痢なんかにならないようご注意ください。いや、あえてあぶないビールを飲んでみたい、あるいは「清濁あわせて飲むんだ」とおっしゃる方はご自由になさってください!

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

今日の写真はキリンの現地子会社の「ミャンマー・ビール」です。日経の記事から無断拝借いたしました。

グッドナイト・グッドラック!



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