先日、経産省が核廃棄物最終処分場候補地の選定に関する「科学的特性マップ」なる日本地図を公表しました(それ、なんのこと?と思われる方は7月の末に書きました日記を、下記のサイトでご覧くになってください)
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20170729
この地図が公表された後、経産省下の機関である「原子力発電環境整備機構」なるお役所が、この「科学的特性マップ」について、全国の県庁所在地で説明会を行いつつあり、すでに十都市ばかりで説明会が開催されています。
蛇足:このお役所、「原理力発電環境整備」って何をするところなのか判然としませんが、英語の略称はNUMO、この英語の名称は日本語に訳すと「放射性廃棄物管理機構」であり、放射性廃棄物に関する組織であることがすぐにわかります。まことに巧妙なる日本語の名称であります
昨年もこのNUMOなる役所は全国で核廃棄物最終処分場建設についての説明会を開催していました。GGIも参加し、お役人たちと直接議論を交わしました、(そのときのことは以下のサイトに書いております、よろしければご覧になってください)
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20160918
かようなしだいでGGIは今年も参加するつもりなのですが、自分だけが参加するのはもったいない、原発問題について国の役人とテーブルを挟んで直接議論を交わすことができる機会は「一般市民」にはめったにないのだから、遠吠えのようなことばかりしてないで、みなさんも今年の説明会に参加して、たまには直接国の役人にモノを申しては如何か、という趣旨の案内文を知人たちに送りました。そうしましたら数日前、某知人が電話がありましした。
「GGIよ、知ってるかあ、あのNUMO主催の説明会、広報業務を委託した会社が学生なんかにカネ払って参加者を動員しているというニュースが流れているぞ、ただ説明会に出て数時間のほほんと座っているだけで数千円~1万円、学生にしたら割のええバイトというわけや・・・・」
昨日11月22日の朝日新聞にも《核ごみ処分場 説明会動員問題》と題されて記事が出ていましたので知人の話はフェイクではありませぬ。今日の写真はこの新聞記事を撮ったものです。この記事は以下のサイトにも掲載されています
http://www.asahi.com/articles/DA3S13233207.html
この知人の話を聞いて、そうかあ、昨年GGIが参加した説明会では動員している雰囲気はあまりなかったようだけど、あり得る話だよなあ、昨年の説明会も参加者はやっとこさ四十人足らずに過ぎなかったから、人集めに苦労してるやろうなあ・・・・役所主催の退屈な催しにわざわざ出かける市民なんて、いいか悪いかは別にして、GGIのような楽しみの少なき高齢者を除き、そう多くいるわではないよなあ・・・
かようなしだいでお役所の諸氏には若干ご同情申し上げますが、でも動員するなんて良くないとであることは明らか・・・・どうせお役所仕事はこんなもんや、こんなインチキやって、はい、これで国民の皆さんにシッカリ説明しましたよ、だからあとは文句なんか垂れずにお役所にまかせてね、というわけであろう、と邪推いたしたくなります
GGIがお役所仕事のインチキ振りに遭遇したのはこれが初めてではありませぬ。何度も経験しておりますので、お役所が主催する一般市民を対象とした行事やイベントの実態にはケッコウ精通しております。
国や地方自治体やその関係機関などが主催する、シンポジウム、説明会、公聴会などにおける、役所に都合の良い結論を導き出すための常套手段は、参加者の動員、役所に都合のいいことを発言したリ質問してくれるサクラ、あるいはヤラセ、それに会場で役所に都合の悪いことを発言したりする良識無き市民への妨害、すなわちヤジ・暴言の奨励などであります。
動員は常態化しているものと思われます。役所主催の行事やイベントは退屈極まりないものが大半であり、そのためなかなかか一般市民は寄りつきませぬ。参加者が少なくて会場に空席が目立つようでは困りますので、なんとか盛り上げようとして、いろいろなつてを頼って聴衆を動員することになるのです。
その実体験をいくつか以下に記しておきませう
最初の例は、2010年の秋、まだフクシマ原発事故が起きる前の民主党政権下にあったころのことです。
福井市内で原子力委員会主催による「原子力政策大綱の中間的な見直しについて国民の皆さんの意見を聴く会」といったような名称の公聴会があり、GGIは知人に縄をつけられてしぶしぶ意見陳述人の一人として参加するはめになってしまったのです。
二、三百人は収容できる会場、前方中央の50ばかりの席は意見陳述を行う市民のための席、周囲は他の一般の参加者の寂、前方の雛壇には三人の原子力委委員、福井県知事、内閣府の副大臣である二人の民主党議員・・・
意見陳述は一人当たりわずか5分間、これではたいしたことは言えませぬのでGGIは時間なんか無視して厳しきことをいろいろ申し上げました
「何を私どもが言っても原子力委員のみなさんはまともに答えない、これでは役立たずで意味がない」と述べてから副大臣である民主党議員二人に向かって「最終的には原発の問題はあなたがた政府の責任なのだから、あんたたちが私の質問にちゃんと答えたらどうや」などと発言しましたら、周囲から「黙れ、もう時間すぎてるぞ」などと乱暴なヤジの連発、そのときになって気づいたのですが、意見陳述人の周囲に座っている参加者の大半は「関係者」の類、つまり動員であったようでありました。もちろん司会者はヤジを制止したりいたしませぬ。おまけに、意見陳実人の中に何人もサクラが混じっており、国や役所の意に沿った発言をだらだら述べておりました。
次の例は湖都のプリンスホテルで開催された核廃棄物処分場に関するシンポジウムです。2009年12月のことでありました
木元某という女性評論家が司会、NUMOの関係者、理科の先生、某新聞社の論説委員などがパネラーでしたが、シンポジウムとは名ばかり、まあ、お手盛りの座談会に毛が生えた程度の、国が核廃棄処分の問題にそれなりに取り組んでいることをPRするという感じのものでありましたが、巧妙なのは会場の参加者からの質問・反論封じでありました。
質疑応答の時間は最後のわずか10分ほど、この10分に何とか割り込まなくてと思っておりましたら、GGIより先にサクラの質問者が待ってましたとばかり手をあげ、どうでもいい質問で時間をつぶしてしまいました。でも若干の根性を発揮して、GGI、あきらめずに司会者がこれでもう終わりと言っているのをムシして、最後に何とか爆弾?発言・・・
「こら君たち、活断層さえ避ければどこに処分場をつくってもいなどと、いい加減なことを言ってるが、米国では新大統領のオバマが昨日、エネルギー長官と話し合って、一兆円投じて、処分場の適地として選んだユッカマウンテンに完成させた核廃棄物最終処分場は安全上問題が有るので放棄する、と発表しているのだぞ!何ノーテンキなこと言うてるのや、処分場の話はそんな簡単な話やないぞ!」
パネラーのみなさん、この最新のニュースを知らなかったので大慌て(実はGGIも前日の深夜に偶然ネットでこのニュースを知ったばかりでありました!)、会場も若干騒然、参加者の大半は「動員」疑惑でありました。壇上にいた某紙の論説委員氏にこのニュースのコピーを渡そうとしましたら関電の社員とおぼしき男性が近づいてきて邪魔しようとするしまつ、このシンポ、GGIは気づかなかったのですが、一緒に行った知人の話では、会場の入り口で参加者の写真を撮っていたとのことでありました。関電の社員などの「関係者」が大量動員されていたのではないかと思われます
このシンポについては先代のブログで若干触れておりますので、よろしければ以下のサイトをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/yossarian/d/20091214
もうひとつの例は原発問題ではなく遺伝子組み換え作物に関するシンポジウムに参加したときのはなしです。2010年1月のことです。
近くのプリンスホテルさんの大宴会場で「湖国バイオ・コンソーシワム」という県が後援していると思われる団体により、遺伝子組み換え作物に関するシンポジウムが開催されました。奈良先端科学技術大学、京都大学、北海道大学などの現役の先生や元先生がパネラーとなった、遺伝子組み換え作物を推進することを目的としたものでありました。
GGI、厳寒のさなかであり、あまり行く気はなったのですが、この場合も知人に縄を付けられて、ホテルが用意したコーヒーがタダで何倍も飲めるとの甘言に釣られて出かけたのでありました
GGIは、「遺伝子組み換え作物を栽培すると通常よりも収穫が増え、農薬の使用量は減ると言うのは真ッ赤ッ赤のウソであることが正確な比較実験ですでに証明されている」「遺伝子組み換え作物は食糧危機の切り札のようなことをおっしゃっているが、遺伝子組み換え作物がなくても少なくても2030年ごろまでは食糧不足が起きることはないことが国連のWHOとFAOの共同研究で示されている、」と大学の先生がたを相手に説教を垂れたのです
けれども、「それは一つのデータに過ぎない、他のデータもある」「そんなこと言っていて国連の予想が外れたらどうするのですか、それからでは遅い」などという幼稚なショモない反論しか返ってきませんでした。参加者は動員ではなかったようですが、遺伝子組み換え作物推進派とおぼしき連中から、《話が長い、もうやめろ!》という乱暴なヤジが次々に飛んできました。このときのことは、もうすこし詳しく以下の先代のサイトに書いております。
http://blog.goo.ne.jp/yossarian/d/20100114
かようなしだいで、お役所やその関係機関が市民を対象にも開催する、予定調和的に意図した結論に導くことが目的の、いわば慣れ合いのイベントは、動員や、サクラやヤラセや、ヤジによる妨害などの見本市であります。
なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!