今日は柄にもなく文章講座でございます、などと申しますと、ちょっと待て、オマエさんが文章講座だって、笑わせるな、などという声が聞こえてきそうでありますが・・・
もちろんGGIは文章家ではございませんし、「美しい日本語」「正しい日本語」などを気取る気難しげな文学者でも道徳家でも愛国者でもございませぬ
ただ、今日申しますのは、文章というものは、たったの一文字で、与える印象が随分異なることがあるという、ごくごくあたりまえの話でございます
まずは、いつもながらお手数でありますが、今日の写真をクリックしてご覧くださいませ。
湖都のいまはすっかり錆びれてしまった飲み屋さん街のはずれで撮った写真です。古い民家の玄関わきに看板が立てられており、交通安全の標語みたいなものが書かれていますね。
管板に曰く
「ちょっと待て ここは車の置けない場所」 (長等町活性化協議会)
GGIの観察によれば、交通安全の標語めいたものはヘンに威圧的なものだったり善良なる市民を脅かすようなものが少なくないようであります。街角に人を威圧したり脅迫するような看板があちこちに存在していることは、単に見苦しいだけではなく、不快でもあり、民主主義にも反しております。
以前もに紹介したことがあるのですが、小学生が作ったある標語が素晴らしく威圧的かつ脅迫的でありましたのでGGI感心してしまったことがあります
「慣れた道、ふざけて帰ると車が襲う」
「車が襲う」は交通事故の本質を突いたなかなかの表現です。けれどもこの標語、人を襲う車のほうが悪者なのですが、これでは何か襲われる方が悪いと言わんばかりであり、本末転倒でありますが、このような脅迫看板が堂々と街角に屹立しているのです・・・
すこし話が脱線してしまいましたが、問題は今日の写真に写っている看板の文章であります。
この看板、いけませんねえ、「ちょっと待て」とは何事ですか、これは強い命令であり威圧的ですらあります。よくありませぬ、工夫が足りないのです、一文字工夫すればぐっと良くなるのです。すなわち
「ちょっと待って ここは車の置けない場所」
いかがですか、一文字工夫するだけで威圧的な命令ではなく、お願いに変身するのです、ちょっと待ってくださいね、ここは車の置けない場所ですよ」と優しい呼びかけになり、これを読んだ人は「そやなあ、ここに車止めたいけれど、待ってくださいなんて言われてしまったから、やめておくかあ」となるのであります
「ちょっと待て」といきなり言われたら、これは「オイ、待たんかい!」という意味でありますから、「何ぬかすのや、エラソーに」と反感を持たれるだけであります。ヘソ曲がりなら、そこまでエラソーに言うなら、ここにわざと車止めてやるか、となりかねません
しかしながら、一文字といえども工夫の仕方を間違えるとヘンなことにもなりかねませぬ、たとえば
「ちょっと待ってえ~」とか「ちょっと待ってえなあ・・」
などとしてしまいますと、待つか待たないか、なにかしら話がややこしくなりそうです、なにしろここは、錆びれてしまったとはいえ、未だに夜な夜な脂粉のにほひ漂う飲み屋さん街でありますから・・・
今日もみさんの貴重なお時間をつぶしてしまいました、お許しくださいませ
みなさんも一文字には注意いたしませう
なもあもだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!