透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

281 跨ぐ3

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい


281 辰野町樋口

消防倉庫(コンクリートブロック造)を跨いでいるけれど、がに股にはなっていない。倉庫が大きくないことと脚間が広いことに因るのだろう。





踊り場にも半鐘が吊るしてある。切妻の屋根が架けられているところに半鐘を雨から守り、大切にしようという地域の人たちの気持ちが表れている。


以上で今回(120714)の辰野町火の見櫓巡りは終わり。


280 化粧直し

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい


 
280 辰野町赤羽

 ホース乾燥用塔が付いていて櫓の印象がかなり違っている。やはり火の見櫓に余分なものは無い方がすっきりしていていい。





梯子を櫓内部に設置するためには出入口をつけなければならない。この火の見櫓のように正面だけブレースを付けていない例は多い。でも4面とも脚部はブレースなし、アーチ型のトラスが好ましい。

化粧直しした火の見櫓の美しいこと、錆びた火の見櫓とは大違いだ。


 


279 みどりの屋根

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい



 
279 辰野町平出上町

県道19号線を南下していて遭遇。



みどりの屋根、軒先のラインと横葺きのジョイント部分のラインが平行になっていない。屋根面がすこし歪んでいるようだ。



下から踊り場まで外梯子を架けるというのがどうもこの辺りの標準的なタイプのだようだ。櫓の末広がりの曲線がなめらかで美しい。

櫓の脚元の紫陽花がきれい。


 


278 跨ぐ2

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい



 
278 辰野町平出上町

 前稿の火の見櫓に続き、この火の見櫓も水防倉庫を跨いでいる。現在は垂直柱の上の踊り場まで、櫓正面に向かって右側に梯子が設置されているが、建設当初は正面に梯子が設置されていたことが容易に推察できる。踊り場のところの正面以外の構面にはブレースが入っているから。正面の梯子が邪魔になって、後年側面に設置しなおしたのだろう。梯子の下端が接地していない状態で、しかもあまり関心できない固定の仕方からもそのように推察できる。


 


277 跨ぐ

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい

 
277 辰野駅近くの火の見櫓

 前稿に載せた火の見櫓を線路を跨(また)ぐ陸橋から観察していて、この火の見櫓に気がついた。
火の見櫓センサーの感度は良好だ。



消防倉庫をがに股で跨いだり、倉庫に脚が貫通している火の見櫓って県の南部に多いように思う。伊那谷は跨ぐタイプ、諏訪から茅野、原村方面は貫通タイプと類別できるような印象だがどうだろう・・・。

それにしてもこの手の火の見櫓をみるにつけ何でわざわざ、と思ってしまう。隣地に建てればいいのに「何でわざわざ」こんなことをしたのだろう・・・。

大きな構面にもかかわらずリング式ターンバックル付きのブレースをひたすら使っている。 脚部が貧弱な印象だがどうだろうか。下の写真をよく見ると手前の柱から横材を倉庫に刺しているように見えるが現場では気がつかなかった。

現場での観察が足りない・・・。反省。


 


276 屋上の火の見櫓

2012-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい




276 辰野町本町の火の見櫓 撮影120714

 先日所用で辰野町まで出かけたが、その際町役場の近くでこの火の見櫓を見つけた。移動中の車から見たのだが、火の見櫓はどうやら屋上に立っているようだった。

今日(14日)改めて出かけて観察してきた。市街地にあって、近づきすぐると櫓の全体像を見ることができない。特に柱脚部分は無理だ。

 

この火の見櫓は辰野駅からも近い。飯田線と中央本線を跨ぐ陸橋の上からようやく火の見櫓の全貌をみることができた。なかなか洗練されたフォルムだ。東京スカイツリーの登場で今やすっかり陰の薄い東京タワーと似ている。



反りの強いとんがり屋根。4隅には太い蕨手。屋根下のスピーカーはアクセサリーと見做すには物々しい。やはり無い方がいい。



脚部はがっちりとしたトラス構造。その直上は垂直部材で各構面を2分割して、ブレースを2つずつ入れている。


辰野町第八分団本部屯所(詰所)  火の見櫓はこの屯所(鉄筋コンクリート造2階建)の屋上に立っている。



近くで見上げるとすごい迫力。登るのが怖そうだ・・・。


 


13 安曇野のヤグラー

2012-07-14 | C 名刺 今日の1枚



13 のぶさん

 安曇野のヤグラーのぶさんと梓川のカフェ バロで火の見櫓談義。趣味を同じくする人との語らいは楽しい。昨年の9月、「火の見櫓っておもしろい」という私の拙講に参加していただいたのぶさんと久しぶりの再会だった。

月に1回のペースで火の見櫓巡りをしているというのぶさん、最近では私は彼が紹介する火の見櫓のおっかけ取材ばかり・・・。

彼が手にしているのは「安曇野案内人倶楽部」のちらし。安曇野を訪れる人たちにその魅力を伝えようと情報提供や現地ガイドをしたりイベントを企画したりしている仲間。彼はその中心的メンバー。

安曇野の自然、歴史、文化を伝えるという意義深い活動に拍手! 


 


熱交換システム

2012-07-13 | A あれこれ

 毎朝勤務先に向かう車でラジオを聴く。SBCラジオでは7時25分頃から5分間くらい「鈴木杏樹のいってらっしゃい」という番組を放送している。

鈴木杏樹があるテーマについて1週間通しで語るという番組で、今週のテーマは「ペンギン」。12日の朝はなぜ恒温動物のペンギンが冷たい氷の上でも平気なのかについての説明だった。

なぜ? 

その答えは「熱交換システム」。足の裏から体の中心に帰っていく静脈とその反対の流れの動脈との間で熱交換するシステムができているから、という説明だった。

静脈と動脈とはお互いにすぐ傍に(静脈が動脈に巻きつくように)配置されていて、足の裏から冷えた血液が流れていく静脈と足に向かって暖かい血液が流れている動脈との間で熱交換をするようになっているのだそうだ。これで熱のロスを防いでいるのだという。

なるほど!な優れたシステムだが、この説明を聞いて私は「ロスナイ」という熱交換型の換気扇を思い浮かべた。冷暖房している部屋の熱を逃がさないように換気をするシステムだが、その原理はペンギンの熱交換システムと同じ、と言っていだろう。

人の考えることは全て(いや、いくらなんでも全ては言い過ぎか)自然が先回りして実現しているという。熱交換システムもその1例。やはり自然ってすごい!


 


274 池田町会染の火の見櫓

2012-07-12 | A 火の見櫓っておもしろい

 
274 北安曇郡池田町会染内鎌 撮影日120711 

火の見櫓と防災無線と詰所 スリーショットの図  


3角形の櫓に6角形の屋根と見張り台。池田町では他にも何基かある一般的なタイプ。頂華の意匠が好ましい。






消防信号板



 北安曇郡池田町の火の見櫓の特徴のひとつは脚が長いこと。ただし美脚と言うわけではない。爪先立ちしているような印象を受ける。

さて、この火の見櫓は柱脚を花崗岩の短柱(束)にボルトで固定している。以前長野市内でも同様のものを見かけたが、珍しい(下の写真)。柱脚補強という意図もあるのかもしれない。3ヶ所の石柱のうち1ヶ所はコンクリートで根巻きされていて、そこに刻字されている建設年が大正までしか読みとれないのは残念。


 


 


273 火の見ヤグラー

2012-07-11 | A 火の見櫓っておもしろい

 
273 安曇野市三郷温 住吉公民館前の火の見櫓 脚元に道祖神が祀られている。 撮影120708





 昨日(10日)の午後1時過ぎ、車で移動中にSBC(信越放送)ラジオの「伊那谷めぐりあい」というごく短い番組を偶々聴いた。

女性アナウンサーが「世の中にはいろんな趣味の人がいるもので」というように番組冒頭話を始めたように思う。で、出演者の趣味というのが「火の見櫓」と聞いてびっくりした。

南信方面の火の見櫓を見てまわっている方で、「火の見櫓はみんなちがっているところがおもしろい」と最初にコメントしていた。まったく同感で、火の見櫓は十人十色、じゃない十基十色、みんなちがうところがおもしろいのだ。

出演者の火の見ヤグラーさんによると下伊那と上伊那では火の見櫓のフォルムが違うそうで、覚えていないが、どちらかの方が美しいのだそうだ。それから、伊那谷では4角形の櫓が多いが松本方面では3角形の櫓が多いということにも触れていた(「伊那谷」、「松本方面」という表現ではなかったと思うが、運転中でメモもできなかった)。

このような傾向がありそうだということには私も気がついてはいるが、単なる印象に留めるのではなく、統計的にきちんと示してみたいという気持ちは多少あるが、いつになることやら・・・。

既に役目を終えている火の見櫓でも地域の遺産として残して欲しいという主旨のヤグラーさん最後のコメント、まったく同感だ。


 

 


車のナンバー

2012-07-10 | A あれこれ

 車通勤の途中、前を走る車のナンバーを見て、並んでる数字が4つの場合、次のような計算をして答えを1か-1にする脳トレというか、頭の体操をときどきする。

例えば
4321というナンバーなら (4-3)×(2-1)=1   4-(2×3-1)=-1      
2873なら (2÷8)×(7-3)=1   2-(8-7)×3=-1 というように。

加減乗除して答えを1か-1にするという頭の体操、いまは脳トレという表現か。

ナンバーを見た瞬間に1か-1にすることができることもあるが、少し考えないと分からないこともある。どうしても1か-1にはできない数字の並びの場合ももちろんあるが・・・。

それから、先の4321の場合、4を1に置き換えて1321年として、これは何時代かと考えることもある。1321年は鎌倉時代。2873は1873年で明治時代というように。

歴史には疎いので何時代かは分かっても、その頃どんなことが起きていたかまでは分からないが・・・。でもたとえば1964というナンバーだと、1964年、東京オリンピックの開催年だ、というように自分が知っている年もときどき、いや稀にある。

ところで、鎌倉時代の始まりについては「いいくに」つくると鎌倉幕府で1192年、と覚えたが、これについては異論が多く、今では1183年説と1185年説が有力視されているようだ。

ちなみにウィキペディアには鎌倉時代の始期が「1185年ころ」となっている。以前、ある小学校の教室に張ってあった歴史年表をみて鎌倉時代が1192年ではなくて、1185年から始まっていることに気が付いて、あれ?と思って調べたことがあった。

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こんなことをしながら車の運転をしていて、事故を起こさないように気をつけなくては。火の見櫓や石碑も気になるし・・・。



 


12 火の見櫓っておもしろい

2012-07-08 | C 名刺 今日の1枚


DMで紹介されている作品「サイダー工場船」

12 水野里香さん

この記事のカテゴリーを「火の見櫓っておもしろい」にするか「名刺 今日の1枚」にするか迷ったが、タイトルを「火の見櫓っておもしろい」に、カテゴリーを「名刺 今日の1枚」にした。

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 安曇野市穂高有明のギャラリー・シュタイネで開催中のスタヂオKURE~無限に広がる小さな世界~を観た(*1)。

諏訪郡富士見町に工房を構える竹内尋教さんと水野里香さんご夫婦の作品展で、尋教さんが彫金を、里香さんが陶芸(といっても器ではなくオブジェなどの造形作品)をしている。質感の全く異なる金属と陶との組み合わせによって創出される独創的で夢のある作品たちに魅せられた。   

この作品展に火の見櫓のオブジェが展示されていることをカフェバロのKさんから教えてもらっていた。火の見櫓となれば観ないわけにはいかない、というわけで最終日の今日(8日)の昼に出かけた。幸いなことにおふたりが会場におられ、話をすることができた。

おふたりの工房のある富士見町周辺にも火の見櫓は多い。聞けば里香さんは火の見櫓が好き、とのこと。


許可を得て撮影、掲載。

目当ての火の見櫓と屯所(南信では詰所ではなく屯所という)の作品はギャラリーの入口のすぐそばに展示されていた。火の見櫓の高さは約18センチ、脚間寸法は約4センチ。手づくり感がとても魅力的だ。背景のざっくりとした左官仕上げの壁も作品にぴったり。

火の見櫓と屯所の照明はちゃんと点く!他の作品同様、細部まできちんとできている。

火の見櫓は4角形の櫓に4角形の屋根と見張り台という一般的なタイプ。反りのある屋根のてっぺんに頂華(フィニアル)が、4隅に蕨手が付いている。

この写真では分かりにくいが踊り場の位置にも半鐘が吊してある。金属でつくった木槌(金槌?)も吊るしてある。細かい。

櫓の横架材は省略したそうだが、ターンバックル付きブレースが4段付いている。脚はちゃんと末広がりになっていてフォルムの魅力が表現されている。

さすが。うれしい。感動。


 *1 会期 6月22日~7月8日


11 ひっそり安曇野 スケッチ小品展

2012-07-07 | C 名刺 今日の1枚



11 寺島さん

 北安曇郡池田町(安曇野ちひろ美術館のある松川村の隣町)のカフェ風のいろで開催中の「ひっそり安曇野 スケッチ小品展」を観た。

偶々会場にご本人がおられたので名刺をお渡しして挨拶を申し上げた。寺島さんは旧穂高町のご出身、愛知県内で建築設計事務所を主宰しておられるそうだ。

カフェの壁面に安曇野にひっそりとたたずむ民家や、小谷村の雪にすっぽり覆われた茅葺の民家などのスケッチが何点か展示されていた。

建築設計の仕事ではクライアントに説明したり、自分のイメージを確認し、より確かなものにするために外観のイメージや室内のイメージをさっと描く能力が求められるから、建築の設計者にはもともと絵を描くことが好きな人が多い。

民家の形を的確に捉え、ペンですっと線を引くことは手馴れたものだろう。淡彩色をのせ、柔らかな雰囲気に仕上がっているそれぞれの作品をじっくり鑑賞させていただいた。

私のスケッチブックや水彩絵の具、絵筆は長いこと机の引き出しに納めたままだ。そろそろ取り出さなくては・・・。


 


「日本美術史」再読

2012-07-04 | A 読書日記


『日本美術史』監修・辻惟雄/美術出版社

 日本美術史の復習などと言える程、この分野のことを勉強したわけでもないが、そこは見栄を張って「復習」としておく。

日本の美術の歴史を概観しておくのは、言うまでもないことだが美術鑑賞ための基礎的な知識を得るために必要であろう。ということで手元にある『日本美術史』の再読を始めた。奥付を見ると1999年4月30日 第18刷となっている。

第Ⅰ章 先史・古墳時代、第Ⅱ章 飛鳥・奈良Ⅰ(白鳳)時代、第Ⅲ章 奈良Ⅱ(白鳳・天平)時代、第Ⅳ章 平安時代Ⅰ(前期)、・・・、第Ⅸ章 江戸Ⅱ(江戸中・後期)時代、第Ⅹ章 近代、第Ⅺ章 現代までを通読したい。



各時代とも代表的な作品がカラー写真で紹介され、かなり内容の濃い解説がなされている。