透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

メタボリズムの具現化の試み

2013-12-08 | A あれこれ

 

 他の業界の事情は分からないが、建築関係の企業のPR誌(PR誌とするほど宣伝に紙幅を割いていないが)は内容が充実しているものが多い。SUS株式会社が発行している冊子『ecoms』も然り。この冊子に連載中の「蔵考 現代に生きる蔵」の初回に私が撮影した蔵(倉)の写真が掲載された。このブログがそのきっかけとなった。その時の縁で『ecoms』を毎号送っていただいている。その36号(2013年4月)にメタボリズムという建築思想に基づいたプロジェクトが紹介されている(写真)。

メタボリズムについてはこのブログでも何回か書いたが、60年代に提唱された「生物のように新陳代謝することで建築の恒常性を保つという理念」に基づく理論と実践だった。生命現象のアナロジーとして建築を捉えるという試みだったのだが、当時、実際に具現化されたのは黒川紀章の「中銀カプセルタワー」だけだった、と言っていいだろう。

36号に紹介されているケーススタディは静岡事業所実験棟。工場で製作されたユニット(内法幅2.140×長さ3.730×高さ2.230 単位:mm 床面積約8㎡)がトラックで輸送されて、現場で治具に載せられて、治具とともにクレーンで吊り上げられて、鉄骨構造のスケルトン(ユニットを載せる鉄骨製の立体的な棚)に設置される。この一連のプロセスが紹介されている(上の写真の右上にクレーンでユニットを吊り上げている様子が写っている)。

記事には開発の経緯やその意義、目指す姿などについても紹介されていて興味深い。メタボリズムの具現化の試みをしている企業があるなんて・・・、この冊子を見るまで知らなかった。

SUS株式会社のチャレンジ精神に拍手。


 


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2 コメント

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もじもじさんへ (U1)
2013-12-09 12:29:31
寒いですね。
冬眠したいです。

確かにSUSからステンレスだと思ってしまいますね。
高速道路のSUS社製のアルミ製の「喫煙室」ってややこしい、知ってます。
アルミは材料にする過程の電力消費が非常に大きいですから、全面的に賛成というわけではないのですが・・。
夜のブログ効果? このところ閲覧者が多いです。
今月の週末はすべて埋まってしまいました。
新年会を計画しましょう。
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Unknown (もじもじ君)
2013-12-09 05:22:28

SUS株式会社といえば、私もお付き合いしたことが
あります。(仕事上ですが)

U1さんもご存知だと思いますが、
高速道路の「喫煙室」に、SUS株式会社の製品が
採用されていますが、その新設工事をNexcoより受注をし、
私が現場監督としてやりました。
この辺で言えば、姨捨SA㊤、㊦です。
遠くは横川SA㊤、㊦もそうですネ。
 (諏訪湖SA、梓川SA、東部湯の丸SA は、他社施工です)

でも、SUS株式会社って名前も面白いですよネ?
この業界の人だったら、「ステンレス製品を扱う会社」と
思っちゃいますが、
実際は アルミ製品 しか扱っていないんですよネ・・・

社員の方の真面目さには、感心させられた企業です。

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