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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

国宝 「寒山図」@サンリツ服部美術館

2019-06-22 | g あれこれ考える〇



 昨日(21日)出かける予定だったサンリツ服部美術館に行って来た。諏訪湖岸にあるこの美術館は内井昭蔵さんの設計。内井さん設計で馴染みの建築と言えば世田谷美術館だろう。ヴォールト屋根とコンクリート打ち放しと凹凸のあるタイルの外壁、この構成の外観が両美術館に共通している。

湖岸道路沿いに計画された美術館の2階は両サイドに展示室があり、その間に喫茶室を配置したプラン。展示室1(上の写真で手前に写っている)には近現代西洋絵画が、展示室2(後方に写っている)には日本及び東洋の古美術品が展示されている。

展示室2では「日本・中国絵画展 画家たちの技と表現」が今月30日までの会期で開催されている。展示の目玉はなんといっても日本の初期水墨画を代表する「寒山図」。14世紀の前半に活躍したといわれる可翁の作品で国宝だ。

寒山という唐の時代の僧が両腕を背面で組み、少し上を向いて立つ姿をを描いた水墨画。上半身を思い切りよく引いた太い線で描いているところが魅力だ。引き直しできない線、というのが好い。顔の表情は細かく描かれていて、上半身の線との対比も好い。

他には室町時代につくられたという「秋野蒔絵手箱」に魅せられた。

展示室1の作品ではポール・ギアマンというフランス出身の画家の静物画「花とヴァイオリン」が好かった。主題である机の上の花とヴァイオリンより机の赤と背景の青の強烈な対比が印象的な作品。

ラウル・デュフィの作品も2点、「静物のあるアトリエ」と「モーツァルト」が展示されていた。デュフィの作品は以前東京で鑑賞している(過去ログ)。透明感のある色彩画。

*****

先日旧開智学校校舎が国宝に指定されることが決まった。そのことを伝える新聞記事に長野県の国宝が全て紹介されていて、この美術館が共に国宝の「寒山図」と「白楽茶碗 銘 不二山」を所蔵していることを知った。「寒山図」が特別展示されていることを知り、出かけた次第。なお、7月6日から9月29日までの会期で開催される特別企画展「茶人たちに愛された数々の名碗」で白楽茶碗 銘 不二山が展示される。


 


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