透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

6月の本

2024-06-04 | A 読書日記


 松本駅近くの丸善へ久しぶりに行った。買い求めたのは『伊豆の踊子』川端康成(新潮文庫)と『頭上運搬を追って 失われゆく身体技法』三砂ちづる(光文社新書)の2冊。

川端康成の小説は文庫で大分読んだが、数年前に松本市内の古書店に文庫本の大半を引き取ってもらった際、それらの本も引き取ってもらった。自室の本を減らすことを優先した。また読みたくなったらその時は改めて買い求めようと割り切って。で、『伊豆の踊子』(過去ログ)を買い求めた次第。

この本の奥付を見ると、発行されたのは昭和25年(1950年)8月20日で、令和3年(2021年)7月20日には154刷となっている。私が買い求めたこの文庫は令和4年7月1日に発行された新版。154刷とは凄い。やはり名作は時を超えて読み継がれる。外した帯には文学の至宝とまで書かれている。

川端康成の文学者としての生涯を辿る『川端康成』十重田裕一(岩波新書)には発表時に必ずしも高い評価を得ていなかった『伊豆の踊子』が名作となった過程とその要因が書かれている。1963年に行われた高校生への読書アンケートの結果、全学年の男子高校生が最も読んだ本が『伊豆の踊子』だったことも示されている。このことは先日IT君とのカフェトークで話題にした。今読んでいる本を読み終えたら『伊豆の踊子』を読むつもり。

もう1冊の『頭上運搬を追って 失われゆく身体技法』三砂ちづる(光文社新書2024年)は新聞の書評を読んで、読みたいと思った。巻末のプロフィールによると、著者の三砂ちづるさんは1958年生まれ。このくらいの年代の著者の文章は好きだ。もちろん個人差はあるけれど、総じて適度な読み応えがあるし、文体も好みに合う。あまり噛まずに飲み込める食べ物のような文章は好まない。

手元には本の駅・下新文庫で買い求めた古本、『絶景鉄道 地図の旅』今尾恵介(集英社新書2014年)もある。6月の読書は以上の3冊の他に安部公房2、3冊。『方丈記』(岩波文庫1989年5月16日発行、2001年3月5日第25刷)の再読はできるかな・・・。





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