透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

安曇野市豊科の火の見櫓

2020-09-05 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)火の見櫓のある風景 安曇野市豊科(豊科高校の南)3脚66型 撮影日2020.09.05



 消火ホースを掛けてある。その様子から見張り台の床面の高さは約10.5メートルと推測できる。屋根のてっぺんの高さは13メートルくらいだろう。この高さで外付け梯子は少ない。落下防止安全カゴが設置されていなければ、上り下りするのはかなり怖い、と思う。



火の見櫓に近づいて見上げる。バルコニーのように床面を張り出した踊り場・カンガルーポケットにも半鐘を吊り下げてある。やはり見張り台まで上るのは大変ということだろう。



この脚部は? なぜブレースを設置してあるのだろう・・・。


 


「アウトブレイク」を観た

2020-09-05 | E 週末には映画を観よう

 「映画を観よう」というカテゴリーに最近DVDで観た映画を載せておきたい。

「アウトブレイク」
「アポロ13」
「メッセージ」
「マーズ・コンタクト」

この中で「メッセージ」と「マーズ・コンタクト」は共にSFだが、あまり印象に残る作品ではなかった。

「アポロ13」
実際に起きたアポロ13号の事故を再現する形でつくられた映画。3人のクルーは地球に無事帰還できたということが分かっているからなのか、今ひとつハラハラ、ドキドキ感に欠けていたという印象。ただし、それはプロジェクトに関わった人たちの的確な判断、クルーたちの冷静な宇宙船操作と多分に幸運が重なったことによるまさに奇跡的な帰還だったということがよく分かった。だが、やはり宇宙ものは遠い未来の出来事を描くフィクションの方がおもしろい。

「アウトブレイク」
ロビン・クックに同名の小説がある。映画はこの小説が原作かと思ったが、違っていた。

ザイールのモターバ川流域で捕獲された一匹のサルがアメリカに密輸入された。サルを不正に持ちこんだ青年、青年の恋人、ペットショップのオーナー、・・・、がサルから感染したモターバ・ウイルス(架空のウイルス)で発症し、死亡。サルによってもたらされたこのウイルスによる致死率が非常に高い感染症「モターバ熱」がアメリカ国内で広がり始める・・・。

空気感染はしないとされていたウイルスが突然変異によって空気感染するようになる。映画館で空気感染する様が可視化されて(って映画だから当たり前だけど)いた。そのシーンを見ていていて、そうか、コロナウイルスも密な空間ではこんな風に次々と感染していくのか、と思った。それからちょっとした不注意、ミスによって医療関係者が感染してしまう様も映画には描かれている。

この映画は1995年に制作・公開された。が、観るべき時は、コロナ禍にある今。

このウイルスによる感染症は1967年頃にもやはりザイールで発生していて、この時にはアメリカ陸軍の傭兵が多数死亡していた。軍はこの事実を隠すために現地の集落を焼き尽くす。軍はこの時兵士から採取したウイルスを生物兵器として使用するためにアメリカに持ち帰り、密かに保管していた。そして血清もつくっていた。しかし突然変異したウイルスにこの血清は効かない・・・。

ストーリーは省略するけれど、感染が拡大し、多数の感染者、死者が出ているカルフォルニア州の町に気化爆弾を投下して焼き払おうとする陸軍。それ程まで軍がしようとするのは長年進めていた生物兵器というかウイルス兵器(*1)の機密を守るため。爆弾が投下されれば町は消滅する・・・。

爆弾投下の直前、陸軍伝染病医学研究所のチームリーダー(ダスティン・ホフマン)の奮闘の甲斐あって、アメリカに持ち込まれたサル(宿主)の発見に成功し、血清ができる。

命令により、任務を遂行しようとする爆撃機のパイロット、それを阻止しようとする研究所のチームリーダー。この映画のクライマックスだ。

既に離陸してしまった爆撃機。爆弾投下を一体どうやって阻止するのか。爆撃機の後方の開口が開く、爆弾投下・・・。

主人公である研究チームのリーダーを演じたのはダスティン・ホフマン。彼が主演する映画を観るのは「卒業」、いや「クレイマー、クレイマー」以来。


*1 ウイルスと細菌は違うが映画の字幕や日本語版の台詞では区別が曖昧だった。


「本所おけら長屋 九」(C3)

2020-09-05 | A 読書日記

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『本所おけら長屋 九』畠山健二(PHP文芸文庫2019年第1版第7刷)を図書カードで購入。そして一気飲み、もとい一気読み。

この巻にも短編が5編収められている。その五「うらかた」のラスト。**お糸は、下駄を突っかけると、外に飛び出した。涙がこみ上げてくる。どうしようもなく、涙がこみ上げてくる。お糸は、その涙を拭おうともせず、おから長屋の方を向いて、両手を合わせた。**(299頁)このようなラストに向かって、物語が展開していく・・・。お糸さんは本所おけら長屋で暮らす左官職人の八五郎とお里夫婦の娘。結婚して長屋を出ている。

おしえてほしいの涙のわけを(*1) ときかれても おしえてあげない。 

それにしても作者の畠山健二という人はストーリーテラーだなぁ。短編だが物語の展開が単純ではなく、実におもしろい。また、長屋の住人を物語にうまく関わらせている。

カバーのイラストは「すがたみ」に登場する紫月花魁(しづきおいらん)と清吉という紫月が贔屓にしている髪結い。ふたりの悲恋物語、と括るほど話は単純ではない。


*1 黛ジュンの「夕月」というむかぁ~しの歌の歌詞より。