透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

赤と白のミックスタイプを創る建築家たち

2018-11-23 | A 読書日記



■ 多忙な日々、だが読書時間は確保したい。「CASA BRUTUS」をいつものスタバでを読んだ。建築雑誌を買い求めて読むのはずいぶん久しぶりだ。

藤森照信さんと伊東豊雄さんの対談が掲載されているが、その中で藤森さんは、新石器時代のイギリス、オランダ、日本の農家は微差はあるものの、皆同じ竪穴式住居だと指摘し、**新石器時代というのは建築的には実にインターナショナルだった。今、我々が生きているのは2度目の建築的インターナショナルということですね。最初のインターナショナルは土と草と木で建築をゼロから作り、2度目のインターナショナル・・・・・・すなわちモダニズムは、鉄とガラスとコンクリートで建築をゼロから作った。伊東さんは2度目のインターナショナルを一所懸命やっていて、私は1度目をやっているという感覚です。**と語っている。

以前、藤森さんは建築家を赤派と白派に分けてみせたことがあるが(過去ログ1過去ログ2)、全体像をざっくりと捉えて説明するのが実にうまく、なるほど!と感心させられる。

この雑誌に紹介されている若手建築家たちの作品は既成の概念に捉われない自由な発想から創出されている。田根 剛さんの提案した「新国立競技場」、石上純也さんの宇部のプロジェクト「ハウス&レストラン」、平田晃久さんの「太田市美術館・図書館」、藤本壮介さんのパリのプロジェクト「ミル・アンブル」。これらの作品はいずれも赤と白のミックスタイプだ。

アッタマ固い私、感性ニブイ私は、赤か白か、はっきりしている建築の方が好い。白なら幾何学的にきちんと秩序づけらた真っ白。でも機会があれば純白ではない白(複雑な形態で幾何学的な秩序が分かりにくい建築)に赤を載せた(屋上緑化してある建築)太田市美術館・図書館」(群馬県太田市)は観てみたい。


 追記:「イソップの店を見れば旬の建築家がわかる!」という記事にオーストラリア生まれのスキンケアブランド、イソップの店舗デザインを統括するデニーズ・ネリさんの話しが出てくるが、その中の**素材との丁寧な向き合い方や実験的なデザイン**ということばが今のこの国の建築家のデザインを的確に捉えている。