透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「ポスト消費社会のゆくえ」読了

2008-07-09 | A 読書日記

■『ポスト消費社会のゆくえ』文春新書を読み終えた。



あの上野千鶴子氏の鋭い質問に辻井喬氏が誠実に答えている。あとがきによると対談は2日間、延べ15、6時間に及んだという。

**辻井喬が批評する対象として選んだのが、堤清二。辻井喬が堤清二を飲み込んだという解釈です。**と上野氏が対談で指摘しているように、辻井氏はもうひとりの自分、堤清二を客体化することであたかも他人を論じるように語ることが出来たのであろう。

**いまはすでに百貨店という業態が、歴史的な使命を終えてしまっていると思っておられます?**という上野氏の質問に**ほぼ終えたなあ、という感じですね。**と辻井氏は答えている。

セゾングループ盛衰史という本書のテーマから外れて雑談として語られた三島由紀夫との交流についても興味深かった。 


路上観察 妻籠宿再び

2008-07-09 | A あれこれ

 所用で南木曽町まで出かけたついでに妻籠宿に立ち寄ってみました。今回は屋根に注目。昔の柿(こけら)板葺きもまだ残ってはいましたが(写真①)、大半は亜鉛鉄板の瓦棒葺きか横葺き、または瓦葺きでした。



なかには最近あまり見かけなくなった着色スレート板一文字葺きもありました(写真②)。着色スレート板一文字葺き石置き屋根、なるほどこれなら柿板葺きに似ています。原形をできるだけ留めておこう、という気持ちが表れているように思います。庇は大和葺き、腐朽が進んで修理することになったときもやはり原形を保って欲しいと思います。