田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

学而時習之

2019-06-04 17:51:10 | ヒゲの盤上の世界
2015年の電王戦ファイナル。
ポナンザ VS 村山 慈明七段 戦は、相横歩取り戦に向かいました。
ポナンザが、3四飛車と横歩を取った定型の局面。
      
対し、後手の村山七段が、8ハ角成りから、7六飛車と金取りに回った問題の場面。
      
マシーンは、大して迷いもせず 『 7七歩 』 と打ったのです。
居合わせた解説陣も、そしておそらく村山七段も、“見た事もない”手に戸惑いを隠せません。
なんて、窮屈な一手でしょう。
プロなら、一顧だにしない手です。
         
なにしろ、見るからに息が詰まりそうです。
7七と云う領土内のハイウェイ交差点に、壁をこさえたようなもんです。
壁のおかげで、自軍の銀や桂馬が動けない。
王の逃げ道も無くなります。
解説陣が、見た事もないと悪評の一手。

しかし、ヒゲは、見た事があります。
記憶をたどると、昭和43年。
高校三年生のヒゲが、当時の熊本大学・将棋部とよく交流戦をしてる時です。
対局の戦型は、横歩取りが多かった。
で、ヒゲの定跡の勉強は、当時の芹沢八段の本 『 ヨコ歩取り戦法 』 でした。
その本の中に、『 7七歩 』 と云う、おもいつきの一手がありうると明言してあります。
その時覚えた7七歩が、47年程の時を経て、目の前の対局で再現された!
これって、文字通り、孔子さまが言っていた。
 「 学んで時に これを習う また よろこばしからずや 」
それにしても、時にこれを習うまでの、時が47年とは孔子さまも気が長い? (笑)

昭和43年当時のプロ将棋界は、【 四間飛車とやぐら戦法 】 がほとんどでした。
ヒゲが持っている糸綴じの和紙の実戦譜。
         
そこに紹介してある戦法は、江戸時代の 【 雁木や相掛かり 】 がほとんど。
       
高校生ヒゲは、疑問に思いました。
今どき、こんな江戸時代の雁木や相掛かりなんて誰も指さないのでは?
そんな時代遅れの戦法を学んでも、しょうがないのじゃあないか?
そんな思いが、常にまとわりついていました。

ところが、電王戦から5年程たった現在のプロ将棋界。
輪廻と云いますか?
流行の戦型は、雁木や相掛かりです。
こんなことなら、江戸の実戦譜をもっと勉強しとけば良かった! (汗)

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