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「基地問題の早期解決を」玉城デニー知事「慰霊の日」で平和宣言

2024年06月24日 | 国際・政治
■6月23日、「沖縄全戦没者追悼式」開かれる

6月23日、沖縄は第二次世界大戦末期の沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」を迎えました。

第二次世界大戦末期、米軍は日本本土を攻略する拠点とするため、1945年3月26日に沖縄本島の西方沖にある慶良間諸島に、そして4月1日に本島中部の西海岸にそれぞれ上陸しました。

日本軍は、「国体護持」を至上命令とし、本土決戦を遅らせる時間稼ぎのために沖縄を「捨て石」にしました。

沖縄戦を指揮した日本軍第32軍の司令部が置かれた首里陥落を前に、牛島満司令官は、すでに多数の住民が避難している南部に撤退し「持久戦」で戦争を引き延ばすことを決めたのです。

そのため、南部一帯は軍民混在の戦場になりました。米軍の砲弾が吹き荒れる「鉄の暴風」の下、日本兵による壕からの住民追い出しや食料の強奪、泣きやまない乳幼児や沖縄の方言を使った者の殺害など数々の悲劇が起こりました。

牛島司令官は6月23日(22日の説もあり)、摩文仁の司令部壕で自決し、日本軍の組織的戦闘は終結しました。しかし、自決に先立ち、「各部隊は各局地における生存者中の上級者之(これ)を指揮し最後迄(まで)敢闘し悠久の大義に生くべし」と徹底抗戦の命令を出したため、その後も戦闘は続き、数多くの戦死者を出しました。

沖縄戦では、日米合わせて死者約20万人。そのうち住民の死者は9万4000人(推計)に上り、沖縄出身の軍人・軍属2万8228人と合わせて、沖縄県民の4人に1人が亡くなったとされています。


■いまは「まるで戦前」――沖縄戦の悲劇を再び起こさせないとの決意を新たに

いま、岸田政権は、沖縄を米国の対中国軍事戦略に基づく戦争の最前線に位置付け、自衛隊の増強を急ピッチで進めていますが、こともあろうに、この沖縄戦を指揮した日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句(自決前に詠む短歌)を今の陸上自衛隊部隊(第15旅団)のホームページに掲載していることが6月3日に分かり、多数の県民を巻き添えにした沖縄戦を美化するものであって、沖縄戦の悲惨さへの理解が疑われると怒りの声が上がりました。

79年前の地上戦で焦土と化した沖縄で今、岸田政権によって再び戦争の準備が進んでいます。辺野古に米軍新基地建設が進み、琉球弧の島々に自衛隊の拠点が新設され、強化され、攻撃を受けることを想定した避難訓練や疎開の計画まで持ち上がり、「まるで戦前」です。

沖縄戦の悲劇を再び起こさせないとの決意を新たに、岸田政権の「戦争国家づくり」を阻止するたたかいを大きくしていく必要があります。(サイト管理者)


■玉城デニー知事が「平和宣言」

6月23日、最後の激戦地だった沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄県と沖縄県議会主催の「令和6年沖縄全戦没者追悼式」が営まれ、玉城デニー知事が「平和宣言」を読み上げました。

また、式典では来賓として岸田文雄首相は「先の大戦において、沖縄は凄惨な地上戦の場となった。不発弾の処理やご遺骨の収集は今もなお続いている。沖縄戦の悲惨な実相と平和の尊さを次世代に継承していくことは、われわれに課せられた責務だ」と述べ、「来年には沖縄戦から80年を迎える。県民の皆様のたゆまぬ努力もあり、沖縄経済は着実に成長し、県民生活も大いに向上した」と述べた上で、「強い沖縄経済」の実現に向けて、国家戦略として沖縄振興を進めていくなどとあいさつを読み上げました。

ここでは、玉城デニー知事の「平和宣言」(全文)を紹介します。(サイト管理者)

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<平和宣言>

あの忌まわしい悲惨な戦争が、かつて、この美しい島で繰り広げられました。

鉄の暴風といわれるおびただしい数の砲弾による空襲や艦砲射撃により、私たちの島は、戦火に焼き尽くされ、多くの尊い命が失われました。

私たちは、あの悲惨な体験から戦争の愚かさ、命の尊さ、平和の大切さという教訓を学びました。

あの戦争から79年の月日が経(た)った今日、私たちの祖先(うやふぁーふじ)は、今の沖縄を、そして世界を、どのように見つめているのでしょうか。

広大な米軍基地の存在、米軍人等による事件・事故、米軍基地から派生する環境問題など過重な基地負担が、今なお、この沖縄では続いています。

加えて、いわゆる、安保3文書により、自衛隊の急激な配備拡張が進められており、悲惨な沖縄戦の記憶と相まって、私たち沖縄県民は、強い不安を抱いています。

今の沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になられた御霊(みたま)を慰めることになっているのでしょうか。

かつて、沖縄の本土復帰にあたり、日本政府は、「沖縄を平和の島とし、わが国とアジア大陸、東南アジア、さらにひろく太平洋圏諸国との経済的、文化的交流の新たな舞台とすることこそ、この地に尊い生命を捧(ささ)げられた多くの方々の霊を慰める道であり、沖縄の祖国復帰を祝うわれわれ国民の誓いでなければならない。」との声明を出しました。

この声明を想(おも)い起こし、沖縄県民が願う、平和の島の実現のため、在沖米軍基地の整理・縮小、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念など、基地問題の早期解決を図るべきです。

世界に目を向けると、今なお、争いは絶えることなく、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・パレスチナ情勢など、戦争という過ちを繰り返し続けています。

東アジアでは、米中対立や中国の軍事力の強化、台湾や朝鮮半島を巡る問題など、自国の軍事増強により、抑止力の強化がかえって地域の緊張を高めている一方、経済面での緊密な結びつきが併存するなど、安全保障環境が複雑化しています。

世界の平和と安定に向けて、各国・各地域に求められているのは、それぞれの価値観の違いを認め合い、多様性を受け入れる包摂性と寛容性に基づく平和的外交・対話などのプロセスを通した問題解決です。

私たち沖縄県民は、万国津梁(しんりょう)の精神で、近隣諸国との交流により、信頼関係を築いてきた歴史があり、また、「命(ぬち)どぅ宝」「ユイマール」「チムグクル」など多様な価値観の受容、相互扶助といった精神文化を継承しています。

「新たな建議書」「平和の礎(いしじ)」「沖縄平和賞」は、人類普遍の価値である平和を願う「沖縄のこころ」の表れであり、世界の恒久平和は、沖縄県民の切なる願いです。

私は、沖縄が国際平和創造拠点となり、万国津梁の精神をもって、「沖縄のこころ」を国内外に発信し、世界の平和構築や相互発展、国際的課題の解決に向け地域外交を展開していくことが、地域の緊張緩和と信頼醸成に貢献し、世界の恒久平和に繋(つな)がっていくものと確信しています。

国連ピース・メッセンジャーであり、自然保護や人道問題へ取り組む世界的な環境活動家でもあるジェーン・グドールさんは、「私たちの行動は、毎日必ず何かしらの影響を世界に与えています。どんな行動を取るかが“違い”を生み、どのような“違い”を生み出したいのかを決めなければなりません。」と語っています。

一人ひとりの思いや行動は、たとえ微力でも、確実に世の中を変えていく力があると、勇気を与えてくれる言葉です。

今こそ、私たち一人ひとりに求められるのは、不条理な現状を諦めるのではなく、微力でも声をあげ、立ち上がる勇気、そして、行動することです。

先人から受け継いだ精神文化をもって、他者を尊敬し、思いやり溢(あふ)れる社会を造り上げ、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立に向けて、共に絶え間ない努力を続けてまいりましょう。


わったー元祖(ぐゎんす)んかい誇(ちむふくい)ないる沖縄(うちなー)あらんとーないびらん。

わったーや近隣(けーとぅない)ぬ諸国(くにぐに)とぅ交流(とぅぃふぃれー)っしちゃるたみ、信頼関係(どぅしびれー)ぬ仲までぃ積(ち)み上ぎてぃちゃる歴史(でー)ぬあいびーん。

わったーや平和(ゆがふーゆー)大切(てーしち)にする精神(たまし)ぬあいびーん。

わったーや価値観(ありましくりまし)ぬ違(ち)げーぬあてぃん互(たげー)に容認合(ちむあーし)ぬないる精神文化(ちむだまし)ぬ継承(ふぃちちじ)さっとーいびーん。

沖縄県(わったーしま)が世界(しけー)ぬ恒久平和(ながゆがふーゆー)ぬ架橋(はしわたし)ないるぐとぅ一緒(まじゆん)っし目標(みやてぃ)んかい向(ん)かてぃいちゃびらな。

We strive to make Okinawa an island we and our ancestors are proud of.
We have a history of trust that has been established through exchanges with our neighboring countries.
We bear hearts that cherish peace.
We carry on the spirit of accepting diverse values.
We,the people of Okinawa,shall together aim to be the bridge to world peace for all time.

本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全ての御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、戦争に繋がる一切の行為を否定し、人間の尊厳を重く見る「人間の安全保障」を含めた、より高次の平和を願い続け、この島が世界の恒久平和に貢献する国際平和創造拠点となるよう、全身全霊で取り組んでいくことをここに宣言します。

※しまくとぅば・英語の訳(エッセンス)

私たちの祖先に対して誇れる沖縄でありたい。
私たちは近隣諸国との交流により信頼関係を築いてきた歴史があります。
私たちは平和を大切にする心があります。
私たちは価値観の違いを認め合う精神文化を継承しています。
沖縄県が世界の恒久平和の架け橋となるよう、ともに目指してまいりましょう。
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【出典参考】2024年6月22日付け「しんぶん赤旗」主張、23日配信「毎日新聞」


※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 

(※緊急行動は終わりました。)


※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!



※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf


※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G



※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を

(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名 
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


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