とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

岩田行雄編・著『検証・憲法第九条の誕生』を読んで(1)――格調高い論議の全経過

2007年10月26日 | ニュース
とある「憲法九条」の講演会会場で、一冊の資料本を手に入れることができました。それは『検証・憲法第九条の誕生』。サブタイトルは「『押し付け』ではなく、自ら平和条項を豊富化した論議の全経過」となっています。
著者は、岩田行雄氏。早稲田大学第二文学部でロシア文学を学び、30年間ナウカ株式会社に勤務した後、退職後の2004年3月まで早稲田大学現代政治経済研究所特別研究員を務めた方で、現在は憲法問題の講演と「九条マジック」の公演でも全国各地を飛び回っているとプロフィールにあります。
私が手にしたのは「増補・改訂 第四版」であり、奥付を見ると、2004年6月30日に初版を5000冊を発刊して以来、増刷は6回を数え、その数21000冊。私が手にした2007年3月発行の第四版第一刷は、憲法施行60周年記念特別価格として175ページの冊子であるにもかかわらず200円という超低価格でした。あとがき等を読むにつれ、岩田氏が自費を投じて足と時間を費やして、まとめ上げた労作と知り、頭が下がる思いでした。

サブタイトルからも分かるように、本書の発行目的を岩田氏は――「現憲法は占領軍に押し付けられたもの」だから「自主憲法の制定を求める」とする主張に対し、歴史的事実をもって第九条が「押し付けられたものではないこと」、そして平和憲法の先駆性を明らかにし、憲法改悪に真っ向から反対し、第九条を守る運動を広げ、運動を勇気付けることにある――と述べています。

岩田氏が言う「歴史的事実」とは、憲法草案の準備過程を丁寧に辿り、第90回帝国議会衆議院本会議、帝国憲法改正案委員会議、帝国憲法改正案委員小委員会の議事速記録から、憲法九条に関するすべての議論を忠実に再現することを意味しています。特に小委員会は「秘密会」として行われ、公開が許されたのは平成7年6月というのですから一般にはあまり知られていない貴重な資料です。

岩田氏は、これらの資料を読んでみて「各党の議員と政府の間での自主的な、そして真剣な論議により、平和の理念が語られ、戦争への反省が語られ、平和条項である憲法第九条が、短文ながらも格調高い、豊富な内容を持った条文に仕上がっていく様子が手に取るように分かる」と感想を述べています。そして「(憲法改正案委員会のメンバーは)それぞれ高い見識と信念があり、小泉首相やその周りに群がっている俗物たちとは、政治家として本質的な違いがある」とまで言いきっています。

当ブログでは、岩田氏の自費を投じてまでも真実を探求し、憲法九条を守り抜こうとする姿勢と労作に敬意を表明し、以下何回かにわたり、その概要とそれに対する感想をご紹介させていただこうと思います。是非、貴重な資料については、同書を買い求めていただきたいと思います。以下に同書の入手方法を転載させていただきます。(つづく)


【参考】『検証・憲法第九条の誕生~「押し付け」ではなく、自ら平和条項を豊富化した論議の全経過』(岩田行雄 編・著、自費出版、特別価格200円)

<発行者・岩田行雄氏扱いの場合>
1口10冊単位での普及をお願いしています。
電話・FAX03-5386-1497 岩田行雄(いずれも午後9時まで)
郵便振替00190-1-352884 岩田行雄宛て

<書店で購入の場合>
以下の書店で1冊から販売しています。
●芳林堂書店高田馬場店4F(政治コーナー)03-3208-0241
●美和書店(代々木)03-3402-4146
●友好堂書店神保町店03-3291-1181


※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米原子力空母の横須賀母港化... | トップ | 埼玉県教委委員長に「つくる... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ニュース」カテゴリの最新記事