とだ九条の会blog

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NHKの番組改変認定――東京高裁(1)

2007年02月05日 | テレビ番組
従軍慰安婦問題をめぐり「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン、以下バウネット)などが主催した「女性国際戦犯法廷」を取り上げたNHK番組が政治的圧力で改変されたとして、主催者がNHKと制作会社2社に4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(南敏文裁判長)は1月29日、制作会社1社に賠償を命じた一審判決を変更し、「国会議員らの発言を忖度(そんたく)して番組を改変した」と述べ、NHKと2社に総額200万円の支払いを命じました。

これは2001年1月30日に放送されたNHK教育テレビのETV2001シリーズ「戦争をどう裁くか」の2回目、「問われる戦時性暴力」で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を「人道に対する罪」で裁いたバウネットなどが主催する「女性国際戦犯法廷」(2000年)を取り上げたもの。しかし、放送された番組は、放送直前に4分間短縮されるなど内容が大幅に改変されており、この法廷を主催したバウネットに当初説明された内容とは程遠い、被告や判決などの基本的情報すら伝えない、むしろ「慰安婦」制度が裁かれたことを隠すかのような内容でした。
バウネット側は「信頼を裏切られた」とNHKと番組制作会社2社を提訴。朝日新聞は今年1月12日に「政治的圧力で改変された」と報道しました。

南裁判長は改変経過について、NHKの松尾武放送総局長(当時)らが番組の放送前、安倍晋三首相(当時官房副長官)らと面会、安倍氏が「公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した」と認めました。その上で、松尾氏らが国会で予算の承認を得るなどの理由で、「(安倍氏ら)相手方の発言を必要以上に重く受け止め、当たり障りのない番組にすることを考え、改変が行われた」と判断、改変と政治家との面会は「無関係」としてきたNHKの主張は退けられました。NHKは即日、上告しました。 
原告バウネット側の弁護団は、「主張がほぼ認められた。政治家の圧力とは言っていないが、NHKにジャーナリストとしての自律した行動を求めたことの意味は大きい」とのコメントを発表しました。(つづく)


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