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自民・公明が「改憲手続き法案」の衆院採決強行

2007年04月13日 | テレビ番組
改憲手続き法案である「国民投票法案」の与党修正案が4月13日午後の衆院本会議で採決が強行され、自民・公明両党の賛成多数で可決されました。与党は16日にも参院本会議と参院憲法調査特別委員会で趣旨説明を行う構えで今国会成立に向け極めて緊迫した情勢となっています。
これに先立ち12日、衆院憲法調査特別委員会で与党修正案の採決が強行されたことを受け、今朝のテレビでは各局ともこのニュースを一部で紹介したものの、その与党修正案の中身や許しがたい採決強行についての批判はありませんでした。

日本テレビの「ズームイン!!SUPER」では、読売テレビ放送報道局局次長・報道局解説副委員長の辛坊治郎氏が2~3分のコーナーでこのニュースを解説していましたが、それはもう大変ヒドイものでした。

まず、辛坊氏は国民投票については憲法96条で定められているものの、施行後60年間、その具体化が決められてこなかったことは「違憲」であるとした上で、今回衆院憲法調査特別委員会を通過した与党修正案の①憲法改正案は関連する項目ごとに個別に区分して行う、②投票権者は18歳以上、③有効投票総数の過半数の賛成で成立、などは“まっとう”なものであると評価。これまで既に7年もの長きに渡り充分な論議が尽くされてきたと言い切りました。そして、最低投票率を定めていない問題点について、例えば40%の投票率でも20%以上が改憲に賛成ならば成立するが、逆に40%の投票率でも20%以上が反対となる場合もあるわけだから同じことと、この問題点を一般化して論評。
ただ、個人的には不服な点があるとして、公務員の地位利用による投票運動には厳罰を主張。またCMは投票2週間前までとした内容にも「原則自由にすべきだ」と述べ、最後に「反対のための反対はやめろ」と噛み付きました。

辛坊氏の論調は、「国民投票法」が“国民の権利”であり、今までそれが定められていなかったことが不思議とでも言いたげなものですが、なぜ今、この改憲手続き法案を与党が言う憲法施行60年の5月3日までに成立させようとしていたのかを「伝えて」いません。「国民投票法案」と聞こえは良いのですが、実際は、改憲手続き法案であり、同法案はこれまで60年間、必要とされてこなかったということを「伝えて」いません。
また辛坊氏は充分な議論をしてきたと言いますが、衆院での審議は与党修正案が提出された後に1回開かれただけで、中央・地方の公聴会を含めても審議時間は昨年から約55時間程度。郵政民営化の審議が約120時間あったことに比べても極端に短く、公聴会などでは拙速審議を戒め、慎重審議を求める声が大勢を占めていることも「伝えて」いません。さらに先の当ブログでも紹介した読売新聞社自身の世論調査でも、施行後60年になる憲法のこれまでの役割を「評価している」は、「大いに」「多少は」を合わせると85%に上っているように、国民が評価している憲法をなぜ今、改憲手続き法案を成立させてまで変えようとしているのか国民への説明はありません。
そして何よりも、与党が改憲手続き法案を急ぐその先に、自民党が掲げる「新憲法草案」があって、これが憲法9条第2項の「戦力の不保持・交戦権の否認」を削り、反対に自衛隊を「自衛軍」としてこれを明記するという内容であるということを「伝えて」いません。

辛坊氏はじめマスコミは、テレビという公共の電波を使って“解説”するならば、「伝えること」と「伝えないこと」という使い分けによる歪曲をやめ、権力に抗してその本質を「伝え」貫くジャーナリストとしての姿勢が求められていることを指摘しておきましょう。


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