憲法九条を「変えない方がよい」は６６％－－朝日・日経世論調査

５月３日、憲法記念日に合わせ朝日新聞社などが憲法についての世論調査結果を発表しました。

■朝日新聞社（４月１９・２０日電話調査）によると、憲法九条を「変えない方がよい」は６６％。「変える方がよい」の２３％を大きく上回りました。
２００７年４月の安倍政権下での調査でも、「変えない方がよい」が４９％。「変える方がよい」は３３％と、「変えない方がよい」が上回っていましたが、１年たって更にその差が拡大したことが分かります。
また、憲法改正が「必要」とする人は５６％いますが、その中でも、九条改正を支持する人は３７％にとどまり、「九条は変えない方がよい」と答えた人は５４％にのぼりました。同紙は「『九条変えない』世論戻る」と表現しました。

憲法改正が「必要」と答えた人の理由については、７４％が「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」、「９条に問題があるから」は１３％、「自分たちの手で新しい憲法を作りたいから」は９％でした。
また、憲法改正が「現実的な問題」と思う人は５２％、「まだ先の問題」とする人は３５％（２００７年調査ではそれぞれ５９％、３１％だった）。「先の問題」とする人にその理由を聞くと、７１％が「国民の間で機運が高まっていない」を選びました。「国会で与野党の対立が深まっていること」を挙げたのは１９％、「安倍首相が退陣したこと」を挙げた人は５％でした。
衆参両院で多数派が異なるねじれ国会への評価を聞いたところ、「好ましくない」が６２％を占めました。しかし、「憲法を改正して衆議院の権限をさらに強めること」については、反対が５８％だったのに対し、賛成は２３％となっています。

■同じように同日発表した日本経済新聞社（４月１８～２０日電話調査）でも、憲法を「改正すべきだ」が４８％であるのに対し、「現在のままでよい」が４３％となっており、２００７年４月の同調査に比べ、「改正すべきだ」が３ポイント低下し、「現在のままでよい」が８ポイント上昇している傾向を紹介しています。
現憲法の問題点を複数回答で聞いたところ「環境権やプライバシー権など時代の変化に対応した規定がない」が31％で最多。次いで「地方自治の考え方が不徹底だ」が28％、「衆参両院の二院制など国会に関する規定が適当ではない」が24％となっています。


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