今年6月にドイツで開かれるG7「先進7か国の首脳会議」に向けた準備のため、関係国を訪問していて7年ぶりに来日したドイツのメルケル首相は3月9日、東京都内で講演し、第2次大戦中に関係が悪化した周辺国との和解には「過去と向き合うことが重要」と述べ、対話の重要性を強調しました。
メルケル首相はナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)があったにもかかわらず、ドイツは国際社会に受け入れてもらう幸運に恵まれたと指摘し、「ドイツがきちんと過去と向き合った一方、連合国が過去を克服するドイツを見守ったからだ」との認識を示しました。
また、不倶戴天の敵だったドイツとフランスの関係が、和解から友情に発展したのは「両国民が歩み寄ろうとしたところから始まった」と語り、隣国との対話の重要性を訴えました。
これは、日本と中国や韓国との現在の関係について言及したものですが、具体的には「アドバイスする立場にはない」と述べるにとどめたということです。
さらにメルケル首相は講演で、過激派組織「ISIL(イスラム国)」による邦人人質殺害事件やフランスで起きた連続テロにも言及し、これらの事件は「自由や寛容に対する信念を妨げない」と力説し、日本と手を携え、テロに立ち向かう考えを表明しました。
メルケル首相は訪日を前に、ドイツ進めている脱原発について「日本も同じ道を歩むべきだ」と述べ、エネルギー政策の転換を呼び掛ける考えを示したことでも話題でした。
【出典参考】2015年3月9日配信「時事ドットコム」
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