京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『ボストン美術館華麗なるジャポニズム展』京都市美術館

2014-10-10 11:52:42 | 美術・博物館

京都市美術館で開催の、『ボストン美術館華麗なるジャポニズム展ー印象派を魅了した日本の美』(9/30~11/30)を見てきました。
今回は、アメリカのボストン美術館所蔵の印象派や、
日本美術のコレクションの展示です。

この展示会の作品は、日曜美術館アートシーンでも取り上げられました。
放送された画像をもとに展示内容の一部を紹介します。










「インクスタンド」
約100年前にフランスで作られたものです。
真ん中がペン立て、両側にインク壺が並び、
筆記用具を全て納めることができるようになっています。
模様の全てが日本的、和風です。





富士山も描かれていますが、北斎の浮世絵にそっくりです。





北斎冨嶽三十六景 「武利千佳」
富士山と魚釣りをする景色は一緒です。





ペン立てに描かれている蝶々もそうです。
日本の作品を見て、非常に感化されたのがわかります。





平田就亮 虫図七宝鐔(つば)





日本の浮世絵に感化された画家、ゴッホです。
「子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュステイーヌ・ルーラン夫人」
この絵は、ゴッホが世話になった郵便配達人の妻を描いたものです。





ゴッホは自ら浮世絵を収集するなど、日本美術に深く傾倒します。
このゴッホの絵に非常によく似た浮世絵があります。

歌川国貞(三代豊国) 当世十花撰 夏菊
ゴッホの絵にも菊の花が描かれています。






カミューユ・ピサロも影響を受けた画家です。
「雪に映える朝日、エラニー=シュル=エプト」
雪の景色を描いた絵画ですが、これも浮世絵の影響を受けています。





歌川広重
「名所江戸百景 愛宕下藪小路」
白一色で影のない雪景色を描いています。





森徹山「蝶々」
こういう絵柄がヨーロッパに伝わり、影響を受けたヨーロッパの職人が、
自分達の作品の図柄などに反映させたのです。





イギリス製のテイーセット、水差し
明らかにジャポニズムの世界が描かれています。





日本の型紙 寄せ模様





こういうものも、文具にも影響を与えています。
アメリカで作られた、葡萄蔦のデスクセット





今回の展示会の最大の目玉、修復後世界初公開となる、
モネの『ラ・ジャポネーゼ』(着物をまとうカミーユ・モネ)1876





等身大の大きな作品です。
日本趣味を描いた代表的な作品でもあります。
ゴザを敷き詰めた床に、鮮やかな打ち掛けを着て立つ、パリジェンヌ。
その手には扇子、壁には一面に団扇が飾られています。
実際、モネの自宅の壁にも団扇が飾られていました。
カミーユはモネの奥さんです。
パリ万博の2年前の作品です。
打ち掛けの素晴らしさ、絵の素晴らしさにも圧倒される作品です。





同じく、クロード・モネ「睡蓮」です。
『ラ・ジャポネーゼ』以降も、日本文化の影響を受けた作品を作り続けます。
モネは自宅の庭に池をつくり、睡蓮を育てました。





モネの作品で、浮世絵の構図とよく似た作品があります。
対比した画像を見てみると、そっくりです。
左が広重「東海道五十三次内 四日市三重川」1833頃
右がモネ「トルーヴィルの海岸」1881





カサットも浮世絵に大きな影響を受けた一人です。
左が喜多川歌麿「母子たらい遊」1803頃
右がカサット「湯浴み」1891頃





ムンクも同様です。
左が広重「名所江戸百景 神田明神曙之景」1857
右がムンク「夏の夜の夢(声)」1893





いかがでしたでしょうか。
ヨーロッパの画家たちがいかに浮世絵などに影響されたのか、
よくわかる展示会になっています。
印象派絵画を見る機会がありましたら、浮世絵と比較されても、
面白いと思います。

蛇足ですが、今回は浮世絵の作品も多くありました。
美術館の展示方法によっては、作品の劣化を抑えるとして、
過度に照明を下げるところもあります。
そうすると浮世絵は小品が多いので、作品の良さが半減されてしまいます。
現物を見に来ているのに、作品集を見ているほうがマシといった、
残念なこともたびたびあります。
でも今回の京都市美術館のは、そんな心配はありませんでした。








秋の南禅寺界隈

2014-10-10 05:27:20 | 2014 紅葉

私は、京都市美術館や京都国立近代美術館にでかけるときは、
だいたい、南禅寺の付近を散策することが多いです。

先日も美術館に行く前に、先に南禅寺に寄りました。
拝観時間前に加え、まだ紅葉には早いせいか、観光客は少ないです。
そこが私のねらい目なのです。
南禅寺の風情を味わうには、できるだけ静寂が良いのです。

10月初旬、観光客がまだ少ない南禅寺の景色をお届けします。


方丈前です。




一部紅葉しています。





ぶらぶらと水路閣付近を歩きます。
ほとんど観光客がいません。










南禅院が拝観開始になりましたので、入ります。





心字池です。




曹源池の周囲を歩きます。










亀山天皇分骨所の青もみじです。
紅葉すればとてもきれいになります。










一部色づいています。




天授庵にも入りましょう。
今年は本堂が工事中で、紅葉シーズンの定番スポット、
枯山水の庭園の紅葉は見れないかもしれません。










工事用の足場の間から撮影しました。
ここの紅葉がきれいなのですが、、、、。






秀明菊です。








残り萩です。





キキョウはまだ見頃です。





この後、京都市美術館で開催の『ボストン美術館華麗なるジャポニズム展』に行きました。
展示会の記事は、お昼頃には、アップできると思います。



智積院少し色づく

2014-10-09 08:09:09 | 2014 紅葉

日曜日、妻と買い物帰りに智積院に寄りました。
本当は、妻がまだ見ていない、京都国立博物館平成知新館の、
特別展示作品を見てもらいたかったのですが、
駐車場がいっぱいで入れなかったのです。

智積院は、一年を通じて何度も訪れるところです。
春は梅と桜、初夏の紫陽花、秋の紅葉がとりわけきれいです。

まだ紅葉には早いはずなのですが、少し色づいていました。
境内の様子をご覧ください。




















コブシの木と赤い実です。











境内に咲いてた花です。
姫女苑(ヒメジョオン)




ショウキズイセン
きれいな色が出ています。





キキョウもまだ咲いています。





ツワブキはこれからですね。





書院の利休好みの庭園もいいのですが、境内の野趣溢れるこの庭も好きです。





蓮池にはアオサギがいました。






これから、日一日紅葉がすすみます。
紅葉シーズンにまた、智積院の景色お届けしましょう。



皆既月食撮影しました。

2014-10-08 22:08:31 | 京都めぐり

3年ぶりの 「皆既月食」で、国内では平成23年12月以来だそうです。
全国的に午後6時14分ごろから満月が欠けて月食が始まり、
午後7時24分に、地球の影にすべて隠れる「皆既」 状態になりました。

私が撮影した皆既月食の進み具合をご覧ください。

18:22





18:30




18:40




18:53




この間、月は雲間に入ります。


19:14





19:18






19:24 皆既状態




19:26




19:28





22:04
元の満月に戻りました。





いかがでしたでしょうか。




『ホイッスラー展』京都国立近代美術館

2014-10-08 05:23:50 | 美術・博物館

近代美術の先駆者として知られる、ホイッスラーの、
国内過去最大級の大回顧展が、京都国立近代美術館で開催されています。
今回の展示会は、初期から晩年までの代表作、約130点が展示されています。
私は先日、観賞してきました。


ホイッスラー(1834-1903)
19世紀後半のアメリカ人の画家ですが、主にロンドンで活動しました。
ホイッスラーは、印象派の画家たちと同世代ですが、
その色調や構図は、浮世絵などの日本美術の影響が濃く、
独自の絵画世界を描いたとして、評価も高いものがあります。
デッサンを見ても、その技量は確かなものがあります。

画像は日曜美術館アートシーンと作品集より





《灰色と黒のアレンジメント No.2:トーマス・カーライルの肖像》
1872-73年 グラスゴー美術館






《灰色のアレンジメント:自画像》 1872年頃 デトロイト美術館






《ライム・リジスの小さなバラ》1895年 ボストン美術館




《肌色と緑色の黄昏:バルパライソ》1866年 テート美術館





《オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後》1862年 ボストン美術館





《ブルターニュの海岸(ひとり潮汐に)》
1861年 ワズワース・アテニウム美術館





《チェルシーの通り》1888年頃 イェール英国芸術センター





《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》
1872-75年 テート美術館







《青と銀色のノクターン》1872-78年 イェール英国芸術センター







《白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール》
1864年 テート美術館







《白のシンフォニー No.3》
1865-67年 バーバー美術館(バーミンガム大学附属)





《紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン》
1864年 フィラデルフィア美術館






「ノクターンソレント」






「茶色と銀色:オールド・バターシー・ブリッジ」1859ー63






「岩壁波浪」1884





印象派とは異なる独自の画風との評価ですが、
私は、印象派作品に非常に近いと思って見ました。

同館四階では、コレクションギャラリーが開催されています。
「日本近代洋画と浮世絵ー鏡としてのジャポニズム」では、
浅井忠、野島康三、熊谷守一ら21点が展示されています。

「秋の日本画」では川端龍子、徳岡神泉らの作品8点。
「陶芸:イギリスへのあこがれ」では、
冨本憲吉、バーナード・リーチらの作品18点。
「パリの日本人画家たち」では、梅原龍三郎、佐伯祐三、
藤田嗣治、岡田三郎助らの作品11点。

「フランス近代絵画の展開」では、ルドン、ルノワール、モネ、
ピサロ、マテイス、モリリアーニ、ピカソ、シャガールなどの有名画家の作品がずらり展示されています。
美術好きにはたまらないでしょう。








植物園『秋の山野草展』

2014-10-07 05:21:56 | 京都めぐり

台風18号、京都はほとんど影響がありませんでした。
しかし、上陸した関東などでは、大きな被害もでました。
お見舞い申し上げます。
今年は、非常に大雨が多い年のようです。
京都も福知山などで大きな被害がでました。
また、台風19号も日本列島に近づいているようです。
気をつけあいたいと思う次第です。

昨日は、午前中少し雨も残り,台風の影響でしょうか、気温も低めです。
植物園で、『秋の山野草とシダ展』が開催されていました。
会場の気に入った山野草と、植物園の山野草を撮影してきました。





今が見頃なのでしょう、ホトトギスが多かったです。





ナンバンハコベ





ヒダカセミバヤ




イワシャジン





キタヤマブシ




ツガルミデハヤ





クサアジサイ





タカクマホトトギス





アキギリ





ダイモンジソウ





ヤリガネソウ





アキノキリンソウ





野菊の仲間





生態植物園のあちこちでも見かけます。
ホトトギス





ホトトギス(白)





オハラアザミ





イヌショウマ





カシワバハグマ





シモバシラ





ミズヒキ
わが家の庭にもあちこちに生えています。





ツリガネソウ





サワギキョウ





ワレモコウ





フジバカマに蝶





ゴンズイの実







定番コスモスの時期になりました。










いかがでしたでしょうか。










『バーニー・フュークス THIS IS AMERICA』日曜美術館

2014-10-05 21:02:08 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、『 バーニー・フュークス THIS IS AMERICA
』です。





バーニー・フュークス(1932ー2009)は、アメリカを代表するイラストレーターです。
彼は ノーマン・ロックウェル(*)の再来ともいわれ、現在、
アメリカで彼の生涯の作品をまとめる大型の図録が制作中です。
*米国で有名なイラストレーター、1978没




アメリカイリノイ州、オファロンで生まれます。
少年時代音楽に熱中しますが、高卒後勤めた会社で、
ベンチプレス機で三本の指を失い、音楽の道を断念します。

18歳でワシントン大学(セントルイス)の美術学校に入学します。
大学卒業後、デトロイトで自動車広告の仕事をします。
バーニーが描いた自動車広告















しかし、バーニーは車より、周りの人びとを丁寧に描きました。

この広告で評価を得たバーニーは、全米で人気の女性雑誌
「マッコールズ」でさらに有名になります。










バーニーの人気を不動のものにしたのが、スポーツ・イラストです。

「フットボール」
臨場感溢れる作品です。





「グリーン・モンスター」1980
ボストンレッドソックスの野球場のフェンスを描いています。





「スパイグラス・トール・ツリー」2000
選手よりも周囲の景色や観客を描いています。





「クリーブランド・ミュニシパル・スタジアム」1980
フェンスの隙間からのぞきこむ少年を描いています。






「ベースボール・シーン」
投手が投げた一球に、バッターが打ち返す瞬間を切り取っています。





「バスケットボール・プレーヤー」1993
日が暮れるなか、バスケットの練習に打ち込む少年






バーニー・フュークスは、アメリカの国民的雑誌、
「TVガイド」をはじめ、数々の雑誌にイラストを書きました。
アメリカイラストレーターのトップランナーでした。





アメリカの著名人も数多く書いています。

「モハメッド・アリ」1993





「フランク・シナトラ」





「キャサリン・ヘプバーン」
彼女の映画『旅情』『黄昏』が大好きです。





「タイガー・ウッズ」1997






バーニーはケネデイの依頼を受け、肖像画も書きます
ケネデイ大統領との面会





「ジョン・F・ケネデイ」1962





ケネデイの死後、だいぶ経ったときに発表された作品
ケネデイの内面の苦悩を表現しています。

「ジョン・F・ケネデイ」1988





「オスカー・チャールストン」2005





バーニーは、後年絵本も書きました。





「シューテイング・フオー・ザ・ムーン」
アニーよ銃をとれ





「ラグタイム・タンピー」





いかがでしたか、素晴らしい作品だと思います。

しかし、私はアメリカの画家をほとんど浮かんでこないのです。
ノーマン・ロックウェルや今回のバーニーなど、
イラストレーターははいるのですが、、。
しかも、その作品に法外な値段がついたりするのです。
イラストレーターと画家をどこで区別するかにもよりますが、
私の認識では、イラストレーターは商業美術です。

世界各国の文化財を収集するアメリカですが、
なぜ、画家が育たないにでしょうか?







秋の山野草と十月桜

2014-10-05 05:24:46 | 京都めぐり


私は定年退職以降は、晴れた日は散策、雨の日は読書や美術館にと、
日々を紡いでおりますが、特に今の時期が散策に最適と思われます。

私の散策は、前日に行き先を決める場合もありますが、
大概はその日の朝、天候を見たりして、行き先を決めます。

ただ歩くよりは、花や山野草を探しながらの散策が楽しいので、
自ずとそういう場所が多くなります。
年齢によるものか、妻の影響でしょうか、華やかな花よりも、
野山に咲く花にとても魅力を覚えるのです。

昨日の散策で撮影できた秋の山野草を紹介します。
十月桜も咲いていましたので、お届けします。



ノコンギク





ダンギク





ノダケ





サイインヒキオコシ





ツリガネニンジン





オミナエシ





ボタンボウフウ




シオン





キヨズミギボウシ





アキチョウジ





アケボノソウ





ヒキオコシ





サワアザミ





フユイチゴ





秋の味覚、栗





オトコエシ





ユキミバナ





サラシナショウマ





ハマギク





リョウリギク(食用菊です)





今の時期から春にかけて咲く、十月桜です。





いかがですか、秋の山野草に秋の実り、実に心が和みます。





相国寺の秋の庭園

2014-10-04 05:26:33 | 寺院・庭園

臨済宗相国寺派の大本山、相国寺秋の特別拝観が始まりました。
今回の拝観では、法堂、方丈、開山堂が公開されています。
昨年秋の公開も来ましたが、その時はかなり体調が悪い時で、
その後、すぐに定年退職後二回目の入院となりました。

今年は体調も比較的ましで、元気に散策できることを喜んでいます。
紅葉にはまだ早いですが、方丈と開山堂の庭園の景色をお届けします。

方丈南庭の庭です。
東福寺などの南庭と比較し、白砂だけのシンプルな庭です。
建仁寺南庭によく似ています。










方丈の西庭です。
南庭と全く異なる面持ちですが、杉苔に松、これもシンプルです。





北庭です。
実にダイナミックな庭です。
画面左手の大きな立石は滝を表し、一段掘り下げたところに、
石を敷き詰めて、滝から流れる水を表現しています。
11月過ぎには紅葉し、とてもきれいです。
庭の木々の裏の建物が、日曜座禅会の会場です。
以前、ここの座禅会に参加していたときは、
北庭の木々の色づきが変わっていくのが楽しみでした。
















開山堂の庭園です。
方丈の景色とは違う趣があります。
私はこちらの庭園が落ち着いていて好きです。










一部紅葉しています。











境内の水芙蓉です。





相国寺は紅葉も見ごたえがあります。
方丈や開山堂の庭園の色づきに加え、承天閣美術館もなかなかです。
また、紅葉のシーズンになればお届けしましょう。

家に帰ってきたら、百日草に蝶が、静かにパシャ。





日、月曜日は、大型台風です。
皆様もお気をつけください。







『茶の湯 釜の美』泉屋博古館

2014-10-03 05:23:38 | 美術・博物館

京都の泉屋博古館で、『茶の湯 釜の美』展が開催されています。




私はお茶は全くの門外漢です。
以前、禅寺の住職から、お茶を勉強したらと言われましたが、
仕事が忙しいことを理由に、機会を逸してしまいました。

定年退職後の今、お茶を勉強しておけばよかったと少し後悔しています。
でも門外漢ですが、お茶碗やお釜などを見るのは好きです。

茶の湯の世界で、「席中の主」と称される茶釜ですが、
私は鉄のもつ美しさと、釜の造形美にかねてより、惹かれるものがあり、
今回の展示会にも足を運んだ次第です。

NHK日曜美術館アートシーンでも紹介されましたので、
画像とともにお届けします。
また、買い求めた作品集からも画像もとりました。





今回の展示会は、茶道具のなかでも、茶釜にスポットをあてたものです。

江戸時代前期に活躍した大西浄清の茶釜です。
均整のとれた優美な形、千鳥と曲線の模様が美しい。











縦長の茶釜、釜肌には草むらに遊ぶ松虫。
さりげないところに季節を感じさせる、わびさびの世界です。










私が特に気に入ったのは二釜

「大丸釜」江戸前期、辻与次郎の作品です。




与次郎は、京都三条釜座で釜造りを行った、千利休の釜師です。
豊臣秀吉から「天下一」の称号を名乗ることを許されています。
利休好みのシンプルな釜が特徴です。

もうひとつは、「霞蒲団釜」
江戸時代前期、宮崎寒雉の作品です。
加賀の釜師で、味わいのある釜です。





展示会では、釜以外の茶道具も展示されています。
私が特に気に入ったのは、「小井戸茶碗ー、銘 六地蔵」です。
16世紀、朝鮮半島の物だそうです。
こぶりですが、実に味わいがあります。
色合いも好きです。





私が好きな中庭の景色です。





この美術館の庭園も紹介しましょう。
















京都の後は、東京の分館でも開催されます。












これが「ずいき神輿」です。

2014-10-02 12:50:18 | 京都めぐり

今朝、昨日行われた北野天満宮のずいき祭の様子をお届けしましたが、
ずいき神輿の画像はありませんでした。

そこで今日午前中、西ノ京御旅所に行って、ずいき神輿を撮影してきました。

御旅所です。










これが、西ノ京御旅所のずいき神輿です。





説明板がありました。





傘部分は、白ゴマ、九条ネギの種、水菜の種、赤なす、柚子、
五色唐辛子でできています。





唐の芋の頭頭です。頭芋と栗などでできています。





唐の芋(赤ズイキ)真芋(白ズイキ)です。






千木は麦わら細工で、梅鉢紋





赤と白の千日紅で作られた真紅と賀茂なすの鈴





子どもずいき御輿でしょうか。
ひとまわりこぶりです。





いかがでしたでしょうか。
かなり珍しい神輿と言えると思います。










北野天満宮 ずいき祭(瑞饋祭)

2014-10-02 05:22:21 | 京都めぐり


昨日、北野天満宮のずいき祭(瑞饋祭)が始まりました。
この祭は、祭神菅原道真公が大宰府で彫られた木像を、
随行の西ノ京の神人(じにん)が持ち帰りお祀りし、
秋の収穫時に野菜や穀物をお供えしたのが始まりとされています。

北野天満宮(天神さん)は、京都で有名な神社ですので、
私もずいき祭は知っていましたが、祭を見に行くのは今回がはじめてです。


巡行前の本殿です。





本殿前に並べられた3基の御輿





ずいき祭を先導する、導山(みちびきやま)





導山に続く松鉾です。





同じく梅鉾です。





馬車もでます。



















第一日目の10月1日、午後1時に宮司、神職、氏子の方々が、
西ノ京の御旅所に向けて巡行します。





午後4時頃、西ノ京の御旅所に到着し、
女児による「八乙女舞 (やおとめまい)」が奉納されます。

二日目は、御旅所で表千家宗匠による献茶祭が行われ、
三日目には、甲御供奉饌(かぶとのごくほうせん)行われます。
最終日の10月4日、午後1時に牛に曳かれた御羽車も加わり、
祭礼行列が氏子区内を巡行し、北野天満宮に帰って来ます。

なお、10月4日には、ずいき御輿も巡行します。
御輿は、西ノ京の神人により、ずいき御輿という野菜、
乾物等で趣向をこらした絢欄華美な御輿です。
屋根はずいき芋(里芋の茎〕で葺き、神輿の各部はすき間もなく、
穀物や蔬菜(そさい)湯葉、麸などで覆われています。
画像はありませんが、面白い、ユニークな御輿です。

京都は祇園祭や葵祭、時代祭以外にもたくさんの祭があります。
主に、氏子と地域の方に支えられ、何百年も続いています。




『川瀬巴水展ー郷愁の日本風景』高島屋京都

2014-10-01 05:21:39 | 美術・博物館

高島屋京都で『川瀬巴水 郷愁の日本風景』が開催されています。




川瀬巴水は、私の大好きな版画家の一人です。
以前、日曜美術館でも取り上げられ、私のブログでも紹介しました。
ステ イーブ・ジョブスをとりこにした版画家としても知られています。

もう一度、巴水の作品を紹介しておきましょう。
画像は、日曜美術館で紹介されたものです。

「雪の金閣寺」大正11





「清洲橋」昭和6




「牛堀の夕暮」昭和5




「芝増上寺」大正14
人気を博し、異例の3,000枚刷りとなった作品





「馬込の月」昭和5





「明石町の雨後」昭和3





「お茶の水」大正15





「東京二十景 矢口」昭和3





「東京二十景 新大橋」大正15





「東京二十景 荒川の月(赤羽)」昭和4





「秋の越後」大正9




「夜の新川」大正8





「三十間掘の暮雪」大正9






「時雨のあと(京都南禅寺)」昭和26





「佐渡相川町」大正10





「上州法師温泉」昭和8





「弘前最勝院」昭和11





「尾州半田新川端」昭和10





「埼玉田宮村」昭和16





「京都清水寺」昭和8





「平泉金色堂」昭和32





みなさん、いかがでしたか。
なぜか、懐かしい、郷愁をそそる作品です。
最近はよくわからない版画も多いのですが、
こういう版画はわかりやすく、親しみやすいですね。