京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー
令和元年度 第4回コレクション展 10月27日(日)
装束:日本のドレス・コード
美術館HPより
日本におけるドレス・コード「装束」をキーワードに当館のコレクションを紹介します。
能装束を題材として描かれた神坂雪佳と能画の名手としても知られる月岡耕漁による《能楽絵十二月》を紹介します。
神坂雪佳 1866 - 1942 坂巻(月岡)耕漁 1869 - 1927 能楽絵十二月 1921 絹本着色/画帖(12葉)
日本人は、明治維新以降、西洋の文物を取り入れていく中で生活様式を大きく変化させてきましたが、大正期に活躍した竹久夢二は、西洋と東洋との出会いを、人々の仕草や装いを通じて、まるで夢を見ているかのように叙情的に描き出しました。
竹久夢二 1884 - 1934 港屋風呂敷「MINATOYA JAPONICA CHERRY-LAND」 1914 風呂敷
竹久夢二 1884 - 1934 宝船 1920 木版、紙
竹久夢二 1884 - 1934 九連環 c. 1928 エスタンプ
竹久夢二 1884 - 1934 『セノオ楽譜no.44 「蘭燈」』 大正6年6月9日発行 紙
竹久夢二 1884 - 1934 『セノオ楽譜no.106 「待宵草」』大正7年9月20日発行、大正10年3月20日二刷紙
竹久夢二 1884 - 1934 『セノオ楽譜no.113 「もしや逢ふかと」』 大正7年12月20日発行 紙
竹久夢二 1884 - 1934
川西 英 1895 - 1965 川西英編集『竹久夢二 雑(封筒、包紙等)』 制作年不詳 木版ほか
竹久夢二 1884 - 1934 『夢二絵葉書集』 c. 1935 木版、葉書
日本の装い
美術館HPより
「装い」という言葉は、美しく概観や身なりを整えるという意味で用いられます。日本人は、四季折々そして場に合わせて様々な装いを生み出してきました。その代表的なものに着物があります。着物はかつては日本人の日常的な衣服でもありましたが、現在ではハレの場を彩る特別な存在となっています。その象徴が紬です。紬は日常着であったことから、日本各地で発達しました。しかし、紬糸を染めて織り出す先染めによるやさしい風合いは、今日、外出着としても好まれています。一方で、後染めによる友禅などの訪問着や振袖は、もともと日常着であった紬とは異なり、冠婚葬祭などのフォーマルな場で着られるものです。また、着物は、意匠や風合いによる視覚性や触覚性に加えて、平安時代には四季の移ろいを香りに託して着物に焚き染める風習も発達しました。この風習は今日でも一部で受け継がれています。
私たちは時として人々の装いに心を奪われることがあります。それぞれの装いが、私たちにとって美しいものとして立ち上がってくるには、装う対象そのものを客観的に捉える感性の働きを必要とするように、装いとは、装うものとそれを知覚するものとの双方向的な関係において成立する文化的行為だといえます。
伊砂利彦 1924 - 2010 振袖 嫁ぐ日(松模様) 1970 友禅、蝋纈、箔 後期
三代田畑喜八 1877 - 1956 一越縮緬地鳳凰桐文振り袖 1954 友禅・絹 後期
羽田登喜男 1911 - 2008 高雅縮緬地友禅訪問着「浮遊」 1961 友禅・ちりめん 後期
小倉建亮 1897 - 1982 訪問着「懐郷」 1964 絞り染・ちりめん 後期
渡辺彰子 1943 - 紬着物「雲立涌」 1971 絹、紬織 後期
北村武資 1935 - 金地経錦丸帯「詰菱」 2010 経錦 後期
藤井達吉 1881 - 1964 金銀彩草花文帯 1916-23 金、銀・絹 後期