京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『バーニー・フュークス THIS IS AMERICA』日曜美術館

2014-10-05 21:02:08 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、『 バーニー・フュークス THIS IS AMERICA
』です。





バーニー・フュークス(1932ー2009)は、アメリカを代表するイラストレーターです。
彼は ノーマン・ロックウェル(*)の再来ともいわれ、現在、
アメリカで彼の生涯の作品をまとめる大型の図録が制作中です。
*米国で有名なイラストレーター、1978没




アメリカイリノイ州、オファロンで生まれます。
少年時代音楽に熱中しますが、高卒後勤めた会社で、
ベンチプレス機で三本の指を失い、音楽の道を断念します。

18歳でワシントン大学(セントルイス)の美術学校に入学します。
大学卒業後、デトロイトで自動車広告の仕事をします。
バーニーが描いた自動車広告















しかし、バーニーは車より、周りの人びとを丁寧に描きました。

この広告で評価を得たバーニーは、全米で人気の女性雑誌
「マッコールズ」でさらに有名になります。










バーニーの人気を不動のものにしたのが、スポーツ・イラストです。

「フットボール」
臨場感溢れる作品です。





「グリーン・モンスター」1980
ボストンレッドソックスの野球場のフェンスを描いています。





「スパイグラス・トール・ツリー」2000
選手よりも周囲の景色や観客を描いています。





「クリーブランド・ミュニシパル・スタジアム」1980
フェンスの隙間からのぞきこむ少年を描いています。






「ベースボール・シーン」
投手が投げた一球に、バッターが打ち返す瞬間を切り取っています。





「バスケットボール・プレーヤー」1993
日が暮れるなか、バスケットの練習に打ち込む少年






バーニー・フュークスは、アメリカの国民的雑誌、
「TVガイド」をはじめ、数々の雑誌にイラストを書きました。
アメリカイラストレーターのトップランナーでした。





アメリカの著名人も数多く書いています。

「モハメッド・アリ」1993





「フランク・シナトラ」





「キャサリン・ヘプバーン」
彼女の映画『旅情』『黄昏』が大好きです。





「タイガー・ウッズ」1997






バーニーはケネデイの依頼を受け、肖像画も書きます
ケネデイ大統領との面会





「ジョン・F・ケネデイ」1962





ケネデイの死後、だいぶ経ったときに発表された作品
ケネデイの内面の苦悩を表現しています。

「ジョン・F・ケネデイ」1988





「オスカー・チャールストン」2005





バーニーは、後年絵本も書きました。





「シューテイング・フオー・ザ・ムーン」
アニーよ銃をとれ





「ラグタイム・タンピー」





いかがでしたか、素晴らしい作品だと思います。

しかし、私はアメリカの画家をほとんど浮かんでこないのです。
ノーマン・ロックウェルや今回のバーニーなど、
イラストレーターははいるのですが、、。
しかも、その作品に法外な値段がついたりするのです。
イラストレーターと画家をどこで区別するかにもよりますが、
私の認識では、イラストレーターは商業美術です。

世界各国の文化財を収集するアメリカですが、
なぜ、画家が育たないにでしょうか?







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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
スポーツ・イラスト (tango)
2014-10-06 20:05:58
こんばんは!
今日は定年後生活さまのイメージが変わったアップの
ようですが、ますます私は驚きます
イラストまで詳しく分析されることに
驚きます
仕事柄、私もバス停に張ってある広告を見ます
テレビも、新聞も…
最近、日本家屋が少なくなり複製の油絵が売れなくなり
ポスター、水彩、有名絵画の複製が売れる時代に変わってきています
ゴルフのイラスト的な絵画<商業絵画?>…
車のポスターもありますね…これを額装します
今日のアップもとてもすばらしいですね!
雰囲気もつかんでいるし、イラストでありながら
内面を表現しているのはやはりさすがですね~~
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tangoさんへ (京都で定年後生活)
2014-10-06 21:08:50
こんばんは
イラストですから、商品価値をいかに高めるかが目的ですが、バーニーの作品は、その商業価値を越えた素晴らしさがあると思います。
私はあまりアメリカ美術は評価していないのですが、バーニーの作品が例外です。

tangoさん、これから忙しくなりますね。
ご無理なさらずにしてください。
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日本の絵本 (「へんちき論」管理人)
2014-10-08 00:46:49
バーニーの絵本は本当にプロの絵ですね。
日本の絵本のかなりの部分が「これプロ?」というような絵です。
こういうのを「ヘタウマ」というのでしょうかねぇ。
子どもだと思ってバカにしているわけではないでしょうが・・。
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先生へ (京都で定年後生活)
2014-10-08 06:36:56
おはようございます。
長い間、子供向け絵本は見ていませんので、なんとも言えないです。
私の子供が小さい頃は、ときどき目を通したことがある程度です。
ただ、当時の記憶では、子供に好かれる?ように、わざと子供がレベルを落としているのだろうか、などと思っていました。
子供だからこそ、質の高い絵を提供して欲しいとは思っていました。
最近の絵本画家もほとんど知らないのですが、展示会での安野光雅や武井武雄の絵本は、素晴らしいものでした。
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