京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『国宝鳥獣戯画と高山寺』京都国立博物館

2014-10-16 05:23:07 | 美術・博物館

京都国立博物館で『国宝鳥獣戯画と高山寺』が開催(10/7~11/24)されましたので、先日行ってきました。
すぐにアップしたかったのですが、戯画絵図を読むのに、
時間がかかってしまいました。





有名な国宝ですので、混むだろうとは思っていたのですが、
予想を越える長蛇の列に、出直そうかと思うほどでした。

まずは、展示会場になっている「明治古都館(本館)」に入るのに、
入場制限がかかっています。
会場に入る前にテントのなかで、係員の指示に従って 入場待ちです。




さらに、平安時代に作成された、国宝鳥獣戯画の甲巻と乙巻は、
展示室内でも長い誘導テープが設けられ、長い行列ができています。
私が行った時は、展示室内だけで1時間待ちです。





鳥獣戯画図の甲巻は、擬人化された動物が描かれていますが、
乙巻は実在・空想上の動物が写生的に描かれています。
丙巻は前半が人間風俗画、後半が動物戯画になっていて、
丁巻は勝負事を中心に人物を描いています。

鳥獣戯画図の甲乙の一部を紹介しましょう。
甲の擬人化された動物の仕草は、描かれた平安時代の生活や、
風俗に根差したものでしょうが、どんな目的があったのか、
いま一つ理由がわかりません。



以下、私が勝手に、絵を表現したものです。

猿と兎が水遊びをしています。




兎と蛙が弓矢を持ち、次の場面の順番を待っているようです。




どうも、兎と蛙が分かれて、的弓遊びをしているようです。
芦で作った枠に吊るされた、大きな蓮の葉が的です。
一本刺さっています。面白いのは、的の近くの狐が、
尾っぽに火をつけ、松明代わりにしているのでしょう。




兎が鹿を、蛙が猪を引っ張り、導師らしき猿に寄進しているのでしょうか。




兎が芦を振り上げ、猿を追いかけています。
近くの蛙は、何やら叫んでいるようです。




上の絵の原因は、この絵に関係がありそうです。
蛙が仰向けに倒れ、兎が大丈夫か声をかけているのでしょうか。
蛙と狐も見ていますが、少し笑っているような表情です。

近くで大道芸でしょうか、蛙が踊り、それを、蛙、猫、兎、
鼠が見物し、狐の親子が心配そうに、仰向けの蛙に目をやっています。
もともと、仰向けの蛙も大道芸を見ていたのでしょう。
何らかの理由で、猿が蛙にちょっかいをかけたのでしょうか。





蛙と兎が相撲を取っています
仲間の兎が応援しています。




蛙が兎を投げ飛ばしてしまいます。
それを見ていた蛙たちが、大笑いしています。





この絵は次の絵と一緒に見てください
法会でしょうか、左上の施主と思われる猿が泣いています。
導師の後ろについた狐と兎のお坊さんが、読経しています。
その後ろで、兎、蛙、狐が法会に参加しています。




導師は袈裟を着けた猿です。蓮の花を入れた花瓶を置いた机を前に、
読経しています。その一生懸命の様子が口元ら滲み出ています。
本尊の仏には蛙が扮しています。
その本尊の後ろの木には、ミミズクが大きな眼を向けています。





法会が終わったのでしょう。
施主からお礼の品々が導師に渡されています。





以上が、甲の概略です。

次は乙です
馬です。



牛です。



犬ですが、喧嘩したり、相撲をとっているのもいます。




鶏です。




鶏と鷹です。




麒麟でしょうね。




右は不明、左は山羊です。




なんでしょう、虎でしょうか。




獅子ですね。




龍です。




象と左の動物はわかりません。





以上です。
いかがでしたでしょうか。
特別展示を見終わった後、オープン間もない平成知新館にも入り、
前回混雑しすぎて、十分見れなかった「京へのいざない」
(9/13ー11/16)の特別展示品を見て回りました。

10/15からは第二期となり、特別展示品は入れ替わります。
近々また訪れるつもりです。