京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

夢の扉『人間の神業を未来永劫残す モーションコ ピーシステム』

2013-09-30 06:22:26 | 科学・宇宙・歴史

9月22日放送の夢の扉は、「人間の神業を未来永劫残す」という画期的な発明です。
職人技の動作を完全に保存し、そして再現するという驚くべき新技術、その名は、『モーションコ ピーシステム』 です。
今回の ドリームメーカーは、残すべき匠の技をデジタル保 存し、未来につなげる、 慶應義塾大学 理工学部 准教授の桂誠一郎さんです。



桂さんの願いは、後継者のいない伝統の技を永久に保存する。最高峰の医療技術を未来に伝えることだといいます。

そのため、桂さんは人々を魅了する各界の一流の神業、その動き、 繊細なタッチ、微細な表現など、 「人間の動作」そのものをデジタル保存し、いつ でもどこでもロボットが再現するという 驚きの新技術を開発しました。
書道の達人の動作から筆の細やかな力加減 まで、ロボットに忠実に再現させ、 世界の研究者から一躍注目を集めました。これまで同 時に再現することは困難とされてきた、 力加減と動きの双方を再現することに成功したの です。

桂さんの書いた文字を再現




書道家佐渡さんの「花」を再現



さらには、離れた場所にあるモノを触った感覚も 再現が可能で、これらの研究が進めば、 熟練者の技術の記録・伝承のほか、遠隔地での“手取り足取り”のトレーニング、 患部の感触を感じながらの遠隔医療など、様々な 分野での応用が期待できるそうです。






次のチャレンジは、プロの画家が描く水彩画の再現です。 複雑な色彩と繊細な筆使いで描かれた、山、空、 小さな花や草木を、 『モーションコピーシステム』により再現することに挑みます。

水彩画家 青木美和さんが実験に協力します。



青木さんの作品



青木さんが今回の実験用に描いた作品



モーションコピーシステムで再現














地球ドラマチック 『バングラデシュ船の学校で村を救え』

2013-09-29 06:24:52 | 定年後生活

海外のよりすぐりのドキュメンタリーを放送する「地球ドラマチック」、今回9月21の放送は「バングラデシュ“船の学校”で村を救え!」という、かなり衝撃的な社会番組です。



「バングラデシュは世界で 7番目に人口が多い国であり、都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い。ベンガル湾に注ぐ大河ガンジス川を有する。豊富な水資源から米や ジュートの生産に適し、かつて「黄金のベンガル」と称された豊かな地 域であったが 、インフラの未整備や行政の非能率から、現在はアジア の最貧国に属する 。近年は労働力の豊富さ、アジア最低水準の労働コ ストの低廉さに注目した、多国籍製造業の進出が著しい」国です。Wikipedia



海抜が低いバングラデシュは、このさき20年間で国土の2割が水没すると言われ、既に住めなくなった村もあります。



建築家のレズワンは、年に数百もの学校が沈む現状を何とかしようと、廃船を改造した学校を建造しました。ソーラーパネルでパソコンも使用可能です。








世界とつながる機会を得た子どもたちは大きな夢を抱くことになります。レズワンはさらに“浮かぶ”図書館や病院なども 船を改造した学校を建造します。

船の学校で学ぶこどもたち



電源をわずかな料金で分けてもらい、勉強するこども



病院船、中で医師による診察も行われる。



2階船で、1階は子どもたちが勉強



2階では大人たちが農業の勉強



一方、バングラデシュの問題は地球温暖化と切り離せません。
気候学者は、今日のバングラデシュの問題は、世界の消費性向が原因であると言います。
水没した村を捨て都会に避難する人びとが毎年50万人にもおよび、新たな社会問題にもなっています。
都会に逃れ粗末な住居に住まざるをえない現状



国連気候変動会議COP15(2009コペンハーゲン)に参加した、バングラデシュの学者は、世界にバングラデシュの現状と二酸化炭素の排出削減を訴えます。
そして、どの国も見て見ないふりをすべきではないと言います。
アメリカの金融危機には、何兆ドルもの資金がどこからかでてくる。ところが貧しい国だとお金が集まらないとも言います。

国連気候変動会議COP15 は、各国の利害が入り乱れ、結局結論がでないで終わったと失望感をもつバングラデシュの学者たち。このまま見過ごせばニューヨークや東京も水没するかもしれないと警告を発します。
今後ますます水没による避難民の増加が懸念されるなか、世界的な援助が求められています。

この番組は2012年 世界最大の二酸化炭素排出国のアメリカ で制作されました。


相国寺開山堂の庭園でホッコリ

2013-09-28 06:20:12 | 寺院・庭園

昨日は朝から青空で、気持ちのよい秋晴れの1日になりました。
療養中で家に閉じこもっていると、気持ちも滅入りがちです。
体調も幾分ましなので、ちょうど今開催中の相国寺秋の特別拝観に行ってきました。
ここは何度も来ていますが、目当ては、開山堂の庭園です。
ここの庭園は好きな庭園のひとつで、眺めていると実にホッコリするのです。
しばし、何も考えずにボーと庭と一体になった気分で眺めるだけです。



方丈の工事用シートがはずされています。修復完了でしょうか?
青空に映える方丈と庫裏は美しい。



開山堂の坪庭です。白川砂だけの庭ですが、妙に落ち着きます。写真ではわかりづらいですが、掃き清めた白砂の上に松の葉を散らしています。庭師の遊び心でしょうか、不足の美でしょうか。



室町時代の作庭の南庭です。枯山水は手前が白砂敷きの平枯山水、奥が軽くなだらかな苔地築山となっています。かなり以前には小川があり、水が流れていたそうです。というように二様の形態が同居しているのはかなり珍しいと言えます。
しばらく濡れ縁に腰をおろし、庭をのんびり眺めている時間は至福です。





もみじが少し色づきはじめています。ピークの頃にもう一度見に来る予定です。



境内に曼珠沙華がポツポツと咲いていました。







面識のある職員の方がおられたので、最近相国寺の坐禅会維摩会は、体調を崩し休んでいることを詫び、平塚景堂老師の近況をお伺いしました。老師は自坊以外に銀閣寺の執事長も兼任され、さらに在家信者の指導など多忙な状況は変わらないそうです。
維摩会の参加者も相変わらず盛況とのことでした。
私は2005年から7年ほどお世話になりました。平塚老師の提唱を聞くのが楽しみで足を運んでいました。禅宗各本山の老師と呼ばれる幾人かの提唱を聞きましたが、簡潔明瞭さではピカいちだと思っています。禅僧に仏像などはどうでもいいものだとか、禅の師弟関係は恨みにつくと言いますが、厳しい雲水時代に師匠が出張に出かけたとき、事故にでもあって帰ってこないで欲しいと本気に思った話など、少し破天荒なところが大好きでした。平塚老師の提唱は聞き続けたかったのですが、体調を崩したのと、参加者が増え、しかも驚策を希望される参加者が多くて、坐禅に集中できなくなったので、最近は足が遠のいています。

専門道場です。ここでも日曜日坐禅会智勝会が行われています。
一度だけですが、参加して京大名誉教授の上田閑照先生の「夢中問答」の解説をお聞きしたことがあります。



拝観時、「円明」第100号記念号をいただきました。
円明の字は、後水尾天皇(1596~1680)の宸翰の写しです。






夢の扉 和牛革命『絶滅危機の赤牛を救う』

2013-09-27 06:35:33 | 科学・宇宙・歴史


現在自宅療養中で、外出を控えておりますので、テレビを見る時間がどうしても多くなっています。ということで、ブログ記事もテレビ関係が多くてすみません。
昨日は北風が強く、一気に季節変わりが進んだようです。季節の変わり目、私も体調を崩しぎみです。
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9月15日放送の夢の扉は、 牛肉を2倍美味しくする“カビの魔法”で和牛革命。熟成術「ドライエイジング」で絶滅の危機に ある赤毛牛を救うという話でした。
ドリームメーカーは、農産物流通コンサルタントの 山本謙治さんです。



霜降りたっぷりの黒毛和牛の人気の陰で、赤身肉品種の赤毛和牛は、生産農家も激減しています。生産農家はどうしてもせり市価格が高い品種を追い求めるからです。子牛1頭あたり、20万円もの価格差があり、黒毛に移る生産農家の流れがあり、 今や、赤毛牛は全体の肉牛の2%と、絶滅の危機にあります。







高カロリーの輸入した飼料で育てる黒毛牛はなく、牧草など、日本の大地の恵みを与える伝統の飼育で育てた赤毛牛と生産農家を守りたいと考えた山本さんは、赤身肉の価値を高める挑戦に乗り出しました。





そして取り組んだのは、まるで、魔法のように赤身の肉を変貌させる、 “カビのチカラ”を利用した、「ドライエイジング」です。
しかし、そのドライエイジングは、一筋縄には行かな かったのです。カビがうまく作用せず、 1000人分もの肉を腐らせてしまうこともありました。
そんな危機を乗り越え、目的通りの熟成肉の完成に成功します。









ドライエイジングによって生まれ変わった赤毛牛の肉は、 口にした誰もが「味が濃い」、「やわらかくてウ マい!」とうなるのは、 これまで、「ボソボソで繊維質」「かたい」と敬 遠されてきた、赤毛和牛の赤身肉です。 脂の少ないヘルシーさをそのままに、霜降り肉に 負けないジューシーさと芳醇な香りを 実現させ、 日本の牛肉の常識が、大きく変わり始めました。 まさ和牛革命ともいうべきものでした。
山本さんが挑戦してきた牛は、 高知県「土佐あかうし」の復活で、 5年の年月をかけて取り組んできたのでした。
そんな山本さんと生産農家の努力の結果、今年7月、子牛の競りの市場で、その奇跡は起き ました。赤毛和牛に驚くべき価格がついたのです。
黒毛和牛の子牛の高知県H25年5月現在の平均価格約41万円に対し、赤毛牛は47.3万円の値段がついたのです。当然生産農家は大喜びです。赤毛が黒毛を抜いた奇跡の瞬間でもありました。
その後、平均価格でも土佐赤牛が黒毛を上回ったことが判明しました。






これで、生産農家が黒毛もいいけど、赤毛もいいと思って、赤毛生産に変わってくれれば、赤毛の絶滅も食い止められると山本さんは言います。。
そして、赤毛牛の肉が、日本の誇る肉として世界にデビューすることになりました。
ANA成田発欧米線ファーストクラスで、熊本産「あか牛」のステーキが出されることになったのです。







ドライエイジング、こんな技術があることなど全く知りませんでした。
ところで、私は牛肉が好きなのですが、妻は全く食べません。理由は獣臭がするというのです。牛以外でも羊なども同様です。豚肉と鶏肉はなんとか食べれます。
ということでわが家の牛肉の消費はおのずと少なくなります。
3月末私が定年退職し、主夫見習いとなり、買い物や晩御飯づくりは私がするようになりましたが、妻が食べれない牛肉料理を作るわけにはいきません。
そんな私は、ときどき無性に牛肉が食べたくなる時があります。そういうときだけ、私だけ牛肉を料理して食べています。








日曜美術館『手は無限なり 第60回日本伝統工芸展』

2013-09-26 06:29:46 | 美術・博物館

9月22日放送(9月29日再放送)の日曜美術館 『手は無限なり 第60回日本伝統工芸展』 は、ひさびさの工芸品です。

番組の主旨は、『いま改めてその価値が見直されるようになってきた日本の手仕事。その技術と心を守り伝えることに大きく貢献してきたのが、今年で60回目を迎える「日本伝統工芸展」。そも そも戦後、急激な生活様式の変化により消滅の危機にさらされた全国の伝統工芸の保護・ 育成のため、昭和29年に誕生した。
以来60年。陶芸、漆芸、金工、木竹細工、染織、人形、諸工芸(ガラス、七宝など)の 7部門で、現代の匠たちが、心技体をひとつにして臨む“美”の競演。そして、そ れを可能にするのは、日々たゆまぬ鍛錬を積み重ねる匠たちの“手”なのだ。





デジタル生活から竹工芸の道へとふみだした若き職人。漆に自分の深い心の内を重ねる漆芸家。土を触れられなくなる危機を脱した陶芸家。彼らがその手に込めた思いとは。 番組では全受賞作品を、美しい映像で紹介するとともに、無限の美を生み出す“手い”のチカラ に注目。作家の工房を訪ね、作品に込められたこん身の技や素材への工夫、風土とのつな がりを探り、工芸への尽きせぬ思いを辿りながら、日本伝統工芸のいまを伝える』というものです。

紹介された力作、名品の美に圧倒されます。
この作品は、日本橋三越本店 9月30日までを皮切りに、全国11箇所を巡回、匠たちの技の結晶が一堂に会します。
京都では、京都高島屋で10月9日~10月14日開催されます。
是非、見に行きたいと思います。

番組で紹介された受賞作品です。

日本工芸会 総裁賞 栃造器 中嶋武仁







高松宮記念賞 中野月白瓷深鉢 福島善三




文部科学大臣賞沈金箱「忍冬」西 勝廣







東京都知事賞 白磁鉢 中村清吾






NHK会長賞 流水文四方釜畠 春斎







朝日新聞社賞 乾漆蒟醤箱「昧爽」 藪内江美







日本工芸会 会長賞 綾織絣着物「半夏生」 近藤好江







第60回展記念 賞 江戸小紋着尺「七三左手 綱」藍田正雄






第60回展記念 賞 象嵌花器「芽吹き」 村上浩堂






第60回展記念 賞 花籃「残照」 岐部笙芳







日本工芸会 保持者賞 籃胎蒟醤十二角食籠「蝶蜻 蛉」 大谷早人







日本工芸会 奨励賞 練継鉢 星野友幸










日本工芸会 奨励賞 蒔絵箱「水面」 寺西松太




日本工芸会 奨励賞 切嵌象嵌接合せ箱「朝陽」 山本 晃







日本工芸会 奨励賞木芯桐塑布紙貼「一気」 堀部信子







日本工芸会 奨励賞 陽相硯 名倉鳳山







日本工芸会 新人賞 乾漆蓋物「夕凪」 山田勘太







日本工芸会 新人賞 盛籃「飛翔」 本田青海







日本工芸会 新人賞 陶彫彩色「蒼森」 中村弘峰






全国展示会一覧

会場 日本橋三越本店 9月30日まで

巡回 名古屋栄三越(名古屋) 10月2日~10月7日

京都靍島屋(京都) 10月9日~10月14日

JR大阪三越伊勢丹(大阪) 10月16日~10月21日

石川県立美術館(石川) 10月25日~11月3日

岡山県立美術館(岡山) 11月12日~12月8日

島根県立美術館(島根) 12月11日~12月25日

香川県立ミュージアム(香川・高松) 2014年1月2日~1月19日

仙台三越(宮城・仙台) 1月23日~1月28日

福岡三越(福岡) 2月11日~2月16日

松山三越(愛媛・松山) 2月18日~2月24日

広島県立美術館(広島) 2月26日~3月16日









団塊スタイル 『今から挑戦 音楽生活』

2013-09-25 06:22:02 | 団塊スタイル

9月20日放送のNHK 団塊スタイル『今こそ挑戦 音楽生活』(9月27日再放送)を楽しく拝見させていただきました。



今回のゲストは、団塊世代のフォーク歌手南こうせつさんです。



番組は、誰もが一度は憧れる音楽生活。実は、第二の人生が音楽を楽しむチャンスだと言います。実際に、シニア世代で音楽を楽し みながら充実した日々を送っている人も多いのだと。家族3世代でピンク・レディーバンドを組む人や、作詞作曲を 楽しむ人、伴奏のボランティアをする人など。番組では、今からでも挑戦できる様々な音楽生活を紹介してくれました。
番組を見て、ほんとうに多くの人が音楽に楽しんでおられる姿を見て、羨ましくも思った次第です。



この団塊スタイルスタイルが放送される2日前、民法局で「あなたが聴きたい歌の4時間スペシャル」という番組が放送されました。ラジオを聞くような感じで、懐かしい音楽に楽しませてもらいました。
ペギー葉山さんや80歳になった菅原洋一さんが、元気な姿で往年の曲を歌うのには驚きました。小林旭さん、和製フォーク特集、既に亡くなられたが若い頃のヒット曲なども聞くことができました。
私は自分の若い時を振り返り、確かにこのような歌手たちの歌も聴きましたが、のめり込んだのは洋曲でした。もちろん音源はほとんどラジオでした。深夜の受験勉強をしながら、よく聞いたのは、ビートルズ、サイモンとガーファンクル、トムジョーンズ、キングストントリオ、ブラザーズフォー、PPM、ジョーンバエズなどでした。
日本の歌謡曲一筋という人もいたでしょうが、少なくとも私の周りの多くは外国のヒット曲をよく聴いていたように思います。
何か外国の曲を聞くのがトレンドのような雰囲気がありました。

ところが、さきほどの民放局のように、懐かしい青春の曲といったら放送されるのは日本の歌謡曲オンリーなのです。とても残念です。洋曲にはさまざまな、権利問題や当時の映像不足といった問題もあるのかもしれませんが、全くと言っていいほどテレビでは見たり、聞くことがありません。
番組でキングストントリオをコピーする団塊世代を見て、非常に親近感を覚えます。
私は楽器は全くダメなので、バンドうんぬんは考えたこともありませんが、そういうライブが身近であれば、是非行ってみたいと思います。



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わが家の曼珠沙華見頃です。そして、ムラサキシキブもだいぶ色づいてきました。
まだ日中暑いですが、秋は確実にすすんでいます。









『練り供養 極楽への誘い』 龍谷ミュージアム

2013-09-24 06:19:38 | 美術・博物館

龍谷ミュージアムで現在、特別展『極楽への誘い 練り供養をめぐる美術』(~10月20日まで)が開催され、先日行って来ました。




このミュージアムは、仏教の総合博物館です。
仏教を総合的に俯瞰できる施設があれば、多くの人が「東洋の至宝」に親しむことができると考え、龍谷大学が2011年4 月に龍谷ミュージアムをオープンさせました。
仏教の誕生から現代仏教に至るまで、仏教の辿った歩みをわかりやすく通覧できます。春と秋 にはテーマを決めて規模の大きい特別展を開催しています。




今回の展示会には、極楽往生を願う「練り供養」に関する仏像や仏具などの美術品約150点が展示されています。
なかでも、練り供養で有名な奈良の當麻寺や岡山弘法寺に登場する阿弥陀如来像や菩薩面などが注目されています。

ミュージアムの2階、3階にわかれて、練り供養とそれにまつわる様々な文化財が展示され、練り供養自体がよくわかるような構成になっています。

序章:練り供養とは
第1章:望まれた臨終のかたち、浄土教美術の優品から練り供養のイメージの源を紹介。
第2章:練り供養いまむかし~各地に伝わる練り供養~ …演じられた往生極楽の宗教劇!その長い歴史をたどります。という構成です。

特別協力
當麻寺、誕生寺、弘法寺(遍明院・東寿院)、弘法寺踟供養保存会 です。

そもそも、練り供養とは
阿弥陀信仰では、極楽往生に際して西方浄土から阿弥陀仏 が、観音、勢至以下多くの菩薩を引き連れ来迎するとされます。
「この信仰は、極楽浄土の思想を説いた『往生要集』(源信撰、寛和元年(985年))によっ て、貴族の間で浄土思想・来迎信仰として盛り上がりを見せ、建築・彫刻・絵画に幾多の 華麗な作品を残しただけでなく、次第に庶民にもこの浄土信仰が浸潤するのに従って、 「迎え講」や「来迎会」あるいは「練供養」と呼ばれる仏事が、より具象化された「仮装 の風流(ふりゅう)」とも呼び得る伝統芸能に昇華したとされています。
さらに、練供養の起源となる仏事は、源信が横川華台院で創始した阿弥陀仏迎接会と言わ れ、現在各地で行われているほとんどの練供養は、源信・寛印によって寛弘2年(1005) に始められた奈良當麻寺の練供養に、その起源を求めることができる」そうです。

古来、千年も前から、人がこの世を離れる時、極楽浄土から阿弥陀如来とその一行がお迎えに来て下さるという臨終観が広く庶民の間に行き渡ったのです。









別室のミュージアムシアターでは、岡山弘法寺で毎年行われている練り供養の様子を撮影した映像を見ることができます。
面や装束を身につけ仏菩薩に扮した人たちが、極楽浄土にお迎えに来る様子を演じています。全国各地で練り供養の宗教行事は行われていますが、弘法寺のは、人が木彫りの阿弥陀如来像のなかに入って演じます。

シアターより西本願寺が見える



展示会を見終え、ミュージアム中庭でホッコリ一休み



古くより、先人たちが臨終の際に思い描いた 極楽浄土から阿弥陀如来とその一行がお迎えに来て下さるという信仰を私はまだ持ち得ていません。
そもそもお釈迦様は、死後の世界を語ったのだろうかなど懐疑的です。
しかし、そういう宗教観によって死の苦しみが少しでも和らぐのなら悪いことではないと思います。
















美の壺 『九谷焼』

2013-09-23 06:43:56 | 美術・博物館

美の壺 『九谷焼』file186が9月8日再放映されました。
私は焼き物は全くの無知ですが、見るのは結構好きなほうです。
有名な九谷焼ということで、拝見した次第です。
番組は私のような素人にもわかりやすく、九谷焼の特徴と魅力を伝えてくれました。

美の壺 九谷焼の鑑賞ポイント
九谷焼とは、江戸時代より今の石川県で作られてきた磁器のことです。
一点一点丁寧に書かれた華やかな色絵が特徴です。

【壱のツボ 緑と黄はあこがれの色】

江戸時代前期に作られた磁器「古九谷」。九谷焼の原点です。ゴッ ホの油絵を思わせる、古九谷の力強い色彩。かの魯山人も「恐ろし く芸術的」と絶賛しました。 中でも「青手」と呼ばれる緑と黄を大胆に使った器は古九谷を代表 する様式でした。 しかし古九谷は50年ほどで突然作られなくなりました。

それから120年後、江戸時代後期に加賀の地で「青手」がよみがえ ります。試行錯誤を繰り返し、古九谷の鮮やかな色を再現しまし た。そこには加賀の人々の、緑と黄への深い想いが込められていま した。 一つ目のツボは、 「緑と黄はあこがれの色」
















































【弐のツボ ミクロの技がつくる華やぎ】

江戸末期から明治時代にかけて、細密なデザインが登場します。白 地に赤で絵付けされた「赤絵」です。 九谷焼の絵付け師たちはどれだけ細かく描けるか、腕を競い合いま した。目に飛び込んでくる赤絵の華やかさ。それは幾千もの点と線 が織りなす、職人の技の結晶なのです。 九谷焼鑑賞、二つ目のツボは、 「ミクロの技がつくる華やぎ」




















【参のツボ 色絵が盛り上げる加賀のハレ】

色鮮やかな九谷焼。 それは、長い冬を豊かに彩ろうとした、加賀の人々の、想いの結晶 なのです。




















こういうすばらしいものを見るとゾクゾクしてきます。



日曜美術館 平松礼二 『モネとの対話』

2013-09-22 06:24:01 | 美術・博物館

9月15日放送のNHK 日曜美術館、『命めぐる睡蓮の庭 平松礼二 モネとの対話』(本日夜再放送)は、なかなか見応えのあるものでした。

平松礼二は、東京都中野区生まれの日本画家。 愛知県立旭丘高等学校美術課程 卒業、愛知大学法経学部卒業。多摩美術大学教授、了徳寺大学学長を歴任。 1960年より青龍社展に出品。岩彩、箔、墨、コラージュ等、多彩な技法を駆使 した21世紀を代表する日本画家のひとりである。 (Wikipedia)



印象派の巨匠・モネゆかりのフランス・ジベルニー印象派美術館で、日本画家の展覧会が開催されています。平松礼二、72歳。
琳派を思わせる大胆な構成と、繊細な筆遣いが共存 する独自の画風は「平松山水」と呼ばれ、国内外で高く評価されています。展覧会は、1か月で 3万人もの観客を動員し、大きな注目を集めています。







若い頃の平松の絵





モネの絵に衝撃を受け、その後の平松の題材に大きな影響を与える



平松のライフワークは、モネの描いた世界を日本画の画材や技法を使って描くという試みです。










番組は軽井沢のアトリエの庭で、フランスのモ ネの池で株分けしてもらった睡蓮が咲く8月、花の誕生から終焉までを見つ め、六曲一隻の屏風に描く平松を追います。

この夏、集大成となった大作です。










昨日の鴨川、再興第98回 院展

2013-09-21 06:26:21 | 美術・博物館


そろそろ術後の体力回復をしないといけないと思い、一昨日嵐山に行ってきましたが、やはりちょっと疲れました。
昨日は、疲れが多少残っているなか、京都市美術館で開催された再興第98回院展(10月6日迄)初日に行ってきました。

途中鴨川を通りました。鴨川も16日の豪雨で河川敷まで水が上がりましたが、幸いにこちらは氾濫はありませんでした。水量はいつもより多いですが、いつも見る鴨川に近いと思いました。よかったです。



16日豪雨時の鴨川(一時はどうなるか心配しました)




美術館前で市バスを降りると、抜けるような青空です。
平安神宮の大鳥居の朱が青空に映えます。







今回の展示会は、日本美術院同人,一般入選作を含む新作日本画約120点が展示されています。日本美術院は明治31年(1898年)、東京美術学校を退任した岡倉天心の指導のもとに創設された日本画の研究団体です。天心の没後、大正3年(1914 年)横山大観らによって再興され、今年で98回となります。
毎年9月東京美術館で開催されるのを皮切りに、約1年かけて全国10ヶ所強を巡回します。規定サイズが大きく、規定サイズを大幅に下回る作品が出品されることはほとんどありません。小さな作品は春の院展で取り扱うという慣例だからだそうです。
今回小品は案内書の写真に使われた、「月の兎」(西田俊英)1点だけでした。
この絵は気に入った1品です。



院展は毎回見に来ていますが、今回も力作が多かったと思います。何点か非常に気に入った作品がありました。
毎回思うのですが、様々な賞があるのですが、私は一切無視して見ることにしています。
自分がいいと思う作品が一番です。

やはり、120点を見るのは少々疲れました。









満月、嵐山豪雨災害から3日目の朝

2013-09-20 06:22:42 | 京都めぐり


昨夜は中秋の名月、満月でした。やはり美しいお月様でした。



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16日朝、台風18号の豪雨で特別警報が出された京都。
今まで見たこともない嵐山渡月橋の姿に愕然としました。
その後、連日豪雨被害の状況がテレビを賑わせました。
大好きな嵐山と渡月橋がいまどうなっているのかどうしても気になり、術後体力回復もかねて昨日の朝、嵐山に行ってきました。着いたのは8時半です。

百聞は一見にしかずと申しますので、まずは撮ってきた写真を見てください。

市バス嵐山公園前で降りてまず目にした光景
多くの流木が橋桁に絡まっています。






川は褐色のままで水量もまだまだ多いです。



橋のそばの人気の桜もち屋さん



しばらく休業の張り紙が






有名料理店の前にも泥と土嚢の山が



三ツ星料亭「吉兆」さんの前にも





嵐山「時雨殿」の前も



紅葉で有名な「宝厳院」前も



でも秋の拝観は行っています。



天龍寺は被害がなかったようです。



朝の商店街の状況
まだ片付けが残っているところも、既にいつもどおり、開店準備しているところも









嵐山公園も被害が、そして復旧も旧ピッチで












テレビで宿泊客を舟で避難させた旅館も後片づけ中




いつもの渡月橋の光景とは少し違うが







それでも紅葉はすすんでいきます。
紅葉シーズンにはすっかり復旧していると思いますので、また嵐山にいらしてください。
トロッコ列車も運転を再開しました。

天龍寺のもみじ









今夜は中秋の名月、それぞれの楽しみ方を

2013-09-19 06:18:34 | 定年後生活


昨晩18日のお月様です。ほぼ満月ですね。





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今夜は中秋の名月ですが、京都でも様々な観月会が行われます。
その一つが大覚寺の「観月の夕べ」です。

昔、嵯峨天皇が大沢池で、中秋の名月に舟を浮かべ、貴族の方々と遊ばれたことから始まったとされています。 天皇や貴族の遊びが、今日では一般庶民が有料で舟券を購入し、 龍頭鷁首舟に乗り、観月を楽しみます。
水に映した月を愛でるのを風流としていたのですね。

以下の写真は大覚寺HPより







二つ目は、私もよく行く、京都府立植物園で、本日夜に名月鑑賞の夕べとして、「観月&音楽会」、天体望遠鏡での名月鑑賞会などが行われます。
大覚寺の方は有料ですが、こちらはなんと無料です。
なかなか京都府も太っ腹です。

ほかにも、9月19日には賀茂観月祭 上賀茂神社、名月管絃祭 下鴨神社、祇園社観月祭 八坂神社、名月祭 平野神社、明月祭(芋名月) 北野天満宮、観月会 智積院 などで観月行事が行われます。

名月鑑賞の楽しみは、人それぞれですが、私が一番美しいと思ったのは、 以前のブログでも書きましたが、十五夜の坐禅中、老師が、「今晩は月がきれいだから、月を眺めましょう」とみんなで縁側に座り、名月と庭を眺めた時です。 満月の月明かりに照らされた禅寺の庭と甍の美しさは、格別でした。まるで、この時に見てほしいとお月様が訴えているような錯覚さえ覚えました。
その時の写真はないのですが、満月が照らしている情景を想像してみてください。



私などは、雲間のないこうこうと照る満月を良しとしますが、 雲間の月こそ美しい。見えない部分を、心の豊かさで補う『見立て』こそ風流だという方もあると思います。特にお茶の世界ではこの『見立て』が大切なようです。

また、お月見と言えば、私が小さい頃、もう半世紀も前ですが、野山で取ってきたススキと母親が作ってくれたお団子をお月様にささげて、お月見したことを思いだします。
昔から、お団子やススキはお月様へのささげもので、ススキはお月様を招く依り代、 白い団子は月をかたどったものだとされていたと思います。
しかし京都では、中秋の名月に里芋をささげていたと聞きます。ススキに加えて、萩など秋の七草もお供えするようです。

今夜、皆様も思い思いに中秋の名月を見て、月が刻む時間に、想 いを馳せてみてはいかがでしょうか。
私は、術後療養中のため、家で観月することになると思います。



美の壺 『京都の坪庭』

2013-09-18 06:17:13 | 寺院・庭園


明後日19日は中秋の名月です。待ちきれず、昨夜お月様を撮影しました。
満月まであと少しですね。
中秋とは秋の真ん中、旧暦8月15日のことです。





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NHK-Eテレで8月25日再放送された「鑑賞マニュアル 美の壺」FIie219 『京の坪庭』を大変興味深く拝見しました。
「美の壺」の趣旨は、「暮らしの中に隠れたさまざまな美を紹介する、新感覚の美術番組です。 普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを取り上げていきます」。
結構面白い番組で、気に入っています。
現在の案内役は、草刈政雄さんですが、初代は谷啓さんでした。

古都、京都。 風情あふれる街並に軒を連ねるのは、「京町家」と呼ばれる独特の 家です。
間口が狭く奥に細長い町家は、ウナギの寝床とも言われますが、そこには思いもよらない美の世界 があります。

番組冒頭で取り上げられた町屋は、築102年の京都生活工藝館・無名舎です。



京呉服の問屋街「室町」の一画六角町にあり、建物は白生地問屋を商った京商家の典型ともいうべき表屋造りです。
店舗、住居、土蔵とそれらを結ぶ2つの庭と、通り庭から成っています。
数々の生活工芸品(江戸時代の小袖等)を見ることで、江戸から明治・大正・ 昭和にかけての京商人の生活文化を偲ぶことができます
1909(明治42)年建設。 平成11年に歴史的意匠、建造物、平成18年に景観重要建物に、京都市の指定を受けています。
なお見学は予約制で有料です。

建物に入ってすぐ庭があり、そして建物の奥にも、もう一つの坪庭があります。
古くからある町家では、よくある造りです。



この坪庭こそがさまざまな美を生み出すのです。
坪庭とは、四方を建物などに囲まれ、借景のない庭の事をいいま す。



部屋に座って眺めて楽しみます。
基本的な坪庭にあるのは灯籠、 椿などの常緑樹、 そして手水鉢です。
さらに住む人の好みで、庭石などを置きます。

【灯籠】



【植栽】



【手水鉢】



【石】




この小さな空間に、ひとたび光が差し込むと、えも言われぬ美が生 まれます。



無名舎以外の番組で紹介された坪庭























やはり坪庭はいいですね。
小さな庭空間を見て楽しむ美しい庭です。
作庭家の方が、「坪庭は余計なものを廃して、研ぎすさまれたものだけが配置してある」とおっしゃっていました。

作庭家が作ったさわずか2坪の坪庭





わが家の粗末な中庭で、 広さは2坪余りしかありません。
恥ずかしくて人様 にお見せできる代物ではありませんが、ブログということで恥を忍んでお見せします。
南天と思いきってハナミズキを植えました。春先クリスマスローズが咲きます。
四季おりおり、朝から晩までいろいろな表情があり楽しんでいます。
特に朝日が入る午前中は、一番好きです。
これからの時期、ハナミズキの葉が真っ赤に色づくのが毎年楽しみです。









嵐山の渡月橋、鴨川河川敷が冠水

2013-09-17 06:26:19 | 京都めぐり

昨日は台風18号で京都も記録的な大雨となり、大雨特別警報が出されました。
嵐山渡月橋や鴨川河川敷が冠水するライブの映像を見て、テレビに釘付けです。
渡月橋が冠水している?。
考えてもみなかったことに茫然とするばかりでした。
そのうちに、渡月橋より下流の桂川右岸も氾濫し、26万人以上の地域で避難指示もでました。さらに、京都府下の大山崎町、福知山市、綾部市、宇治市などでも避難指示がでます。

鴨川と桂川は京都市を流れる2大河川です。
以前行政が配布した鴨川と桂川が氾濫した場合の予想浸水被害図が頭をよぎりました。

風は朝6時くらいが一番強かったですが、暴風圏外でしたので、風による被害などはあまりないと思います。わが家の駐車場の自転車も倒れていませんでした。

普段の風光明媚な渡月橋 嵐山



最高時は欄干を水が越えていました。



嵐山の観光店舗も冠水



ヘリコプター上空撮影(嵐山渡月橋付近)



少し水位が下がった渡月橋



同じく少し水位が下がった渡月橋



いつもの鴨川河川敷、遊歩道になっています。



その河川敷が水没しました。



桂川氾濫の速報



渡月橋下流の桂川右岸の氾濫




京都府福知山市の由良川も氾濫し、大きな被害がでました。



















敬老の日

2013-09-16 19:27:52 | 定年後生活

私たち夫婦には4人の孫がいますが、来年小学生になる一番上の孫からハガキが届きました。
送り元は通っている幼稚園です。



何て書いているのか、少し判読に時間がかかりました。
「おじいちゃん おばあちゃん いつもおとまりさせてくれてありがとう」と書いてあります。
やはり、こういうのをもらうのは嬉しいです。