京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

梨木神社の萩

2020-09-30 14:49:04 | 2020 花


 梨木神社は「萩の宮」とも通称される、京都でも随一に有名な萩の名所です。
参道の両脇には、数百株という萩が咲き誇ります。
梨木神社の萩が開花すると、秋の深まりを実感します。
歌が書かれた短冊が萩にたくさん吊るされている光景も見どころです。

本殿前





































彼岸花













 例年、9月20日頃に京都の初秋の風物詩である「萩まつり」が開かれます。
大蔵流狂言、上方舞、都山流尺八など京都の伝統芸能が奉納され、お茶席も設けられます。
しかし今年は残念ながらコロナの影響で中止でした。
温暖化のせいでしょうか、萩の開花が遅れ気味で「萩まつり」の後に見頃を迎えることが多くなりました。






北嵯峨野の彼岸花 満開

2020-09-30 06:48:54 | 京都めぐり


 京都の彼岸花の名所、北嵯峨野です。
ここは手厚く保護され、今も昔ながらの田園風景が広がり、彼岸花が咲き乱れています。
嵯峨野では、黄金色に輝く稲穂と真っ赤な彼岸花という、関西の初秋を代表する美しい景色を見ることができます。
たわわに実った稲穂の田んぼと稲刈り後の田んぼの両方の景色を楽しむことができます。
北嵯峨野の田園地帯は、風致地区、特別修景地域、歴史的風土保存区域、歴史的風土特別保存地区に指定されている名所です。



















































































































この景色いつまでも残してほしいものです。






植物園の彼岸花

2020-09-29 20:10:24 | 2020 花



 京都府立植物園内でも、彼岸花が特に多く見られるのは賀茂川門近くの水車小屋前です。
水車のある小川沿いには貴船菊・秋明菊咲いています。

























白花彼岸花














 彼岸花(曼珠沙華)は私が好きな花の一つです。
大切な稲をモグラから守る花ですが、日本の各地方のみの別名は数百から1000種以上あるそうです。
「死人花」、「幽霊花」、「地獄花」、「葬式花」、「墓花」、「火事花、「蛇花、「剃刀花」、「捨て子花」など不吉な名前が多いです。
 仏教の経典では「天上の花」として曼珠沙華とも呼ばれます。








木屋町通り高瀬川沿いの彼岸花

2020-09-29 06:20:09 | 京都めぐり


 京都を代表する歓楽街、木屋町通りの彼岸花です。
鴨川の東側の祇園は大人の夜の街ですが、木屋町通りは若者が多い夜の街です。
その高瀬川沿いの木屋町通に点々と彼岸花が咲きます。

 高瀬川は角倉了以(すみのくらりょうい)によって1614年に開削された運河です。
大阪から伏見港で小型の高瀬舟へと積み替えられた物資が、京都市内に大量に運搬されるようになりました。
大正9年(1920年)までの約300年間、京都から伏見を結ぶ水運の物流に大きな役割を担ってきました。
高瀬川という名称は水運に用いる「高瀬舟」にちなんだものです。

 森鴎外の小説「高瀬舟」の舞台としても知られます。
流罪となって京都から高瀬舟で運ばれる男と護送役との物語です。
安楽死をテーマとした小説として、今も高く評価されています。


現在の二条通り付近の高瀬川「一之舩入」





京都市の説明板





木屋町四条通りから五条通りまで彼岸花が咲いています。
この区間の高瀬川は船廻し場としての役割があり、農村部からの農村物の揚げ場にもなっていました。



































































芙蓉





百日紅





五条大橋






鴨川






京町屋 右京(2)山﨑家(旧井上家) 加藤邸、慈済院、 落柿舎、旧徳力彦之助邸、陽明文庫

2020-09-28 19:06:24 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、第2回右京区です。
今回も町屋は少ないです。

山﨑家(旧井上家)
景観重要建造物
右京区 嵯峨観空寺明水町













加藤邸
歴史的意匠建造物
右京区花園伊町

















慈済院 国登録有形文化財
表門 江戸/1615~1661 木造、瓦葺、間口2.8m、東方潜戸付1棟
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
玄関廊式台のほぼ正面、天龍寺の総門から本山庫裏に至る参道に面して建つ。一間薬医門、切妻造本瓦葺で、本柱頂部を繋ぐ冠木を男梁と女梁で挟み、男梁上の板蟇股で棟木を受ける。軒は二軒疎垂木である。天龍寺最古級の表門であり塔頭の表構えを伝える。





庫裏  登録有形文化財
江戸/1799 木造平屋建、瓦葺、建築面積101㎡1棟
本堂東側に玄関廊を介して建つ。切妻造妻入の正面は、舟肘木で受ける妻梁上の中央に蟇股と虹梁大瓶束を組み、両脇に海老虹梁を飾る定型的な構成を見せ、絵様なども時代性をよく示す。平面はほぼ正方形で、東半を占める土間は大黒柱を中心に豪壮な梁組を現す。














玄関廊 登録有形文化財
江戸/1751~1830 木造平屋建、瓦葺、建築面積62㎡1棟
本堂と庫裏の間を繋ぐ両下造の建物。東半に玄関の間をおいて入母屋造の式台玄関を構え、西半の一〇畳では虹梁を三筋架けて板蟇股で化粧屋根を支持する特異な構成をもつ。玄関と廊下の機能を兼備する一方で本堂と庫裏を繋ぐ開放的な大廊下形式の名残を伝える。

本堂  登録有形文化財
江戸/1816 木造平屋建、瓦葺、建築面積238㎡1棟
天龍寺の旧三門の北に位置する塔頭の本堂。南面する六間取の方丈形式で、室中を含む前三室は境に竹の節を設け、三室通しの棹縁天井を張る。四面広縁や上間後室の西側に床と付書院を設ける形式などに、禅宗塔頭寺院本堂としての特色を示し、意匠も洗練される。

書院 登録有形文化財
江戸/1751~1830 木造平屋建、瓦葺、建築面積61㎡1棟
本堂北側に建ち、庭に面する北西面に切目縁を廻らせる。内部は八畳二室からなる書院を原型に、南西面に廻らせた広縁を取り込んで広い座敷としており、北東に床を備える。面皮柱など数寄屋意匠を摂取し、天龍寺で近世に遡る唯一の書院遺構として価値がある。


落柿舎 国登録有形文化財
江戸/1751~1830 木造平屋建、茅葺一部瓦葺、建築面積58㎡1棟
京都府京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20
嵯峨小倉山の敷地中央に南面して建ち、寄棟造茅葺である。東端を狭い土間とし、床上部は西端南側を四畳半の主室として西面にトコとトコ脇を備え、他は二畳と三畳を配する。数寄屋を基調とする穏やかな佇まいの茅舎で、嵯峨の風情を醸す重要要素となっている。

















本庵四畳半と三畳




















次庵(句会席)





旧徳力彦之助邸(ギャラリー工房・チェリ)国登録有形文化財
昭和前/1937 木造一部鉄筋コンクリート地上2階地下1階建、スレート葺、建築面積187㎡1棟
京都府京都市右京区太秦組石町
京福電鉄嵐山本線太秦駅の南方,太秦小学校校庭に面して建つ。漆芸家・徳力彦之助が英国客船の調度品を購入し自ら設計した住宅兼アトリエ。櫻井馬淵建築事務所が実施設計にあたり,チューダーゴシックに仕上げる。傾斜地のためRC造地下室に玄関を設ける。


























陽明文庫
事務所 登録有形文化財
昭和前/1938木造平屋建,瓦葺,建築面積159㎡1棟
京都府京都市右京区宇多野上ノ谷町
木造平屋建ての事務所建築。第一文庫,第二文庫と並んで配置されている。簡素な意匠・構成になるが,玄関周りの格子状の意匠,暖炉の煙突などに特徴が見られ,全体として洋風とも和風ともつかない特色あるデザインである。設計は長谷部鋭吉。





第一文庫 登録有形文化財
昭和前/1938 鉄筋コンクリート造平屋建,瓦葺,建築面積73㎡1棟
京都府京都市右京区鳴滝宇多野谷2
近衛家に伝わる古文書・美術品などを収める収蔵庫。当時の近衛家所有地の一角に建てられた。収蔵品の重要性に鑑み,湿度管理などを意識して設計されている。土蔵風であるが,RCによる堅牢な構造である。設計は長谷部鋭吉,大工棟梁は俣野忠蔵。





第二文庫  登録有形文化財
昭和前/1940 鉄筋コンクリート造2階建,瓦葺,建築面積121㎡1棟
京都府京都市右京区鳴滝宇多野谷
近衛家が所有する美術品等を収める収蔵庫。第一文庫と同じく湿度管理,耐震耐火などを意識して建てられたが,厳しい資材事情から床下吹き放ちを断念するなど設計・仕様が異なっている。第一文庫と同じく設計は長谷部鋭吉,大工棟梁は俣野忠蔵。





虎山荘  登録有形文化財
昭和前/1942 木造平屋建,瓦葺,建築面積393㎡1棟
京都府京都市右京区宇多野福王子町
陽明文庫所蔵品の閲覧を目的として建てられた数寄屋造りの別荘建築。主屋部分と客殿部分から構成され,内部に茶室(滴庵)などを持つ。伝統的な構法の中にも設計者である長谷部鋭吉による新たな試みが随所になされ,細部にも見るべきものがある。





京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。









迎称寺(こうしょうじ)の萩

2020-09-28 13:52:18 | 京都めぐり


 迎称寺は真如堂近くの非公開の寺院ですが、「萩の霊場」と称される萩の名所です。
萩と土塀の風情ある景色を楽しめる京都の名所です。





門前の碑には「洛東九番」とあり、洛東三十三所霊場の九番札所のようです。

































枯淡な土塀をバックに咲く萩を見られます。
ところどころ土塀が崩れています。





十月初めまで楽しめそうです。








上賀茂神社の萩と彼岸花

2020-09-28 06:21:58 | 京都めぐり


 昨日朝の上賀茂神社です。
京都で最も古い神社の一つで、ユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」に登録されています。
古代からこの地に住んでいた鴨一族の氏神をおまつりし、平安京造営後は都の守り神として信仰されてきました。





立砂(たてずな)
盛砂(もりずな)とも云い、「たつ」とは神様のご出現に由来した言葉であり、神代の昔ご祭神が最初に降臨された本殿の後2kmにある円錐形の美しい形の神山(こうやま)に因んだもので一種の神籬(ひもろぎ)即ち神様が降りられる憑代(よりしろ:依代)である。
鬼門・裏鬼門にお砂を撒き清めるのは此の立砂の信仰が起源で「清めのお砂」の始まりである。






彼岸花

















社務所前鳥居





鳥居の真下にミニ鳥居









楼門





本殿特別公開中です。





楼門前から南へと流れる「ならの小川」の河岸などで萩が咲いています。













二葉姫稲荷神社





彼岸花


























第4日曜日は恒例の手作り市の日です。






秋の花 タヌキマメ(狸豆)、フジバカマ、釣船草、南蛮ギセル

2020-09-27 21:00:15 | 2020 花


植物園の秋の花

タヌキマメ(狸豆)

京都府カテゴリー 絶滅危惧種

京都府内では生育地が急速に減少し、絶滅のおそれが高い植物です。

東は日本から西はインドまで広く分布し、花は青い小さな花で、土手や池の周りで見かけます。
実を覆っている毛がタヌキの毛に似ていることで名付けられたそうです。
夏の終わりから秋にかけ、茎の先端にいくつものつぼみを付けて1~数輪ずつ開花します。
午前中には開花せず、正午ごろになると開花し始めるのです。



















フジバカマ





ツリフネソウ(釣船草)











ツリガネンンジン(釣鐘人参)






南蛮ギセル





サクラタデ






絶滅危機の水草 サギソウ、トチカガミ、ミズキンバイ、ガガブタ、タコノアシ

2020-09-26 15:43:58 | 2020 花


植物園で『水草展』が9月27日まで開催中です。
屋内の展示がほとんど中止ですが、屋外ということで開催されたようです。

日本の水草は約230種あります。
そのうち90種が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。
古来より稲作文化の日本は長い間、水田や水路などに多くの水草が生き残ってきました。
ところが戦後、水田雑草を駆除する農薬散布が増え、水草に大きな影響を与えました。
さらには洪水の予防や農地へ水を送る目的でコンクリートの護岸工事が行われ、水草の生息域が減り、今日では絶滅の危機に瀕す水草が増えてきています。






サギソウ 準絶滅危惧種











トチカガミ
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)






ミズキンバイ
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)







ガガブタ 準絶滅危惧種










タコノアシ 準絶滅危惧種







マルバオモダカ 絶滅危惧種1B類






オグラコウホネ 絶滅危惧II類(VU)
京都府カテゴリー 絶滅寸前種






ミズアオイ 準絶滅危惧(NT)






マツカサススキ
都府カテゴリー 絶滅危惧種 京都府カテゴリー 絶滅危惧種

湿地や溜池、河川敷の水溜まりなどにはえる大型の多年草です。
本州、四国、九州に分布、1990年代以降、生存が確認されたのは京都府内で6か所だけです。





ナガバミズアオイ








ヒレタゴボウ





コガマ









ミソハギ





ヌマヨラノオ





ヒメハッカ
生育 北海道~本州





ヒシ





スイタグアイ





オオバミズオジヒソウ





サンカクイ





白花サクラタデ





オモダカ





オグラコウホネ





紅オグラコウホネ





オニバス










白花曼珠沙華、萩、イヌハギ、ヨツバハギ、ミズトラノオ、タヌキマメ

2020-09-25 20:15:52 | 2020 花


白花曼珠沙華



































イヌハギ(犬萩)
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 京都府カテゴリー 絶滅寸前種

本州、四国、九州、沖縄県に分布
河原や近海の日当りのよい砂地にはえる多年草で、花期は7~9月です。
自生しているほとんどの都府県でレッドリストに挙げられている絶滅危惧種です。





ヨツバハギ(四葉萩)
京都府カテゴリー 絶滅寸前種 近畿レッドデータ 絶滅危惧種A

北海道、本州、四国、九州に分布、低山地や山麓の草地にはえ直立する多年草で花期は7~10月です。
京都府では1983年以降採集記録がなく、すでに絶滅した可能性があります。









ヨツバハギ





ミズトラノオ(水虎の尾) シソ科ミズトラノオ属の多年生植物
湿地や休耕田などに生育する湿生植物です。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)に指定。

京都はほとんど見かけなくなっているとして絶滅寸前種です。










タヌキマメ
京都府カテゴリー 絶滅危惧種 近畿レッドデータ 絶滅危惧C

京都府内では生育地が急速に減少しており、現状では絶滅のおそれが高い。