みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

エースを狙え

2005年06月21日 | 
「声に出して読みたい日本語」の著者、斎藤孝氏の「コメント力」を読んだ。
会議、雑談、映画、美味しいものを食べたとき、などなど、いろんな場面で求めれらるコメント。この一言、二言の感想を、味のある面白いものにするポイント、法則のようなものについて、まとめられてました。(読むには楽しいけれど、すぐ実践できるかというと、甚だ疑問・・・)
カリフォルニア州知事選挙で、生卵を投げつけられた時のアーノルド・シュワルツネッガーの、必殺のコメント「奴にはベーコンの貸しだ!」などなど、思わず唸ってしまうようなコメント満載。

それらコメントの例の中で、子供の頃読んだ、マンガ「エースを狙え」(主人公、岡ひろみのテニスの話)の懐かしい台詞が紹介されていて、とても懐かしい。妹が持ってたのを、こっそり読んでたんですね。20年近くたってまだ、覚えているのだから、当時、相当インパクトがあった台詞だったに違いない。この岡ひろみのコーチ、宗方は名コメント・メーカーなんですね。
例えば、主人公、岡ひろみが思いを寄せる同じくテニス選手藤堂に対して、ビシッと一言だけ

 「男なら女の成長をさまたげるような愛し方はするな!それだけだ」

ベスト4をかけた戦いで窮地にある岡の「コーチ。つぎどうしましょう」に対して

 「それはおまえの体におしえこんである。あとは精神力だ。ここまでだと思ったときもう一歩ねばれ!それで勝てないような訓練はしてない」

む・む・む、格好良すぎ。極めつけは、恋愛に心揺らぐ岡へ、再びテニスに情熱を傾けさせるために

「意識していようといまいと、おまえはその手で無数の選手を打ちたおし、全員を踏み台にしてここまでのぼってきた。その選手たちの一人一人の踏まれる痛みを思ったことがあるか。」

著者の談ではないが、ほんとうに「宗教の域に達した言葉」だなぁ。この言葉、なんだか普遍性がある。生態系の頂点(いわば勝者)にある人間が、なぜ生をまっとうしないといけないのか?生きる意味は?の一つの答えのような気もする。生きてゆくために何かを食べるということは、人間が踏み台にして、失われた多くの命、天寿をまっとうできなかった命の無念、痛みがあるということだから・・・。(いきなり、ちょっと深刻な話をしてしまいました。すみません。)

「自分の未来に限界をおいてはいけない。しかし現在の限界を無視してもならない。」

ピアノ好きの自分としては、これなんかも、なかなか含蓄深い名言じゃないかな?憧れの曲、今は無理でも、いつかはきっと弾ける!と希望だけは失わないように!だよね。
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