タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

タマル産の普通のお産

2019-04-08 21:03:54 | 産科
写真は、神戸市北区の幸李(ゆきり)くん、3月2日生まれ。
「兄弟仲良く、いつも笑顔で健康に育ってください。
上の2人も、何回も泊めてもらって、とても助かりました。」

3人目なのです。写真のお姉ちゃんはいつも健診に付いてきていましたよ。
赤ちゃんが生まれてからも、お泊まりしていたのですね。
そうです、タマル産では産後もダブルベッドなので、上の子やご主人も一緒に泊まれるのです。
お婆ちゃんに預けられないなどの事情が有れば、とても助かりますよね。
初めてのお産では、よくご主人も泊まって、赤ちゃんのお世話を学ばれますよ。

昨日、今日と赤ちゃんが4人も生まれました。
みんな安産で良かったです。
昼休みに、ちょっと篠山大書院まで花見に行ってきたのですが、バッタリうちの職員さんにも会いましたよ。
今日は始業式のお母さんも多かったようで、花見にはちょうど良かったですね。

そう、今は春なので、ちょっとタマル産のお産をご紹介しておきましょう。
タマル産では、LDRという部屋で赤ちゃんを産みます。
LDRというのは、Labour(陣痛室)、Delivery(分娩室)、Recovery(回復室)が一緒になった部屋のことです。
一般的にはそれぞれ分かれていると思うのですよ。
ですがこれらを1つにまとめると、家族でずっと一緒に居られるのです。
その中でも、ご主人と過ごすお母さんが多いですね。

初めてのお産は、15時間ほどかかるのですよ。
だからたいていは1泊2日がかりです。
この間、ご主人にも一緒に泊まってもらうと、それだけで心強いのです。
安心できるとお産もずっと楽に進みますからね。

タマル産では帝王切開率がすごく低いというのが売りの1つなのですが、
もう1つ、会陰切開率もすごく低いのですよ。
先日は胎児がしんどそうだったので、2人のお母さんに会陰切開をしましたが、
それはむしろ例外的で、おそらく数%のお母さんにしかしないのです。
吸引分娩の時にもあまりしませんからね。
自然に起こった裂傷の方が治りも早いし、繊維の方向に切れるので痛みも少ないのです。

そもそもたいていは分娩台でのお産ではなく、ウォーターベッドでのお産なので、
両足を広げないから、会陰裂傷も起こりにくいのです。
両足を分娩台で広げると、会陰がつっぱって、裂傷が起こりやすいです。
だから他院のように会陰切開が必要になるのです。

もう1つ、病院ではドクターが来られたら、さっさと会陰切開して産ませるでしょう?
だって病棟の仕事が忙しくて、お産に構っていられませんからね。
それも会陰切開が多い理由かもしれませんよ。
タマル産では助産師ではなく、医師が助産もするので、時間をかけて会陰が伸びるのを待つのです。
ただし胎児がしんどそうな時は、たとえ会陰が裂けてでも、早く産ませてあげることは有ります。

産後はしばらくクイーンサイズのウォーターベッドで、夫婦で休んでいただけます。
そしてその後は個室に移動するのですが、こちらは普通の固めのダブルベッドです。
希望されれば、退院までずっと一緒に居ることだってできてしまうのですね。
まあ、これがタマル産の良いところだと自負していますよ。

今日の夜の回診でも、デザートの写真を撮っておきましたが、
産後に、今まで我慢していた甘いドルチェも少しくらい良いではないですか。


春ですから、もう1つ新しいコーナーを始めてみましょう。
私の尊敬してやまない、レバレンド・ムーンの御言葉を載せてみましょう。

愛は、もてばもつほどうれしく、一度もてばうれしくて手放したくありません。
人間の努力では生命の根源を支配することはできません。
私の生命の動機や過程、生命の終末までも動かすことができるのは、
真(まこと)の愛しかありません。
人間は愛で生まれたので、愛の道を行き、
死ぬ時も愛のために死ななければなりません。