タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

出産具

2019-04-05 21:01:20 | 産科
これは何だと思われますか?
とても古い木枠の箱で、100年ほど前のものだそうです。
今ではおもちゃ箱のようにして使われていて、中に小さな雛人形が入れてありました。
うちの初孫の初節句に、向うの曽おばあさんから頂いたのです。
ですが本来はその中には、曽おばあさんが生まれる時、
すなわち曽々おばあさんの出産時に用意されたお産セットが入っていたのですよ。



さて、どんなものが入っていたのでしょう?
丁字帯や腹帯などのお母さん用品、
それに赤ちゃんのへその緒の処置用品などの赤ちゃん用品で、今とそう変わりません。
ガーゼ200枚はお産で使うのでしょうか、それとも生まれた赤ちゃんのお臍やお風呂で使うのかな。
松印とあるので、竹や梅セットなんていうのも有ったのかもしれませんね。
今と違うのは、ディスポ製品でなく布製品だったことくらいでしょう。

タマル産では、よく似たセットをお産の時に用意していますよ。
だから入院時の持ち物と言えば、お母さんの身の回りの品や、退院時の赤ちゃんの服、
消毒綿などの消耗品くらいでしょうね。
詳しくは中期の母親ソフロロジー教室で助産師さんから指導を受けてくださいね。

タマル産ではたいていのお母さんにはLDRで出産していただくので、
産んだ方ならご存知でしょうが、自宅分娩のようなスタイルになっています。
病院のように物々しい物品はないのですよ。
お産で用意するものは、この「出産具」のようなものと、救急カート1台です。
あとは点滴台と胎児の心音を連続で聞く器械くらいなものです。

もっと言えば、膿盆(のうぼん)という鉢のようなものに入れたコッヘル3本とハサミ、
臍帯を止めるクリップ、それにガーゼが5枚と、口で羊水を吸うための吸引チューブだけです。
あとは必要に応じて救急カートから出す仕組みにしました。
こんなスタイルは世界広しと言えど、タマル産くらいなのです。

うちの3人目、4人目は自宅出産したので、
その時に学習した方法で、みなさんにも応用しているわけです。
だからまったくのオリジナルというわけですね。
それでみなさんにも、ちょっと自宅分娩を味わっていただいているわけです。
それとも病院病院した環境で産みたいですか?
ミッシェル・オダン先生が言われた、「野生の部屋」をイメージしているのですよ。


そうそう、この出産具の箱には、いろいろと格言も書かれていましたよ。

母の愛、子供と共に大きくなれ。