タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

エイズと梅毒が大流行中です

2017-10-04 21:31:26 | 婦人科
篠山市宇土の永斗(えいと)くん、9月2日生まれ。
「元気いっぱい、お兄ちゃん、お姉ちゃんと仲良く遊びまわるような子になってね。
産声を聞いた瞬間は、感動の気持ちでいっぱいでした。
みなさんとても優しく、何でも親身になって聞いてくださって、心強かったです。」

そうなのですよ、3人ともタマル産で生まれましたからね。
エイトくんは、やっぱり数字の「8」から来ているようですね。
私たちの年代では、エイトマンという漫画の主人公を思い出してしまいますよ。
カラーではなく、白黒の時代でしたけれどね。
鉄腕アトムと同時代だったかな。

さて、今日も赤ちゃんが2人、生まれましたよ。
赤ちゃんを産んでもらうのは、本人さんや家族も疲れますが、
介助する方も、けっこう疲れるのですよ。精神的にも肉体的にも重労働なのです。

それはさておき、10月は、定点での性感染症の報告月なのです。
今月は早くも、単純ヘルペスや、尖圭コンジローマの患者さんも見つけましたよ。
この1ヶ月の表を完成させて、送らないといけないのですよね。
10月は他にもいろんな報告が有るのに、とっても事務職が多いのですよ。
個人のクリニックならでは、私がしないといけないのです。

最近問題になっている性感染症は何だかご存知ですか?
まず、北九州での、エイズの増加ですよ。
中国経由で、病気が入って来るのですね。
観光客かな、金の密輸なんかが増えるということは、病気も媒介されるという意味ですね。

もう1つの話題は、今まで抑えられていたはずの梅毒の急増です。
厚生省の感染症発生動向調査のデータを拾ってみましょう。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html
感染者数を、今、グラフにしてみました。

こういうのはお手の物なのです。

2013年から、突然、梅毒がまん延してきたのがわかるでしょう?
梅毒は全数、報告しないといけないので、けっこう正確な値かもしれません。
この分だと、2017年の報告が待ち遠しい?のではないですか。
いったいどんな結果になることでしょう。

エイズと梅毒って、けっこう一緒に持っているものです。
エイズの患者さんの約半数が梅毒を持っています。
クラミジアを持っているのも約半数です。

このブログでも、何度か梅毒のお話はしていますよね。
梅毒の検査は、ちょっと難しくて、主に2つの方法で同時に検査します。
RPR法というものと、TPHA法の2つの検査で、どちらも陽性なら梅毒と診断します。

先日、来院された妊婦さんは、RPR法でのみ陽性で、TPHA法では陰性でした。
そういう場合は、いくつか考えられて、梅毒の初期段階が1つ。
RPR 法が陽性になってから遅れて、TPHA法で陽性になるからです。

他に考えられるのは、生物学的偽陽性です。
本当は梅毒ではないのですが、検査の都合で陽性になってしまうのですね。
ですからそもそも2つの方法で検査するのですからね。

逆にRPR法で陰性で、TPHA法で陽性であったなら、治療後にRPRが陰性化した、と見ます。
RPR法だけが治療によって下がるからですよ。

ということで、性感染症を疑われたら、これからは梅毒やエイズも検査しておかないと、
不安ですよね。