タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

カンジダ外陰膣炎にはなぜなるの?

2016-08-22 21:12:05 | 産科

写真の2人の赤ちゃん、ともにタマル産で生まれた2人目の赤ちゃんです。
お兄ちゃんのとまどった表情も、おもしろいでしょう?

さて今日は、お盆休みも終わって疲れが溜まっておられませんか?
この時期に多い婦人科の病気と言えば、カンジダ外陰膣炎です。
カンジダ外陰膣炎の治療は、昨年の4月に保険適応となった内服薬により、大きく変更されています。
今日はその話題ですよ。

最近は医師が薬を選択する場合でも、ガイドラインとやらに従ってしないと、
苦情が出る時代ですからね。
そしてカンジダ膣外陰炎に対するガイドラインの次回改訂版では、
この内服薬のことが入れられているのですよ。

まず、梅雨の時期にはカンジダを発症する女性が多いのですよ。
カンジダとはカビの一種ですから、頷けますね。
性行為で感染する場合も確かに有るのですが、
むしろ抗生物質の副作用として始まることが多いのです。
内科ではよく、効きもしないのに風邪で抗生物質を処方されますからね。
風邪に抗生物質が効かないことくらいご存知ですよね?

他にも妊娠中には自然によく発症します。
糖尿病の人や、風邪そのものの疲労によっても発症します。
カビであるカンジダは、どこかから飛んでくるのではなく、
初めからお尻の腸の中や、皮膚自体に常在菌として持っているのですよ。

そして妊娠していない女性が、
普段、膣の中にもカンジダを持っている割合は15%ほどです。
ですが一生涯を通してみると、75%の女性で、少なくとも1回はカンジダ外陰膣炎に感染するのですよ。
だから自覚症状が有った時だけ、病気として扱います。
ただカンジダが居ても、それは病気とは呼ばないのです。

見ただけで白いモロモロした帯下が有れば、すぐにカンジダと分かりますが、
外陰に赤みが有るだけであったりすることも有るので、
帯下を顕微鏡で観察したり、培養検査に回すことも有ります。
その場合は結果が出るのに1週間近くかかりますけれど。

治療は、膣の中に膣錠を入れるのです。
毎日6日間挿入するか、6倍量の薬を1回だけ入れるかします。
6日に分けて挿入した方が効果が高いと言われます。
それにたまに脱落することが有るので、1回だけの薬が流れてしまうとショックですよね?
膣錠と一緒に塗り薬も使います。
通常は1日に2、3回塗るのですよ。

これが1クールとして、2クール使用することもよく有ります。
長めに使った方が完治率が高いように感じています。
この膣錠ですが、先ほどお話したように、妊娠していない女性では、
最近は内服薬を使用することが多くなりました。
1回に3錠、それも1回だけ、内服するのです。
ただし塗り薬は併用しますよ。
注意は妊娠中は使えない、ということだけです。

この薬は薬局では売っていないので、
症状が有れば、婦人科を受診してくださいよ。
その方が確実に治療できますからね。