タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

味のあるお産が目標です

2013-12-25 22:10:34 | つれづれ

白衣を着ていないと、誰だか分からないこともありますよね。
実際、白衣を着ると、気が引き締まるのです。
ただし、白衣は子どもさんを泣かしてしまうことにもなりますが。

今日も時間外の緊急手術で、更新が遅れてしまいました。
年末ですから、気軽なお話にいたしましょう。
ニュースから感じたことです。

来年度の予算が大詰めのようで、診療報酬を下げるところが0.1%増だ、とメディアではさぞ悪いことのように宣伝しています。
本当にメディアとは誰の見方なのでしょうか。
あたかも診療報酬とは、医師の給与だとでも言わんばかりですが、実際は違います。
病院や診療所の売り上げみたいなもので、おおよそ10分の3は固定資産、すなわち医療機器や建物の建設や修復に使われます。
およそ10分の3は人件費ですね。看護師さんを含めた職員の給料です。診療所では医師の所得は含まれません。病院なら給与も入ります。
さらに10分の3は、検査センターで検査してもらう費用や薬代や医療消耗品代に充てられます。
そして最後の10分の1が最終利益になるのです。ここから
その他もろもろの原資になるもので、ここから将来への投資、すなわち病院の増築や新しい体制を創ることに費やしたりできるのです。
一部、診療所ならここから医師の生活費が出るわけです。

ここでおさらいしますと、診療報酬とは、社会保障費そのものなのです。
これが上昇するということは、患者さんにとってはサービスが向上するということで、喜ばないといけないことなのです。
医療機関の食事代だって、ここから払われるのです。これでは病室の広さだって削られてしまいますよ。
ところがメディアは診療報酬を下げて、医療の質が落ちることを喜ぶのですよね。おかしな話でしょう?
だいたい消費税が導入された時には、全額社会保障費に充てるから、という理由で導入されたのですよ。
皆さんはそんなことご存知ないでしょうが。結局、約束はほごにされて、社会保障費には回されなかったのです。

まず県立柏原病院にしても、ささやま医療センターにしても、黒字だなんていう話は聞いたことがないですね。
毎年物凄い赤字を出しています。それなのに潰れないのはどうしてですか?
市や県が赤字を補填しているからですね。これが実態なのです。これ以上診療報酬を削ると皆さんの所得税のみでなく、
市民税までが二重に使われていくのですよ。

もう1つ問題点が有って、2年に1回の診療報酬の改訂で、来年はとくに有床診療所を助けてください、と医師会は要望しているのです。
それは病院以上に、有床診療所の危機度が高く、毎年どんどん閉院するか、無床診療所に変わっていっているのですね。
もちろん経営できないからです。
有床診療所とは、整形外科や産婦人科、入院のできる内科などのことです。
日本ではお産の半分が病院で、お産の残り半分がタマル産のような有床診療所でされています。
ところが有床診療所が相次いで閉鎖されているので、お産するところが無くなっているのですよ。病院はそれほど減っていません。
この丹波地域では実感できないでしょうが。実際は篠山の丸尾先生や丹波市の田中先生、越川先生、高見先生、三田の酒井先生など、
お産をやめられたでしょう?
お産を扱う有床診療所はとうとうタマル産だけになってしまったのです。

丸尾先生がお産をやめられた時に丹波市から移ってきて、篠山のお産を助けました。兵庫医大だけでは片手落ちだったからです。
兵庫医大さんが内部のゴタゴタでお産を制限された時、タマル産では職員を増やして対応してきました。
この時篠山の市長さんに感謝されたのです。
そして今回、ささやま医療センターに若い先生が2人来られて、やはり喜ばれています。ずっと続けばいいのでしょうが。
こうなると先日、タマル産はお産をやめてもらってもいいですよ、というお言葉です。
市民病院だけでいいという判断のようですね。
それで今日、ささやまの市報を見てみたら、ささやまのお産はずっと○○先生のおかげでやってこれました、と書いてあるのですよ。

まあ、1年の最後に愚痴をこぼしていても仕方有りませんね。
こうして日本のお産は助産婦さんの時代から診療所でのお産へ、そして病院での味気ないお産へと変わっていくのでしょうか。
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