タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

42歳は男性は厄年、女性は?

2013-12-10 21:44:38 | 不妊症
お母さんが見えないのが残念ですね。
私はお子さんを見たら、すぐにお母さんの顔が浮かびますが。

さて、今週もタマル産の不妊外来では2人の方が妊娠されました。
確か2人とも、ご主人と一緒に来院されていたので、とても喜ばれていましたよ。
今年もけっこういい成績になりそうです。
ですがこれからは初診時の女性の年齢によって、成績を分けていかないといけないでしょう。
というのも、やはり年々受診される方の年齢が上昇してきているように感じるからです。

今年、不妊治療の公費助成に対する検討会が開かれて、限られた予算でより効果を出すために、
助成対象者の年齢を42歳までに制限することになったのです。
今はまだ年齢は無制限ですが。おそらく50歳を越えている女性も治療されているでしょう。

さらに回数は今は10回までですが、以後は6回までになるようです。
それは初めの数回が妊娠率が高いからです。
逆に言うと数回チェレンジしても今の医学ではまだダメな人はダメということです。
ひょっとしたらあと10年すれば、そんなカップルでも妊娠できるかもしれません。
ですが、今度は年齢が10歳も上がれば、もう妊娠できないかもしれないのです。
時間とは非情なものですね。

助成の費用は1回につき15万円です。ただし所得制限が有ります。

ところでなぜ42歳までしか助成が無いかです。
それは体外受精で妊娠する確率は、1回の治療で39歳だと10回に1回なのに、
43歳では50回に1回しか妊娠できないからです。
45歳以上では100回に1回も妊娠しないのですから、あまり期待し過ぎてもいけないからです。
ですが、35歳までだと非常に高い確率で妊娠できます。
もちろん20代でなら、かなり成績はいいのですよ。

妊娠率だけでなく、流産率で見ても、
流産する確率は30歳代で1~2割ですが、40歳代だと5割を超えます。

さらに、お産で生命を落とす確率が42歳を越えると、
40歳の女性の2~5倍に増えるのです。
だからやはり42歳が限界というところなのです。

不妊治療でないお母さんで、しかも何人も産んでおられる方は、
40歳でも、すっと妊娠して、すっとお産される方も確かに居られます。
ですから42歳と単に言っても、初産婦さんと経産婦さんで分けて検討してもいいかもしれません。

ところで世界一、体外受精で妊娠している国はどこでしょう?
もちろん日本ですよ。
40人の赤ちゃんのうち、1人は体外受精で生まれているのですから。
そんな国は日本だけなのです。
それだけ必要だと言うことなのですね。
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