タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

のどと性器の関連性

2013-12-03 21:09:04 | 不妊症
上の子は他院で産まれたのですね。お兄ちゃんがいつも健診に付いてきていましたね。
真ん中にお姉ちゃんも居るのですね。
初めてタマル産で産んだ感想はどうだったでしょう。
お兄ちゃんが優しく、赤ちゃんにタッチしていました。
お父さんは純粋で、お母さんに、ありがとう、ありがとうと言って泣かれていましたよ。

今日のお話は婦人科の話題でもあり、不妊症の話題でもある病気について。

日本において、発生の動向が調査されている性感染症は6個有って、
梅毒、エイズ、性器クラミジア、淋菌、性器ヘルペス、尖圭コンジローマです。
これは何度もお話しているので、なんとなく覚えておられるでしょうか。

これらの性感染症(STD)は女性なら婦人科を受診される方が殆どでしょう。
男性なら泌尿器科でしょうが。
ところが婦人科や泌尿器科では見落とされる可能性が有るというお話です。

それは検査センターに持ち込まれる検体のうちの、クラミジアが陽性であったもののうち、
55、2%は子宮だけでなく、のど(咽頭)にも陽性であったというのです。
残りのうちの22、7%は子宮だけにクラミジアが感染していました。
そしてさらに残りの17、2%は子宮には陰性だったのに、のどに陽性だったというのです。
性感染症というくらいですから、普段は性行為でしかうつらないと説明しているのですが、
こうなると性行為でなくても、うつってしまっているということでしょうか。
それはオーラルセックスであったり、ディープキスであったりするわけです。

咽頭のクラミジア感染症の場合、症状は咽頭炎や発熱、耳閉感です。
簡単に言うと、風邪のような症状ですね。
だから内科で風邪として治療されていることが殆どでしょう。
ところが内科の先生がクラミジアを念頭においておられることは少ないのではないでしょうか。
さらに内科に行くと、最近はセフェム系といわれる抗生物質ばかりではなく、
このクラミジアにとくに利きやすいマクロライド系の、
商品名で言うとジスロマックを処方されることも多くなりました。
だから知らないうちに治っているということも有るのです。

ただしパートナーは相変わらず保ち続けているでしょうから、
またディープキスでうつるかもしれませんね。
これを2人で、或は他の人とうつしあえば、いつまでたっても繰り返し感染します。
そのうち薬に耐性ができてしまって、利かなくなるかもしれませんね。
常に細菌と人間は競争し合っていますから、
ペニシリンが利かない、第一世代のセフェムが利かない、次は第2世代も利かない、
そして第3世代も、きっともうすぐマクロライドも利かなくなる。
抗菌剤は妊婦さんには使用できないし。
カルバペネム系などの最後の切り札もいつまで利くかどうか。
と永遠に、いたちごっこをしているのですよ。

もう1つ、淋菌のお話もしておきましょう。
淋菌はもっとひどいです。
100人の感染者のうち
子宮のみに感染している人は、わずか13、0%です。
子宮と咽頭に感染している人は8、7%です。
ほとんどの78、3&の人は咽頭にのみ陽性だったというのです。
なんだ、淋菌感染症って、性感染症というよりは、
オーラル感染症だったんですね。そんな言い方は有りませんよ。今、造ったのですから。
確かに男性の性感染症で一番多いはずの淋菌ですが、
女性で検査してもあまり検出されないのです。
そうか、どうも性器では持続感染しないようですね。のどの方が居つきやすいみたいです。

今、お話したことは、あまりまだ世間では知られていないですからね。
これで皆さんの方が、医療者よりも知識が豊富になってしまいましたね。
今日は火曜日ですから、無理矢理、不妊症のカテゴリーに入れておきました。
だって、不妊症とクラミジアの関係は深いですから。
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