竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

墨子 巻十四 備水(原文・読み下し・現代語訳)

2022年11月13日 | 新解釈 墨子 現代語訳文付
墨子 巻十四 備水(原文・読み下し・現代語訳)
「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《備水》:原文
城内塹外周道、廣八步、備水謹度四旁高下。城地中偏下、令耳其内、及下地、地深穿之令漏泉。置則瓦井中、視外水深丈以上、鑿城内水耳。
並船以為十臨、臨三十人、人擅弩計四有方、必善以船為轒轀。二十船為一隊、選材士有力者三十人共船、其二十人人擅有方、剣甲鞮瞀、十人人擅苗。先養材士為異舍、食其父母妻子以為質、視水可決、以臨轒轀、決外隄、城上為射機疾佐之。

字典を使用するときに注意すべき文字
耳、猶佴也 たすける、ようをなす、の意あり。
方、又放也。 はなつ、ゆみをいる、の意あり。
擅、据也。 もっぱら、すえる、おく、の意あり。
有、果也、質也。 はたす、ただす、の意あり。
苗、衆也、爲苗除害也。 おおい、がいをのぞく、の意あり。

《備水》:読み下し
城内(じょうない)塹外(ざんがい)の周道(しゅうどう)、廣さ八步、水に備ふるに謹しみて四旁(しぼう)の高下を度(はか)る。城地の中(なか)が偏下(へんか)なれば、其の内に耳(みた)させ令(し)め、及(およ)び下地(かち)は、地の深く之を穿(うが)ち泉を漏れ令(し)む。則瓦(そくか)を井中(いちゅう)に置き、外水を視(み)て深きこと丈以上ならば、城内を鑿(ほ)りて水を耳(みた)す。
船を並べ以って十臨と為し、臨に三十人、人は弩(ど)を擅(す)へ四(よも)を計(はか)り方(う)た有(し)め、必ず善く船を以って轒轀(ふんおん)と為す。二十船を一隊と為し、材士(ざいし)有力(ゆうりょく)の者三十人を選び船と共にし、其の二十人の人を擅(お)き方(う)た有(し)め、剣甲(けんこう)鞮瞀(ていぼう)、十人の人を擅(おく)は苗(びょう)す。先(ま)ず材士を養い、異舍(いしゃ)を為(つく)り、其の父母妻子を食(く)はし以って質(しち)と為す。
水の決(けつ)す可(べ)きを視み、轒轀(ふんおん)の臨むを以って、外隄(がいてい)を決し、城上に射機を為(つく)り疾(と)く之を佐(たす)く。

《備水》:現代語訳
注意:軍事用語については、「墨子 巻十六 墨子軍事用語集」を参照してください。

城内の塹壕の外側の城を巡る周道は、幅は八步とする。敵の水攻めに備えるために十分に注意して城を巡る周道の四方の高さを測る。城の地形が城の中が下り勾配であれば、その城の内に排水の用を施し、そして低い土地には、その土地を深く掘り泉を湧きあがらせる。そして、水位計を井戸の中に置き、城外の水位を見て城内の井戸の水位が深いことが一丈以上であれば、城内を掘って泉を水で満たす。
(十隻の)船を並べて十隻の「臨」と規定し、一つの「臨」の定員を三十人とし、乗員は弩を扱い四方を窺って弩を撃たせ、必ず善く船を操って「轒轀」の戦術に適うようにさせる。二十船を一隊と規定し、舟を操る技能者で武勇の有る者三十人を選び、船と共にし、その中の二十人の人を弩の任に置き弩を撃たせ、剣甲と鞮瞀による鎧兜で武装する、残りの十人の人をその任に置き、舟への攻撃を排除する。最初に、舟に乗る技能者を養成し、技能者の兵舎とは異なる兵舎を造り、そこでその技能者の父母や妻子を食わせて、船での脱走を防ぐ人質とする。
敵の水攻めの攻撃の状況を監視し、「轒轀」の戦術を執る「臨」の船団の配備状況により、城の外の堤を決壊させ、城壁の上に射機を設置して素早く射かけてこの船団を助ける。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 万葉集 集歌3826から集歌383... | トップ | 万葉集 集歌3831から集歌383... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

新解釈 墨子 現代語訳文付」カテゴリの最新記事