竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻5 歌番号268から272まで

2024年09月18日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻5

歌番号 268 拾遺抄記載

詞書 うふやの七夜にまかりて

詠人 よしのふ

原文 幾美可部武 也遠与呂川世遠 加曽不礼者 加川/\个不曽 奈奴可奈利个留

和歌 きみかへむ やほよろつよを かそふれは かつかつけふそ なぬかなりける

読下 君かへむやほよろつ代をかそふれはかつかつけふそなぬかなりける

解釈 貴方がこれから経るでしょう、その八百万代を数えるならば、ようやくに今日は七日夜になったばかりです。

 

歌番号 269

詞書 右大将藤原実資、うふやの七夜に

詠人 平かねもり

原文 己止之於比乃 万川者奈奴可尓 奈利尓个利 乃己利乃保止遠 於毛飛己曽也礼

和歌 ことしおひの まつはなぬかに なりにけり のこりのほとを おもひこそやれ

読下 ことしおひの松はなぬかになりにけりのこりの程を思ひこそやれ

解釈 今年に芽生えた松は七日になりました、万年の歳を生きる松のこれらかの残りのほどを思い馳せましょう。

 

歌番号 270

詞書 ある人のうふやにまかりて

詠人 よしのふ

原文 千止世止毛 加寸者佐多女寸 与乃奈可尓 可幾利奈幾三止 比止毛以不部久

和歌 ちとせとも かすはさためす よのなかに かきりなきみと ひともいふへく

読下 千とせともかすはさためす世の中に限なき身と人もいふへく

解釈 千歳とも寿命の歳の数は定めず、世の中に限りなく大切な身の上の御方と、人は言うはずです。

 

歌番号 271 拾遺抄記載

詞書 藤原誠借の元服し侍りける夜、よみける

詠人 源したかふ

原文 於以奴礼者 於奈之己止己曽 世良礼个礼 幾美者知与万世 /\

和歌 おいぬれは おなしことこそ せられけれ きみはちよませ きみはちよませ

読下 老いぬれはおなし事こそせられけれきみはちよませきみはちよませ

解釈 年を負ってしまうと、長老として同じ行事ことばかりをさせられますが、しかしながら、貴方は特別に千代に千代に立派にいらして下さい。

 

歌番号 272 拾遺抄記載

詞書 みよしのすけたた、かうふりし侍りける時

詠人 よしのふ

原文 遊比曽武留 者川毛止由比乃 己武良佐幾 己呂毛乃以呂尓 宇川礼止曽遠毛飛

和歌 ゆひそむる はつもとゆひの こむらさき ころものいろに うつれとそおもふ

読下 ゆひそむるはつもとゆひのこむらさき衣の色にうつれとそ思ふ

解釈 元服で髪を結い始めた、その初元結を束ねる濃紫色の布、それが官服の衣の色(三位以上の官服色)に遷れと願います。

 

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