竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌3945から集歌3949まで

2022年12月15日 | 新訓 万葉集
集歌3945 安吉能欲波 阿加登吉左牟之 思路多倍乃 妹之衣袖 伎牟餘之母我毛
訓読 秋の夜は暁(あかとき)寒し白栲の妹が衣手着む縁(よし)もがも
私訳 秋の夜は暁時が寒い、共寝で着る白栲の貴女の衣の袖をこの身に掛ける、その機会がありません。

集歌3946 保登等藝須 奈伎氏須疑尓之 乎加備可良 秋風吹奴 余之母安良奈久尓
訓読 霍公鳥(ほととぎす)鳴きて過ぎにし岡傍(おかび)から秋風吹きぬよしもあらなくに
私訳 ホトトギスが鳴いて飛び過ぎていった丘のほとりから秋風が吹く。貴女に逢う機会もないのに。
右三首、掾大伴宿祢池主作
左注 右の三首は、掾(じよう)大伴宿祢池主の作

集歌3947 家佐能安佐氣 秋風左牟之 登保都比等 加里我来鳴牟 等伎知可美香物
訓読 今朝の朝明(あさけ)秋風寒し遠つ人雁が来鳴かむ時近みかも
私訳 今朝の朝明けに秋風が寒い。胡に嫁いで行った人の便りを伝えると云う雁が、北の辺地から飛び来て鳴き声を上げる、その季節が近いのでしょう。

集歌3948 安麻射加流 比奈尓月歴奴 之可礼登毛 由比氏之紐乎 登伎毛安氣奈久尓
訓読 天離る鄙に月経ぬしかれども結ひてし紐を解きも開(あ)けなくに
私訳 都から遥かに離れた鄙に暮らして月日が経ったけれど、貴女が結んだ紐を自ら解いて衣を脱ぐことはないのだが。
右二首、守大伴宿祢家持作
左注 右の二首は、守大伴宿祢家持の作

集歌3949 安麻射加流 比奈尓安流和礼乎 宇多我多毛 比母毛登吉佐氣氏 於毛保須良米也
訓読 天離る鄙にある吾(われ)をうたがたも紐も解き放(さ)けて思ほすらめや
私訳 都から遥かに離れた鄙に暮らしている私を、もしかして鄙の女と衣の紐を解いてその衣を脱ぐと、貴女は想像しているのでしょうか。
右一首、掾大伴宿祢池主
左注 右の一首は、掾(じょう)大伴宿祢池主
コメント
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