竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1694から集歌1698まで

2021年04月14日 | 新訓 万葉集巻九
鷺坂作謌一首
標訓 鷺坂にして作れる歌一首
集歌一六九四 
原文 細比礼乃 鷺坂山 白管自 吾尓尼保波弖 妹尓示
訓読 細領巾(たくひれ)の鷺坂山し白(しろ)躑躅(つつじ)吾に色付(にほ)はて妹に示さむ
私訳 美しい白領巾のような鷺坂山の白い躑躅。私の衣に色を染めて行きましょう。恋人に見せたいから。

泉河作謌一首
標訓 泉川にして作れる歌一首
集歌一六九五 
原文 妹門 入出見川乃 床奈馬尓 三雪遺 未冬鴨
訓読 妹し門入り泉川の常滑(とこなめ)にみ雪残れりいまだ冬かも
私訳 貴女の家の門に入る。その泉川の滑らかな川の岩に雪が残っている。暦と違って、未だ、冬なのでしょう。

名木河作謌三首
標訓 名木川にして作れる歌三首
集歌一六九六 
原文 衣手乃 名木之川邊乎 春雨 吾立沾等 家念良武可
訓読 衣手の名木し川辺を春雨し吾立ち濡ると家(いへ)思(も)ふらむか
私訳 旅で萎えた衣の袖のように心も萎える名木の川辺で冷たい春雨に私が濡れると、貴女の住む家を想うでしょう。

集歌一六九七 
原文 家人 使在之 春雨乃 与久列杼吾乎 沾念者
訓読 家人し使にあるらし春雨の避くれど吾を濡らすと思(も)へば
私訳 雪は天からの使いと云います。貴女の住む家の人の使いなのでしょう。冷たい春の雨を避けようと思うけれど、それでも春雨が私を濡らすと思うと。

集歌一六九八 
原文 炙干 人母在八方 家人 春雨須良乎 間使尓為
訓読 炙(あぶ)り干す人もあれやも家人し春雨すらを間使にする
私訳 濡れた衣を焚火に炙って干す人もいますが、貴女の住む家の人の便りのような春雨さえも、便りの使いと思いましょう。

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