竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1648から集歌1652まで

2021年04月01日 | 新訓 万葉集巻八
紀少鹿女郎梅謌一首
標訓 紀(きの)少鹿女郎(をしかのいらつめ)の梅の謌一首
集歌一六四八 
原文 十二月尓者 沫雪零跡 不知可毛 梅花開 含不有而
訓読 十二月(しはす)には沫雪(あわゆき)降ると知らねかも梅の花咲く含(ふふ)めらずして
私訳 梅の花は、十二月には沫雪が降るとは知らないのだろう。その梅の花が咲いている。莟のままでいないで。

大伴宿祢家持雪梅謌一首
標訓 大伴宿祢家持の雪の梅の謌一首
集歌一六四九 
原文 今日零之 雪尓競而 我屋前之 冬木梅者 花開二家里
訓読 今日(けふ)降りし雪に競(きほ)ひて我が屋前(やど)し冬木(ふゆき)し梅は花咲きにけり
私訳 今日降った雪と競ったからか、私の家の冬枯れした樹に梅の花が咲きました。

御在西池邊肆宴謌一首
標訓 西の池の邊(ほと)りに御在(いま)して肆宴(うたげ)したまひし謌一首
集歌一六五〇 
原文 池邊乃 松之末葉尓 零雪者 五百重零敷 明日左倍母将見
訓読 池し辺(へ)の松し末葉(うらは)に降る雪は五百重(いほへ)降りしけ明日(あす)さへも見む
私訳 池のほとりの松、その言葉の響きのような松の梢の葉に降る雪は、幾重にもその枝に降り積もれ。明日もまたその姿を眺めよう。

大伴坂上郎女謌一首
標訓 大伴坂上郎女の謌一首
集歌一六五一 
原文 沫雪乃 比日續而 如此落者 梅始花 散香過南
訓読 沫雪(あわゆき)のこのころ續(つ)ぎてかく落(ふ)らば梅し初花(はつはな)散りか過ぎなむ
私訳 沫雪がこの季節に次ぎ次ぎとこのように降るのなら、梅の初花は、その花を散らすか花の盛りを過ぎてしまうでしょう。

他田廣津娘子梅謌一首
標訓 他田(をさたの)廣津娘子(ひろつのをとめ)の梅の謌一首
集歌一六五二 
原文 梅花 折毛不折毛 見都礼杼母 今夜能花尓 尚不如家利
訓読 梅の花折(を)りも折らずも見つれども今夜(こよひ)の花になほ如(し)かずけり
私訳 梅の花の手折ったものや手折らないそのままの花の姿を眺めたとしても、今夜、貴方が訪ねる床に咲く花には、到底、及びませんよ。
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