竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1724から集歌1728まで

2021年04月22日 | 新訓 万葉集巻九
嶋足謌一首
標訓 嶋足(しまたり)の歌一首
集歌一七二四 
原文 欲見 来之久毛知久 吉野川 音清左 見二友敷
訓読 見まく欲(ほ)り来(こ)しくも著(しる)く吉野川音(おと)し清(さや)けさ見るに乏(とも)しく
私訳 見たいと思ってやって来た甲斐があり、吉野川の流れの音の清かさを聞き見ると、心が奪われてしまう。

麻呂謌一首
標訓 麻呂(まろ)の歌一首
集歌一七二五 
原文 古之 賢人之 遊兼 吉野川原 雖見不飽鴨
訓読 古(いにしへ)し賢(か)しこき人し遊びけむ吉野し川原見れど飽かぬかも
私訳 昔の高貴な御方がおいでになった吉野の川原は、美しく眺めていても見飽きることがありません。
左注 右、柿本朝臣人麻呂之謌集出。
注訓 右は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ。

丹比真人謌一首
標訓 丹比真人(たぢひのまひと)の歌一首
集歌一七二六 
原文 難波方 塩干尓出 玉藻苅 海未通等 汝名告左祢
訓読 難波潟(なにはがた)潮干(しほひ)に出でて玉藻刈る海人(あま)未通女(をとめ)ども汝(な)が名(な)告(の)らさね
私訳 難波潟の潮干に出て美しい藻を刈る海人の娘女よ、貴女の名を名乗って下さい。

和謌一首
標訓 和(こた)へたる歌一首
集歌一七二七 
原文 朝入為流 人跡乎見座 草枕 客去人尓 妻者不敷
訓読 漁(あさり)する人とを見ませ草枕旅行く人に嬬(つま)は敷(ふ)させず
私訳 朝に漁をする人を御覧になる草を枕にするような苦しい旅を行く貴方に、私の名を名乗って、妻として抱かれることはありません。

石川卿謌一首
標訓 石川卿(いしかはのまえつきみ)の歌一首
集歌一七二八 
原文 名草目而 今夜者寐南 従明日波 戀鴨行武 従此間別者
訓読 慰(なぐさ)めて今夜(こよひ)は寝(ゐ)なむ明日(あす)よりは恋ひかも行かむ此間(このま)別れは
私訳 紀伊の名草の日前国懸の社を見て、旅路の気持ちを慰めて今夜は寝ましょう。明日からは懐かしく思うことでしょう。ここから出立して行けば。
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