竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌1664から集歌1668まで

2021年04月06日 | 新訓 万葉集巻九
雜謌
標訓 雑(くさぐさ)の歌

泊瀬朝倉宮御宇大泊瀬幼武天皇御製謌一首
標訓 泊瀬朝倉宮に天の下知(し)らしめしし大泊瀬幼武天皇の御製謌一首
集歌一六六四 
原文 暮去者 小椋山尓 臥鹿之 今夜者不鳴 寐家良霜
訓読 夕されば小倉し山に臥す鹿し今夜は鳴かず寝ねにけらしも
私訳 夕方になると小倉の山に棲む鹿が、今宵は鳴かない。もう、棲家で寝てしまったようだ。
左注 右、或本云、崗本天皇御製。不審正指。因以累載。
注訓 右は或る本に云はく、「崗本天皇の御製なり」といへり。正指(せいし)を審(つまび)らかにせず。これに因りて以ちて累ねて載す。

崗本宮御宇天皇幸紀伊國時謌二首
標訓 崗本宮に天の下知(し)らしめしし天皇(すめらみこと)の紀伊国に幸(いでま)しし時の歌二首
集歌一六六五 
原文 為妹 吾玉拾 奥邊有 玉縁持来 奥津白波
訓読 妹しためわれ玉拾ふ沖辺なる玉寄せ持ち来沖つ白波
私訳 愛しい恋人のために私は玉を拾う。沖辺にある玉を寄せ持って来る沖の白波よ。

集歌一六六六 
原文 朝霧尓 沾尓之衣 不干而 一哉君之 山道将越
訓読 朝霧に濡れにし衣干さずして独りか君し山道越ゆらむ
私訳 朝霧に濡れた衣を干すこともなく、独りで貴方が山道を越えて行くようです。
左注 右二首、作者未詳
注訓 右の二首は、作者いまだ詳(つばひ)らかならず。

大寶元年辛丑冬十月、太上天皇大行天皇幸紀伊國時謌十三首
標訓 大宝元年辛丑の冬十月に、太上天皇(おほきすめらみこと)大行天皇(さきのすめらみこと)の紀伊国に幸(いでま)しし時の歌十三首
集歌一六六七 
原文 為妹 我玉求 於伎邊有 白玉依来 於伎都白浪
訓読 妹しため我玉求む沖辺(おきへ)なる白玉寄せ来(こ)沖つ白浪
私訳 貴女のために私は真珠の玉が欲しい。沖の方から白い真珠の玉を波とともに寄せて来い。沖に立つ美しい玉のような波立つ白浪よ。
左注 右一首、上見既畢。但、謌辞小換、年代相違。因以累載。
注訓 右の一首は、上に見ゆること既に畢(をは)りぬ。ただ、歌の辞(ことば)小(すこ)しく換(かは)り、年代相(あひ)違(たが)へり。これに因りて以ちて累ねて載す。

集歌一六六八 
原文 白埼者 幸在待 大船尓 真梶繁貫 又将顧
訓読 白崎は幸(さき)をあり待つ大船に真梶(まかぢ)繁(しじ)貫(ぬ)きまたかへり見む
私訳 由良の白崎は御幸のふたたびの訪れを待っている。大船に立派な梶を差し込んで船を出し、また紀伊国の御幸の帰りに見ましょう。

コメント