竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌1669から集歌1673まで

2021年04月07日 | 新訓 万葉集巻九
集歌一六六九 
原文 三名部乃浦 塩莫満 鹿嶋在 釣為海人 見戀来六
訓読 三名部(みなべ)の浦潮(しほ)な満ちそね鹿島なる釣りする海人(あま)を見て帰り来(こ)む
私訳 紀伊国の三名部の浦に磯の道を閉ざす潮よ満ちるな。鹿嶋で釣をする海人を見に行って来たいから。

集歌一六七〇 
原文 朝開 滂出而我者 湯羅前 釣為海人乎 見反将来
訓読 朝(あさ)開(ひら)き漕ぎ出て我は由良(ゆら)し崎釣りする海人(あま)を見変(みかへ)り来まむ
私訳 朝が開け船を漕ぎ出すと、私は由良の岬で釣をする海人の色々な姿を見ることが出来るでしょう。

集歌一六七一 
原文 湯羅乃前 塩乾尓祁良乎志 白神之 磯浦箕乎 敢而滂動
訓読 由良(ゆら)の崎潮(しほ)干(ひ)にけらし白神(しらかみ)し礒し浦廻(うらみ)を敢(あ)へて漕ぐなり
私訳 由良の岬の潮は引き潮のようです。白浪が打ち寄せる白神の磯の浦の辺りを、敢えて船を楫を漕いでいく。

集歌一六七二 
原文 黒牛方 塩干乃浦乎 紅 玉裙須蘇延 往者誰妻
訓読 黒牛潟(くろうしがた)潮干(しほひ)の浦を紅(くれなゐ)し玉裳(たまも)裾(すそ)引(ひ)き行くは誰(た)が妻
私訳 黒牛の潟の潮が干いた浜辺を紅の美しい裳の裾を引いて歩いているのは誰の恋人でしょうか。

集歌一六七三 
原文 風莫乃 濱之白浪 従 於斯依久流 見人無
訓読 風莫(かぜなし)の浜し白波いたづらしここし寄せ来(く)る見る人しなみ
私訳 風があっても風莫の浜と呼ばれる浜の白波は、ただ無性に寄せてくる。見る人もいないのに。
左注 一云、於斯依来藻
訓読 一(あるひ)は云はく、ここに寄せ来も
左注 右一首、山上臣憶良類聚歌林曰、長忌寸意吉麿、應詔作此謌。
注訓 右の一首は、山上臣憶良の類聚歌林に曰はく「長忌寸意吉麿、詔(みことのり)に応(こた)へてこの歌を作る」といへり。

コメント