竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1704から集歌1708まで

2021年04月16日 | 新訓 万葉集巻九
献舎人皇子謌二首
標訓 舎人皇子に献(たてまつ)れる歌二首
集歌一七〇四 
原文 球手折 多武山霧 茂鴨 細川瀬 波驟祁留
訓読 ふさ手折(たを)り多武(たむ)し山霧しげみかも細川(ほそかは)し瀬し波し騒ける
私訳 さあ、乙女と云う花の房を手折ろう。多武山を山霧が覆っているのだろうか、細川の瀬の川波の音が騒がしいことよ。(これから花を手折りに行く想いに、心も騒がしいことよ)

集歌一七〇五 
原文 冬木成 春部戀而 殖木 寶成時 片待吾等叙
訓読 冬ごもり春べを恋ひて殖ゑし木し実しなる時し片待つ吾ぞ
私訳 冬に木が芽を付けるように、春の訪れを恋しく想って植えた木のその花が咲き、実が育つ時を心待ちにする私達です。

舎人皇子御謌一首
標訓 舎人皇子の御歌一首
集歌一七〇六 
原文 黒玉 夜霧立 衣手 高屋於 霏微麻天尓
訓読 ぬばたまし夜霧し立ちぬ衣手し高屋(たかや)し上(うへ)に棚引くまでに
私訳 漆黒の闇に夜霧が立ち渡り、布を裁ち縫う衣手の、その袖で高く指す高屋の上まで棚引くほどに。

鷺坂作謌一首
標訓 鷺坂にして作れる歌一首
集歌一七〇七 
原文 山代 久世乃鷺坂 自神代 春者張乍 秋者散来
訓読 山城し久世の鷺坂神代より春ははりつつ秋は散りけり
私訳 山城の久世の鷺坂は、神代から春は花が咲き乱れ、秋は黄葉が散り往く。

泉河邊作謌一首
標訓 泉川の辺(ほとり)にして作れる歌一首
集歌一七〇八 
原文 春草 馬乍山自 越来奈流 雁使者 宿過奈利
訓読 春草し馬咋(うまくひ)山ゆ越え来なる雁し使(つかひ)は宿(やどり)過ぐなり
私訳 春の草が繁る馬咋山を越えて飛び来る雁の、仮初めの急の使いが馬咋山で宿ることなく急いで過ぎて行った。

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