At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana / Same

2007-03-11 | Hard Bop & Modal
先日のRCA盤2枚+GTA盤に続き、またイタリアのDeja Vuから彼らの音源が3枚同時に復刻。今回対象となるのはJollyレーベルに残された2作品とMusic盤のようですが、やはり目玉はこの60年録音盤でしょう。残りの2枚のLPに関しては、比較的入手容易な米Verve盤やジャケット&タイトル違いのStella盤も存在しているのに対し、本作は(CDではありましたが)過去に復刻がなく、長らくマニア垂涎の一枚となっていた作品です。おまけに内容的にも非常に素晴らしく、数ある彼らの作品のなかでも67年のGTA盤に匹敵するクォリティを持った1枚。いくら再発とは言えど、これをチェックしない手はありません。さて、気になるその演奏メンバーはセラーニやアゾリーニを含むいつも通りのクインテットに、トロンボーンのディノ・ピアーナを加えた当時のイタリアにおける最強3管セクステット。このメンバーで精一杯明るく楽しげな演奏を全編に渡って繰り広げています。踊れる曲はA-1のCrazy RhtyhmとA-3のGuess Who、それからB-4のLucy Ed Io。いずれもエッジの効いたシャープな3管のアンサンブルが格好良い高速4ビートのジャズ・ダンサーです。フロアーでも人気のLotarやMonotonia、それからDonna Luなどの諸作とは違い、それほど夜感を感じさせるタイプの演奏ではないですが、その分だけ逆にストレート・アヘッドなハードバップとなっていて、ジャズ初心者の人たちにも分かりやすいプレイなのではないかと思います。天に突き抜けるかのような明るい演奏は、この彼ららしからぬキュートなジャケットのイメージともぴったりですね。しかしながら最近のDeja Vuレーベル(というかPaolo Scotti)の働きぶりには、本当の目を見張るものがあります。「もっと復刻してほしい」という思いと「もうこの辺で辞めて欲しい」という思い交錯して、何だか複雑な気分になってくるのは僕だけでしょうか。

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