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ベルギー生まれのパーカス兼ヴァイブ奏者のサディが独Sabaレーベルに残した小粋な一枚。50年代から既にパリなどで活動をしていた彼(たしかVogue辺りにリーダー作もあったはず)ですが、今の若い世代にとっては60年代に例のクラーク=ボラン楽団に参加していた人と言った方が馴染みがありそうですね。もっとも錚々たるメンバーがソリストとして名を連ねる同楽団の中では、演奏する楽器の特性上、比較的目立たないポジションの人なので、そもそも他のメンバーに比べて知名度が低いかもしれませんが…。さて、本作はそんな彼が66年に吹き込んだアルバムです。サイドを務めるのはクラークにボランにウッドと、いずれも楽団の核となるベテラン・ミュージシャンたち。もしかするとお気づきの方もいるかもしれませんが、以前ここで紹介したボランのOut Of The Backgroundと全く同じメンバー編成ですね。ただ、あちらではコンガのみを叩いていたサディが、本作では逆にヴァイブのみを弾いているので、2作品の毛並は若干異なる雰囲気です。Out Of~の方がリズム重視だとするならば、こちらはメロディー重視と言った趣き。ちなみにこの2作品に対し、音楽的に中間に位置するのが67年のMusic For The Small Hoursだと思います。昨年ユニヴァーサルから復刻されたグリフィンの作品でもプレイしていたA-1のNight Ladyの再演がまず最高。リードを務める楽器がテナーからヴァイブに変わって、グッと夜感の増した素敵な仕上がりになっています。続くA-2のタイトル曲は逆に翌年のMusic For The Small Hoursで再演された曲。ウッドがヴォーカルを務めるあちらのヴァージョンも良いですが、こちらのインスト・ヴァージョンもかなり良い雰囲気ですね。他にもB-1のAll Of YouとB-4のRidin' Highという2曲のポーター作ナンバー辺りもかなり良い出来栄え。普段は他の豪華なソリストの陰に隠れてあまり目立たない彼ですが、こういう作品を聞くと楽団内での彼のポジションの重要性を再確認出来る気がします。今ならCDで容易に入手可能なので、興味のある方は聴いてみてください。特にクラーク=ボランのスモール・コンボが好きな方は是非。
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