世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【日銀、「誤算」装いJマネーを米から国内巣ごもりへ誘導か】日銀にハメられた?アメリカが向かう先④

2017-12-09 00:04:48 | 日本

前回からの続き)

 日銀の金融政策「異次元緩和」の本当に本当の狙いは、超低金利な市場環境を演出してアメリカ資産バブルとその破裂の規模を極大化することなのではないか―――前回、そのような個人的憶測を綴りました。

 このあたりは以前こちらの記事に書いたとおりです。いまのアメリカの株価や債券価格等は、まさに「双子のバブル」(Twin bubbles:株&債券のバブル[私的造語])と呼ぶにふさわしいほどの超異様な高値に達しているわけですが、この形成に大いに寄与(?)したのが日銀であることは明白です(?)。マネーの最大の出し手であった米FRBはとっくの昔(201410月)にQE(量的緩和策)を停止し、金融引き締めに向かっているわけですからね・・・

 他方、先述した多額の円貨の滞留ぶりは・・・この狙いに沿って解釈するならば、日銀がジャパンマネーに対し、アメリカから日本への回帰を促した結果といえそうです(?)。

 異次元緩和によってドル高円安が進み、ドル資産の円換算額が高まれば、本邦投資家の多くが利確のためにこれらを売却するようになります(以前ご紹介した「やれやれ売り」はその一環といえる)。だからといってそれで得たキャッシュを対米再投資には安易に振り向けられません。上記のとおりアメリカの資産価額はどれもすさまじくバブリーになっているほか、実質実効ベースをはるかに上回る水準にドルが対円で高くなってしまったので、いまこれらを掴んだら将来、巨額評価損&為替損を食らう危険は避けがたいためです(?)。かくしてマネーフローはドルから円へ、といった具合に日銀は政策を通じて日本人のおカネをアメリカから逃避させようとしているように推察される、というわけです。

 これ、アメリカにしてみれば、ジャパンマネーによるファイナンスを十分に得られなくなることを意味します。ご存知のとおりアメリカは世界最大の「双子の赤字」(Twin deficits)国家(財政&貿易収支の赤字)なので、外国のおカネを借り続けなければ国が保てません。そんななか、これとは正反対に世界一の純資産国=外国におカネを貸す余力が最大の国・日本のマネーがアメリカからもドルからも遠ざけられてしまっています、日銀の金融政策・・・というより対米金融戦略(?)によって。これってけっこう痛いと思います。わが国が米国債をはじめとするドル資産を買わない分だけアメリカは・・・債務者の大敵=金利上昇圧力に苦しめられるわけだから・・・

 常識的な経済感覚を備えていれば異次元緩和みたいなことをしたらこうなることははじめから分かっていたはず。日銀幹部ほどの金融通(?)であればなおさらです。それを「日銀の誤算」みたいな表現でメディアが「こんなはずじゃなかった」的に伝えるのを日銀が黙認(?)しているのは、アメリカに対して上記の真の狙いを見抜かれないようにするため(?)だと考えています。そんな風に見込み違いのふりをすることでアメリカから「米バブルを煽ったのは日銀だ!」と非難されるリスクを回避しつつ、ジャパンマネーには国内で巣ごもりさせ、米バブル崩壊にともなうダメージを最小限に食い止めようという算段なのでしょう(?)。

続く

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【麻薬を断とうとした友人に麻薬を勧めるようなもの】日銀にハメられた?アメリカが向かう先③

2017-12-07 00:00:06 | 日本

前回からの続き)

 本稿冒頭で、日銀の金融政策「異次元緩和」の本当の目的は「アメリカ支援」―――それによって超低金利環境を演出してリスク資産の価格上昇をサポートするとともにジャパンマネーにドル米国債買いを促そうというもの―――だと書きました。しかし・・・前者こそその目論見のとおり(?)となりましたが、後者についてはけっしてそうはなっていません。そのあたりの様子は前述の「キャッシュリッチ」ぶりなどで確認ができるところです。それどころか、日本人投資家の多くは本来なら(≒異次元緩和がなかったら)ドル資産に振り向けていたマネーすらも円のキャッシュに換えて、ひたすらじっとしているようだ・・・

 ・・・このへん、日銀の誤算という捉え方があるかもしれません・・・が個人的には、これこそ日銀が予想したとおりの展開なのではないか、と推察しています。つまり・・・異次元緩和」には本当に本当の目的があった、それは「アメリカ支援」?―――同国の資産バブルを行き着くところまで膨張させる、というものではなかったか・・・

 こう解釈すると、本稿第一回目で書いた2014年10月末の米QE3終了と同時期に発動された「追加緩和」の真の意図が分かってきます(?)。すなわち・・・われわれ日銀がFRBに代わってマネーを出し続ける!ここで米バブルを打ち止めにさせてなるものか!というものだったということになります。

 では、どうして日銀はこれをそこまでデカくしたかったのか? アメリカにはそれしか―――バブルに依存するしかなかったから異次元緩和サポートしようとした・・・とつい想像しがち(?)ですが、じつはそうではなく、アメリカのバブルを目一杯膨らませることでそのバーストのスケールのほうを死ぬほど巨大化させたい―――このあたりが、金融引き締めに向かう米FRBに逆行する形で超低金利マネーを吐き出し続ける日銀の真意なのではないか・・・???

 わたしたち日本人は資産バブルの恐ろしさと後に続く資産デフレ、その解消のプロセスがたいへん長く険しいことを身をもって知っています。だから2007年のサブプライムローン・バブル崩壊、2008年のリーマン・ショックに立て続けに見舞われたアメリカには、自らの苦い経験に基づき、当時の局面でバブルの抜本的な清算に速やかに着手するよう、強く勧めるべきでした。厳しい道だけれど、ここで腹をくくって不良債権の処理や公的資金注入による銀行救済等を不退転の決意でスタートさせなければ、さらにバブルが拡大して手の施しようがなくなるぞ!と忠告するべきでした。それが同盟国の友邦を思いやる誠実な対応であったはず・・・

 でも・・・上記のように日銀がやったのはこれとは真逆です。これ、「麻薬」(≒QE:量的緩和策)をやめようとしている友人(アメリカ)に「うっしっし~、これで楽になっちゃえば~」と悪魔の?ささやきで、さらに麻薬(≒緩和マネー)を差し出すに等しい行為です。その友人が再びヤク中に陥って、最後は・・・となることを知っていながら・・・

続く

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【「Jマネーのドル買い起こらず」は日銀の想定外なのか】日銀にハメられた?アメリカが向かう先②

2017-12-05 00:01:23 | 日本

前回からの続き)

 日銀の金融政策「異次元緩和」の本当の目的は「アメリカ支援」―――株などの資産価格上昇の促進とジャパンマネーのドル資産流入の後押し―――だと考えています。ここで米株上昇については狙いどおりで高値安定、どころか足元ではヤバイくらいの勢いで上昇を続けており、まずまず日銀の目論見のとおり(?)といえるでしょう。しかしドル円のほうは前述のように現時点で1ドル111 ~112円あたりと、2014年10月末の「追加緩和」発動時とほぼ同水準。それ以降いままで「米:金融引き締め、日:さらに緩和」だから本来ならばドル高円安がもっと進みそうなのに・・・いったいどうして?

 そのへんの市場的な解釈は・・・「日米金利差が予想されたほど大きくはならなかったため」なのでしょう。たしかに、米FRB利上げを比較的素直に反映する短期の金利が上昇したことで日本のそれとの差は多少開きました(2年物日米国債金利差:2014年10月末:0.46%→今年11/28:1.92%)。でも長期金利10年物国債金利)の方は1.86%→2.3%とそれより短い期間の国債金利と比べても大きいとはいえない感じです。このあたり日本の投資家からすれば・・・まあ日本は超低金利だけれど、日米の利回り差がこの程度なら、両国のインフレ率とかファンダメンタルズの違いを考えるとドル米国債(とくに米長期債)もまた積極的には買えないな・・・ということでドルの需要は高まらず、ドル高円安は進まないということに・・・

 そういうわけで、ジャパンマネーでドルを支えようという日銀の所期の目的はなかなか達せられない状況になっています。この金利差以外に・・・円→ドルシフトがそれほど起きていないのには高まる為替リスクの影響もあるはず。こちらを含めて何度も指摘しているように、異次元緩和後の日米為替レートは実質実効ベースとの比較で大幅な円安ドル高になりました。ゆえに、この局面ではドルは高過ぎて買えない、というのが至極常識的な判断になるものと思われます。

 もっとも上述のとおり・・・日銀の政策のせいで日本国債もまた(一部は額面を上回るくらいの)超高値になっていて手が出せないわけです。多くの本邦投資家がこうしてドルも国債も買えずに、持て余した(?)円のキャッシュを日銀当座預金口座に「ブタ積み」するか、いっそ「タンス預金」に回す(?)しかなくなってしまっている・・・。そのさまの一端はこちらの記事に書いた企業各社の「キャッシュリッチ」ぶりにも表れているところです。

 このように日銀は・・・(日米の)株に代表されるリスク資産の価額上昇こそ実現させましたが、ドルをサポートさせるという点では達成度は不十分といった感じだと思います。さらに、これほどの低金利に誘導したにもかかわらず、巨額の円貨が実質的にキャッシュのまま凍り付いたように動かず、インフレは起こらないし投資も消費も活性化しない現況もまた想定外なのかも・・・

 ・・・以上などを根拠に、日銀の「異次元緩和」は誤算続き、なんて見方があります・・・が、これらは本当に見込み違いだったのでしょうか? むしろ日銀・・・の幹部は、こうなることを完全に読み切っていたのではないか

続く

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【異次元緩和の本当の狙い:アメリカ様支援?】日銀にハメられた?アメリカが向かう先①

2017-12-03 00:01:42 | 日本

 前稿に続くテーマですが、もっと本質的と思う点からアプローチしてみます・・・

 わたしは日銀の金融政策「異次元緩和」(現時点の正式名称「長短金利操作付き量的質的金融緩和」)の本当のねらいを知っているつもりです(?)。それは・・・日本ではなくアメリカ支援」―――米資産価格およびドルの上昇促進を図ることでアメリカ様をお支えする、といったもの(?)。

 ・・・たしかに表向きの目標(?)こそ「デフレ脱却≒インフレ年率2%の達成」といったようになっています。でも、その背後には・・・インフレ2%のいっぽうで名目の金利をほぼ0%に引き下げることで実質利回りをマイナス圏に誘導し、これによって日米の金利差を大きくしてジャパンマネーに対米投資を促そうという戦略があったはず(?)。

 この意図がはっきりと感じられたタイミングがありました。それは201410月のおわり。このとき、米FRBがそれまで続けていた量的緩和策第三弾(QE3)の終結を決定した直後に日銀は「追加緩和」(国債購入枠をそれまでの年50兆円から同80兆円[現行ベース]に引き上げ、など)を発動したのでした。これ、上記ねらいを踏まえると、QE3終了で米金利の先高観が高まるなか、FEBに代わって日銀が引き続き超低金利マネー供給源を担うことでドル資産の価格急落を食い止めるとともに、同緩和策によって日本の金利をさらに引き下げればマネーのいっそうの円→ドル(ドル高円安)が促される・・・といった具合です。

 そのとおりとなったのか(?)、QE終了(金利上昇)観測から下落傾向にあった米株価は日銀の同発表後、その直前までの落ち込みから立ち直り、再び高値にチャレンジしていきました。このあたりをダウ平均でみると、同年10月中旬は16千ドル台半ばだったのが同月末には17千ドル台を回復、翌2月には18千ドル台に乗り、その後も高値圏でもみ合いつつ、昨年11月(ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利!)以降はご存知のように、それこそ青天井!?といったスゴイ(というかヤバイ?)勢いにあるわけです。

 他方、為替(ドル円)のほうは・・・株価ほどは見込み(?)のとおりにはなっていない印象を受けます。たしかに上記緩和後~2015年にかけてはさらに円安ドル高が進み、1ドル100円台半ばから20156月には同125円を超えるレベルに達しました。ですがその後は・・・利上げ再開に象徴されるようにFRBが金融引き締めを強め、いっぽうの日銀がマイナス金利まで導入して緩和を進めたにもかかわらず・・・円安ドル高は進まず、現在(12月初旬)は同111112円あたりと、追加緩和スタート当時とほぼ同じ水準にとどまっています・・・

続く

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【あの銀行は賢明にもB/Sに「実物資産」を蓄積中!】日銀の債務超過転落は避けるべきだ⑨

2017-12-01 00:00:05 | 日本

前回からの続き)

 本来ならば国民全員でこれまで綴ってきた危機を超認識し、回避できるよう、いまからでも動くべきですが、どうも無理そうですね、残念ながら(?)。やはりここは各個人で防衛策を、ということで・・・同じ中銀でも中国人民銀行がやっていることにヒントが見つかるような気がします。したたかな彼らは自身のバランスシートに実体無き「経過勘定」などではなく、ずっしりとした実体のある「実物資産」を黙々と積み上げているわけで・・・

(「日銀の債務超過転落は避けるべきだ」おわり)

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